【その先のアパラチアン・トレイルへVol.9】
足を引きずるような痛みと付き合いながらの道のりは過酷でした。
冷たい雨が5日間。
幸い、濡れたこの冷たい雨が、足の痛みを和らげてくれました。
ガイドブックに載っている食材屋がなくてガッカリする日があったけれど、多くの人の優しさに出会う日もあり、そのなかで孤独なトレイルは続いていました。
最後の山岳エリアを抜け、マタペディアの町に着くとき、ロイから聞いた有料のキャンプサイトに行くことにしました。このキャンプサイトは、山岳ツアー会社が運営しており、インターナショナル・アパラチアン・トレイルのルートに関する手がかりがあるのでは、との話を聞いていたからです。
トレイルから2km以上離れていましたが、このままではまったく情報がないので、ニューブラウンズウィック州の手がかりを求めて、行くことにしました。
そこで僕が聞いた情報は・・・・。
地図はない。もしかしたら大きな町ではあるかもしれないという現実でした。
そして、このツアー会社では、インターナショナル・アパラチアン・トレイルのガイドをしているのは、ケベック州のみである事実。ニューブラウンズウィック州・メイン州は、ダートロードと舗装路だけだから、そもそも歩く人がいない。だから、ガイドもしていなくて、インターナショナル・アパラチアン・トレイルのルートが何処にあるのかすら分らないとの答えでした。
結局僕は、ニューブラウンズウィック州のインターナショナル・アパラチアン・トレイルのホームページから印刷をかけたA4の2枚のコース案内と、A4のおおざっぱな地図1枚で歩くことになったのでした(現在地図はダウンロードできません)。
〇タイトヘッドエリア・ケジビックエリア
マタペディアからタイトヘッドまでの20kmあまりの道のりは、ハイウエイを通過する舗装路。路肩は狭く危険な道のりです。もちろんテントなど張れるはずもなく、補給ポイントと定めたタイトヘッドは、小さな食材屋がわずかに1件。ネットの環境すらない田舎町でした。食材屋を過ぎると、NBトレイルのルートがあり、ここがインターナショナル・アパラチアン・トレイルのルートのよう。全行程ダートロード。トレイルを示すマークもまばらでシェルターすらない道のりです。
歩く人がまったくいない状況で、川沿いを歩くことに。昔は鉄道が敷かれていた道も今はダートロードで面影はありませんでした。