僕自身、オーロラを生で見たのはこの日で5度目だったのですが、これだけ何時間もの間、全天を駆けめぐるようなオーロラの乱舞に出会ったのは、初めての経験でした。人間はおろか、地上の自然のスケールすら軽々と凌駕する、たとえようもなく美しくて気まぐれな、宇宙からの光。雪原に降りそそぐその光を見つめていると、感動や興奮を通り越して、畏れにも似た感情が湧いてきました。それはもしかすると、どんなに鮮やかな写真や映像でも伝えきれない、オーロラを自分自身の目で見ることでしか感じることのできない感情なのかもしれない、と思いました。
次回は、トロムソの街で歩いて調べてみた、現地のアウトドア事情をお届けします。
(撮影/山本高樹)
▼トロムソまでのアクセス
日本からトロムソまでは、フィンエアーが2015年1月から3月までの期間限定で、週3便のトロムソ便を運航しています。成田、中部、関空から、ヘルシンキでの同日接続でトロムソまで行くことができます。
http://www.finnair.co.jp/
山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。ライフワークであるインド北部の山岳地帯ラダックの取材を中心に、世界各地での撮影と執筆に取り組む。主な著書に『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々』(スペースシャワーネットワーク )『ラダック ザンスカール トラベルガイド インドの中の小さなチベット』(ダイヤモンド・ビッグ社)。企画・編集では『撮り・旅! 地球を撮り歩く旅人たち』(ダイヤモンド・ビッグ社)など。
http://ymtk.jp/ladakh/