スマートウォッチの進化が止まらない! 近年は独自OSを搭載したモデルが続々と登場し、なおかつ価格も有名ブランドのものを比べると控えめに設定されていることから買いやすくなってきた。運動やアウトドアでの使用に特化したモデルも増えている。
そんな中、ついにGoogle(グーグル)が開発したWear os搭載のスマートウォッチも登場。今回はいち早くそのモデルを借りる機会があったので、実際に使ってみた。
Wear osを搭載した、使いやすさを重視したスマートウォッチ
今回紹介するのは、中国・北京に拠点を置くMobvoi(モブボイ)という会社が開発したスマートウォッチ。同社はAI技術を活用した家庭用電子機器や音声認識、スマートウォッチを手かげるスタートアップ企業で、Googleから出資を受けて作られたモデルがこちらだ。
一番の特徴が、Googleのサービスを連携させられること。TicWatchにGoogleアカウントを連携させれば、非接触型決済のNFC Type A/Bが搭載されているため、9月30日からVisaのタッチ決済やMastercardコンタクトレスなどを活用したGoogle Payが利用できるようになったほか、スマホアプリで健康状態を管理できる。
実際に1週間使ってみた。運動不足である筆者は、運動目標を「強め」に設定して、それが平均としてどのくらい達成できるかをチェック。結果、1週間のうち2日しか目標を達成できていなかった(笑)。
また、Googleアシスタントがバッチリ使えるのも嬉しいポイント。オーディオやライトなどスマートホーム設定にしているものが声で操作できるほか、音声検索などもでき、ハンズフリーでいろんなことができてしまうのだ。
以上はGoogleの機能を普段から使っている人にとって魅力的なポイントだが、そのほかにもいろんな機能を備えている。
(1)心拍センサーによる具体的な健康管理
心拍センサーは、いまや多くのスマートウォッチに搭載された健康ツール。同商品にも備えており、疲労スコアとエネルギー消費量の傾向から、現在の疲労度合いや精神状態を計測してくれる。
家やオフィスにいるときはもちろん、運動後や健康診断前などにチェックして、自分の健康状態が正常であるか手軽に確認できるのは嬉しい。
(2)運動モードは自動で計測が可能
健康ツールとしてスマートウォッチを使う人も多いはず。TicWatchは、室内運動やウィンタースポーツ系など100種類もの運動モードがあり、シチュエーションに合わせて最適な運動チェックができる。
個人的に驚いたのが、家と編集部を行き来する際に、自動的にウォーキングモードが発動して距離と運動時間を計測してくれたこと。モデルによって毎回アプリを立ち上げる必要があり、「面倒だな〜」と感じることがあったが、同商品を使っていたら意図せず計測が始まり、感動を覚えた。
(3)防水防塵性、そして耐久性は最高峰
アウトドアウォッチの定番とも言える防水防塵性は、TicWatchにもしっかり備えられている。等級はIP68で、防水防塵性ともに最高レベル。ディスプレイのガラスは、アメリカのコーニング社が製造するゴリラガラスを採用し、優れた耐擦傷性と耐落下性を持つ。
さらに、アメリカ国防総省が制定するMIL規格(810G)に準拠した厳しいテストをクリアし、高い標高や豪雨といった悪環境での使用も問題なし。アウトドアだと、急な天候変化や気温の変動でメカニック類が壊れないか心配になることがあるが、これなら問題なく使用できる。
そのほかの良かった機能
健康と運動の機能や耐久性のほかに気になったポイントもご紹介。まずは運転中に流している音楽を、TicWatchの画面で操作できること。カーナビに目を下ろして操作すると、前方不注意になり心配な人は、腕を横にすればすぐにチェック・操作できる点で便利だろう。
また、運転だけでなくスマホで流す音楽もこちらから操作が可能。特に、音楽ストリーミングサービス「スポティファイ」は同商品内のアプリからダウンロードができ、スマホを介さなくても同商品にBluetoothイヤホンを繋げばダイレクトで音楽を聴ける。
次に、筆者にとってマスト機能の電卓アプリもあった。これをショートカット画面に入れておけば、ホーム画面で左にスワイプするとアプリを起動できるので、スマホや電卓を立ち上げなくてもすぐに計算できる。
使用するバンドは、高密度なゴム素材を使ったプレミアムフルオロゴム。長時間身につけても違和感を覚えず、耐熱性や酸化抵抗性、化学薬品などによる劣化防止に優れているため、アウトドアや旅行で快適に過ごせる。
電池はどのくらいもつ?
常時点灯モードを使い続けたところ、TicWatchは2日目の昼くらいにバッテリーが切れそうになった。公式ページによると、スマートモードで72時間(3日間)、基本モードで45日もつとされているので、おおむね合っていた。
筆者はApple Watch、Amazfit3台を使った経験から、Amazfitはいずれも電池の持ちが非常に良く、一方でApple Watchは2日持たないくらいなので、順位としては同商品は中間にあたる。
電波や使用環境によるが、1泊のキャンプなら問題ないが、2泊だとちょっと心配になるので、長期宿泊の場合はモバイルバッテリーを用意したほうがいいだろう。
なお、専用の給電コードで充電してみたところ、20%の残量からフルに戻るまで1時間と少しで終わり、給電スピードは速いと感じた。すぐに使いたい人にとっては、これは嬉しい要素だと言える。
気になったところ
TicWatchの良かったポイントを紹介したので、反対に気になったところも伝えておきたい。まず、Googleアカウントがない人が同商品と紐付けるためには、Mobvoi IDを作る必要がある。その際、日本語表記がないため厄介に感じる人が多いかもしれない。
また、「TicHealth」や「TicExercise」といった同商品に備わるオリジナル運動アプリの記録を保存するためには、このMobvoi IDの登録がマストになる。
次に、同商品の中身をアップデートするためには、同商品をWi-Fiに直接繋ぐ必要がある。最新状態を維持したい人もいると思うので、場合によっては面倒と感じてしまうだろう。
MobvoiやTicWatchと聞いてピンとこない人はいるかもしれないが、GoogleのOSが入っていると聞くと興味をそそられるだろう。もちろんGoogleを使っていない人でも手軽に使えるアイテムなので、ぜひ試してみてはいかがだろうか。
商品詳細
Movvoi「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」
価格:¥35,999
CPU:12nm クアッドコア A53 プロセッサー
OS:Wear OS by Google
GPU:1GB + 8GB
Mobvoiの公式サイト
https://www.mobvoi.com/jp