〇アッパーガスペエリア
きつい登り、ダートロード、そして距離が読めない道のり。そして出会う町の人のほとんどがフランス語という環境の中で、まさに孤独な道のりだったかもしれません。また、モンルイスから十数キロ離れた、ガスペ国立公園に一番近い補給先のあるキャンプ場には、ストアもなく、トレイルからキャンプ場の入り口も表示もありませんでした。数キロオーバーして歩いて戻るという悲しい状況に…。
〇ガスペ国立公園
とにかく雨が多い。公園入口から登山口までは、環境面に配慮しバスが運行されており、徒歩・自家用車あらゆる手段が禁止されていました。景色がとてもいいので、観光客が混雑していましたが、バックカントリーに入った瞬間からまったくハイカーの姿が見えませんでした。しかし、縦走路に入ると、多くのハイカーに遭遇。彼らの全員がガスペ国立公園とマンタン自然保護区だけを歩くハイカーで、そのほとんどがノースバウンド(北側に向かって歩く)人々でした。
最初のテーブルマウンテンが広がる美しい景色を過ぎると、ことごとく頂上を通過し、裾野へ下ろされる厳しい道のりでした歩いている時にあんなに出会ったハイカーも、シェルターではまったく会わない。歩いているハイカーの絶対数の少なさを感じました。
〇マンタン自然保護区
マンタン自然保護区に入ると、道のりは更に厳しく、ガスペ国立公園から続くぬかるみの道に、ブーツは常に濡れます雨が続いていたせいもあり、僕の背丈ほどに延びている藪が、雨がやんでもすべてを濡らす日々でした。開けた景色も山頂が見えるような場所もほぼない状況に、僕は下を向いて歩くことが多かったように思います。