イタリアのアウトドアフットウェアブランド・アゾロから、新作のマウンテンブーツが上陸。同ブランドの中でもシンプルかつシャープなデザインで、芝生のような柔らかい場所から岩場のような硬い場所まで、あらゆる場面で快適に履ける万能ブーツだ。
硬い場所でも安定して歩けるグリップ力の高いブーツ
今回紹介するこちらは、約25Lのデイパックを背負って登山することを想定して開発されたミドルカットのブーツ。アッパーには1.5〜1.7mmのスエードレザーを配し、上品な佇まいを演出している。
重量は片足415gで、本革を使用しているわりには軽量に仕上げている。こちらはグラファイトグリーンオアシスというカラーで、履き口やアウトソールなどに差し色でヴィヴィッドな色が入っている。
防水透湿性やグリップ力はお墨付き
アウトソールには、汎用性の高いビブラム メガグリップを採用。パターンは推進力や安定性を考慮した、アゾロ社とビブラム社が共同開発したもので、デコボコの多い木道からゴツゴツした岩場まで幅広く使える。
トゥはクライミングゾーンという平らなソール部分を取り入れ、地面や岩場などの密着度を高めて優れた安定性を実現。
ブーツ本体とアウトソールに挟まれたミッドソールにはEVAを入れており、優れた衝撃吸収性で硬い場所を歩いても膝への影響を最小限にしてくれる。つま先よりかかとのほうを厚くすることで、着地時のクッションがしっかり感じられるのだ。
ビブラムソールのほか、生地にはゴアテックス メンブレンを取り入れ、水濡れや蒸れから足を守ってくれる。夏場だけでなく、冬場でも運動中には足が不衛生な環境になりやすく、ゴアテックスがあればとても安心だ。
そのほかのディテールもチェック
前述したランドをよく見ると、つま先に丈夫なラバー、その横にポリウレタンを採用している。この補強のおかげで、硬い場所でつまずいてもブーツを損傷することがなく、また2種類の素材を使い分けることで、耐久性と軽量を両立している。
インソールには、多くのシューズメーカーで採用されているオーソライトを使用。オープンセルPUフォームという特許取得済みの独自素材を使っており、クッション性や通気性、防臭性、そして弾力性を兼ね備えている。
また、靴紐は通常アイレットという穴に通すものだが、エルド MID レザー GVは2本の細い紐に靴紐を通す新しい構造になっている。これによって甲高の足でも締め付け感が軽減され、包み込むようなフィット感を得られる。
実際にエルド MID レザー GVをフィールドでテスト
ディテールを紹介したところで、次に実際にフィールドで履いて試してみた。こちらは以前にレビューした「ファインダー GV」と同様に26.0cmを使用。エルド MID レザー GVのラスト(型)はファインダー GVを比べてゆとりを持たせており、窮屈感はほぼ感じなかった。
アゾロ「ファインダー GV」のレビュー記事はこちら
次に坂道を歩いてみた。つま先のクライミングゾーンは凹凸がないため、岩場や小石の多い不整地、よくつまずいてしまう場所を歩いても難なく進めたのは良かった。
個人的にすごいと感じたのは、ヒールカットがほかのモデルと比べてシャープになっているためか、下りの際にブレーキがしっかりかかり疲れにくかったこと。下り坂が続く場所なら重宝しそうだ。
平地で使ってみると、靴紐でギュッと縛り付けられた感覚はなく、長時間履くことができた。アイレットではなく独自の靴紐構造をしているためか、甲高で幅広な筆者の足によく馴染んだ。
使っていて気になったこと
履き心地は申し分なく、登山からキャンプまで多くのフィールドで使えることがわかった。唯一個人的に気になったのは、シューズインするために設けられたヒールの紐が、取れてしまわないか心配だったこと。
この部品は靴紐を通す細い紐と同じで、紐自体は切れる心配はないが、特に湿気の多い日や足が湿っている際は、これを強く引っ張ったらどうなるか、と感じてしまった。
アウトドアフィールドで広く活躍できる一足
普段はローカットシューズを履くことが多い筆者だが、このエルド MID レザー GVは取材時もキャンプも履いていきたくなるブーツ。寒くなると、高い履き口が足首の冷えから守ってくれるし、ゴアテックスやビブラムソールなど確かな性能を備えたものを備えており、悪環境でも活躍すること間違いなしだ。
商品概要
アゾロ「エルド MID レザー GV」
価格:¥29,700
サイズ:25.0〜29.0cm
重量:415g(27.0cm片足)
http://www.honeyware.co.jp/lineup/GT14.html