北欧の秋の天気は風が強くて寒い。雨もたくさん降るし、外は少し憂鬱なので、それを忘れるためにサウナにゆっくり入ることが多くなります。海や湖に飛び込んだり、森の新鮮な空気を吸ったりするより、サウナ室内の暗く心地よい空間を楽しむのが北欧での秋サウナの楽しみ方。
それと比べて、日本では秋サウナをどんなふうに楽しむのでしょうか?そのヒントを得るために、先日、UPI主催の「UPI SAUNA TREK in 岡山」イベントに参加してきました。
プログラムの流れは、トレッキング→稲刈り→アウトドアランチ→サウナ。
ワクワクするプログラムに間違いない!
里山トレッキング
今回のイベントは大芦高原キャンプ場でスタート。激しい登山というより、ガイドさんに土地の歴史などを聞きながらのんびり里山をトレッキング。約1時間で体が柔らかくなったタイミングで、目指していた上山棚田に到着。
目の前にはテントサウナと水風呂、外気浴エリアなどが広がっていたけれど、一番気になったのは、田んぼに水を張って作られた泥風呂!泥風呂は初めてなので、水風呂とどう違うのか、体験するのが楽しみ!
稲刈り体験
日本の秋を感じるアクティビティーといえば、稲刈りでしょう。都会に住んでいる現代人にとっては中々貴重な体験。鎌を手に取って、収穫をしばらくやってみると、農家さんたちへの感謝を深く感じる。楽しく体験しているとはいえ、中々ハードな作業ですね。これを何日間か連続でやったら、体がバキバキになるでしょう。
軽く汗をかいたところで、体験終了!刈った稲穂は天日干しした後に送ってくれるみたいで、家で食べるのが楽しみ!
アウトドアランチ
北欧のサウナタイムには、サウナに入るだけではなく、一緒に何かを食べることがよくある。サウナストーンの上でソーセージを焼いたり、焚き火で軽くBBQをしたりするのが北欧ではとても人気。
今回は、フレンチレストラン「ポンヌフ」の料理長が地元食材を使い、秋を感じさせるランチを用意してくれました。周辺で捕れた鹿肉や秋の野菜を焚き火で調理してくれました。青空の下で、秋の味覚を味わって、満腹。
とても満足した気分になってきたけど、まだ本番には入ってない。食事を消化してから早速サウナへ。
フィンランド式サウナ&泥風呂体験
田んぼの前の会場ではフィンランドのサヴォッタのテントサウナと、完成したばかりのスモークサウナ、水風呂、泥風呂や外気浴の休憩エリアが用意されていました。UPIサウナインストラクターの東海林美紀さんによるサウナレクチャーも行われました。自然の素材に触れることを楽しむために東海林さんはサウナで使うスクラブを用意してくれました。
スクラブは今回のイベントのテーマである「稲刈り」に合わせて米糠、酒粕、天然塩などで作られていて、肌をピーリングする効果もあるそう。サウナの話を聞きながら、スクラブを体に塗る感覚と、白樺のウィスクにミントやトゥルシーなどのハーブを混ぜて、サウナのなかにひろがるフレッシュな香りを楽しみました。
フィンランドのサウナには欠かせない、ロウリュ。サウナストーブの上で熱くなった石に水をかけて、蒸気をつくります。ロウリュ用の水には松が入っていて、蒸気もいい香り!サヴォッタのサウナの色はアウトドアカラーで、周りの自然にそっと溶け込みます。
次はいよいよ泥風呂へ!フィンランドでは、「ピート」という泥があって、それを全身に塗ってサウナに入る習慣があります。それにインスピレーションを受けて、今回のイベントでは、田んぼの中に泥風呂を用意してくれたそうです。
泥風呂に腰をかけると、泥が体を包み込み、 サラサラで、ちょっとぬるぬるする不思議な感覚。パックのように全身に泥を塗りながら、子供の頃の泥遊びを思い出して、なんかワクワク!全身パックをしたら、ゆっくり泥に横になっていく。田んぼやまわりにいる虫や動物の鳴き声を聞きながら、泥や風を肌に感じてとてもリラックスした気分に。
北欧では秋が来ると、外の嫌な天気を忘れるためにサウナの中にこもりますが、日本の秋にそれをするのは勿体無いですね。天気のよい日はとても気持ちがいいので、サウナに入りながらゆったり秋の色味や味覚を味わいたい。天気を忘れたいどころか、存分に楽しみたいですね。
構成:ヤンニ・オルソン
写真:東海林美紀
協力:株式会社アンプラージュインターナショナル(UPI) https://upioutdoor.com/