〇カールトン国立公園エリア
ハイウエイ180から、オールド・ハイウエイに変わる。舗装路からダートロードに変わり、また舗装路に変わる道のり。マウントカールトンは、観光で訪れる人も多く、一定の交通量があるが、路肩は少ない。セントクエンティンから、プラスターロックまでの約140kmはこの舗装路を通過する。
マウントカールトンを超えてもテントを張る場所すらない道が続く
マウントカールトンへの分岐からのオールド・ハイウエイを歩く。テントを張れる場所は相変わらずありませんでした。マウントカールトン国立公園の入り口のキャンプ場で泊まるかどうか悩んみましたが、残りの距離を考えると、先に進むしかありませんでした。多くの観光客に「乗せていくよ」と声を掛けられたのですが、それを断って歩き始めましたが、どこまでも続く舗装路とテントが張れない状況でした…。
マウントカールトンエリアを越え、下りの道に差し掛かったとき、ダートロードと交錯する場所で水場を見つけ、少しテントが張れそうな場所を見つけたので思い切ってテントを張ることにしました。
夜中も行き来するトラックから、明かに僕に向けて鳴らしたクラクションが聞こえます。それは、早朝テントを撤収するときには、より一層増えていました。
今までは、ハイウエイであれトレイルだから歩かなくてはならないと考えていました。
それがわずかな距離であればいいのですが、今回のように長距離のハイウエイが続く中でテントを張る危険性やハイカー
として、ハイウエイを歩くことについて疑問が。
僕たちハイカーは、生活排水が流れ込んだ水をろ過するような浄水器は持っていません。町が近くなれば土地の問題もあります。ここは車道であって人が歩くようには出来ていない。まして、泊まることを前提には出来ていません。
長いハイウエイを歩く中で、色々と考えました。
民家が近くなったころ、ハイウェイをひとり歩く僕のもとに、1台の車が止まってくれました。林業をしている2人の若者で、仕事帰りに僕を見かけて心配になって声を掛けてくれたそうでした。
このまま歩いても、またハイウエイでテントを張らなくてはならない距離です。僕の心境は複雑でしたが、乗せてもらうことにしました。
窓の外を眺めると、残りの道のりも民家が多く、いくつかの小さな集落を通過していました。狭い路肩に交通量の多い道、とても飲めそうにない水源。キャンプが不可能と思われるハイウエイ沿線にただ愕然としたのでした。
この頃から4コマ日記はおろか、写真すら撮らなくなりました。
カメラのファインダーを覗くと、どこで撮影してもハイウエイの同じ景色がただ広がるだけだったからかもしれません。
つづく
【Profile】 斉藤正史
山形県在住
LONG TRAIL HIKER
NPO法人山形ロングトレイル理事
トレイルカルチャー普及のため国内外のトレイルを歩き、山形にトレイルを作る活動を行う。
ブログ http://longtrailhikermasa.blog.fc2.com/
山形ロングトレイル https://www.facebook.com/yamagatalongtrail
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