本来、捨てられるはずだったものに付加価値を持たせ別の新しい製品にアップグレードさせるというアップサイクル。食品の場合、従来は未活用だった野菜や果物の皮や芯、ヘタなどを、食べられる商品としてアップグレードしたものになります。そんな商品を積極的に開発しているのが、食のサブスクを展開している「オイシックス・ラ・大地」です。Oisix・らでぃっしゅぼーや・大地を守る会の3ブランドから、それぞれおすすめのアップサイクル食品をご紹介します。
「Oisix」から生まれたUpcycle by Oisix
Oisixでは、アップサイクル商品を開発・販売するフードロス解決型ブランドとして「Upcycle by Oisix」を展開しています。私たち消費者が選ぶときに、ひと目でわかるため、意識して選びたくなります。
ここも食べられるチップス りんごの芯

ここも食べられるチップス りんごの芯 内容量:30g 価格:646円(消費税込み) ロス削減量 1袋約150g削減。
「ここも食べられるチップス りんごの芯」は、カットフルーツ工場で未活用だった国産リンゴの芯を、ココナッツオイルで軽やかに揚げたチップスです。りんごが加工されるときには常に芯がくり抜かれます。ですが、この部分、おうちでりんごをカットするときに感じることもありますが、蜜など甘味が集まっていて、実は贅沢な味なのだそう。

従来未活用だったりんごの芯。
その芯を薄くスライスし加工することで、りんご本来の甘さと香りが広がるチップスになっています。りんごのスライスといえば、ドライフルーツはよく見かけますが、そちらはりんごの実の部分。作り方が違うため一概には比べられませんが、りんごの芯の方が、濃厚でりんごの甘さをより感じられる気がしました。

りんごの芯が使われていることが一目でわかるパッケージ。
梅干しから生まれた 梅酢あめ(梅ペースト入り)

梅干しから生まれた 梅酢あめ(梅ペースト入り) 内容量:60g(約15粒) 価格:322円(消費税込み) ロス削減量 1袋約2.7g削減。
未活用だった梅酢や、つぶれたり、皮が破けたりした規格外の梅を使って、ほどよい塩味と梅の風味が贅沢に味わえるのが、「梅干しから生まれた 梅酢あめ(梅ペースト入り)」です。梅酢は、梅の風味や塩味が強いことから食品としての流通がわずかなのだそう。そこで、この梅酢と規格外の和歌山県紀州産の梅ペーストをあめの中心に仕込んだ梅酢あめが誕生しました。

中の梅のペーストが透けて見えています。
あめをなめていると、中から梅のペーストが出てきて、1粒で2つの味が楽しめるあめです。個包装のため、外出時やアウトドアにも手軽に持ち運べます。関西出身の私は、あめを持ち歩く習慣があるため、ヘルシーな梅酢のあめは、とても気になります。
「らでぃっしゅぼーや」のふぞろいシリーズ
らでぃっしゅぼーやでは、形にとらわれず、ふぞろいでもおいしさや価値のある食材を取り扱う「ふぞろいRadish」という取り組みも行っています。さまざまな理由から規格外となってしまう不揃い食材だけでなく、工場で生まれるもったいない副産物も活用した商品開発を行っています。今回、アウトドアシーンにもぴったりの食品をピックアップしました。
ふぞろいセロリの野菜だし

ふぞろいセロリの野菜だし 内容量:40g(5g×8袋) 価格:861円(消費税込み) フードロス原料:出荷時に畑に取り残されるセロリの芯と幼葉。
「ふぞろいセロリの野菜だし」は、らでぃっしゅぼーやの生産者が栽培したセロリの芯や幼葉を含む5種類の国産野菜とオリゴ糖、塩だけで作られた野菜だしです。セロリの芯や幼葉は、出荷時に畑に取り残され廃棄されていましたが、花のようなふくよかな香りと甘さが詰まっています。そのおいしい部分を野菜だしに加えることで、すばらしいかくし味になったといいます。旨みのまとめ役として使われた塩は、海水100%で作られる「海の精」ブランドの焼塩。シンプルだからこそ妥協しない原材料選びにこだわっています。

畑に残ってしまうセロリの茎と幼葉。
セロリは、茎から葉の部分まで、すべて食べていると思っていたので、出荷時にこれほど畑に残るということを初めて知りました。ポテトサラダやピラフ、スープやナムルに加えるだけで、まるでプロの味に。筆者は、おだしとしてだけでなく、そのままでもおいしいので、お湯を入れてインスタントスープのようにすることもあります。滋味あふれるスープになるので、アウトドアで暖をとりたいときにおすすめだと教えていただきました。手抜きと思っていたメニューが認められた気がして、個人的にうれしい一品です。
野菜なんでもピクルスの素(もったいない赤梅酢)

野菜なんでもピクルスの素(もったいない赤梅酢) 内容量:180g 価格:429円(消費税込み) フードロス原料:梅干し製造時に発生し余剰となる副産物の梅酢。
奈良県で生産される国産梅干しを漬ける際に生まれる、本来廃棄されていた副産物の赤梅酢を活用したのが「野菜なんでもピクルスの素(もったいない赤梅酢)」です。おうちにある野菜をカットしてピクルスの素と一緒に袋に入れ、冷蔵庫で約2時間漬けると、淡いピンク色の華やかなピクルスのでき上がりです。着色料などを使わず、色鮮やかなピクルスができるので、お弁当にもぴったりですね。

はさみなしで開けられるパッケージも便利です。
野菜を取りだした後は、オリーブオイルを混ぜてドレッシングにもなり、最後まであますところなく食べられます。チャック付きの袋に入っているので、この中にカット野菜を入れて、アウトドアに出かけるのもおすすめだそう。BBQなど、お肉中心になりそうなので、お野菜をプラスするのにぴったりですね。
「大地を守る会」のもったいナイシリーズ
大地を守る会のもったいナイシリーズは、おいしく食べられるものはたくさん出荷してもらって生産者を応援し、ちょっとお得な価格で消費者も応援しながら食品のロスを減らす取り組みです。もったいない気持ちを共有しながら、おいしく食べたくなる食品がそろっています。
もったいナイ・皮がもちもち手包み焼餃子(ブロッコリーフ入り)

もったいナイ・皮がもちもち手包み焼餃子(ブロッコリーフ入り) 内容量:228g(12個入り) 982円(消費税込み)
「もったいナイ・皮がもちもち手包み焼餃子(ブロッコリーフ入り)」と、名前をみたら、ブロッコリーの葉が使われていることがわかります。ブロッコリーの茎の部分は調理しますが、そういわれれば葉ってわずかしかついていません。出荷前に、大根の葉のように落とされているのですね。有機ブロッコリーの生産者さんから、「収穫後に畑に葉っぱが残るのがもったいない」という話を受けて、開発がスタートしたそうです。有機栽培の畑を増やすには、そこで働く農家のみなさんの収入が安定してこそだとの考えから、少しでも畑からの出荷を増やすという試みです。

ブロッコリーの周りには大きな葉が。
大地うまみこい豚とキャベツをベースに、有機栽培のブロッコリー畑に残った葉と茎を合わせた餃子は、緑黄色野菜のブロッコリーの葉の味わいが楽しめます。ブロッコリーは、茹でても揚げてもおいしいですが、葉っぱは食べたことがないという人が多いと思うので、これは興味深いですね。
柑橘香る大人のビスコッティー(もったいナイ・レモンピール入り)

柑橘香る大人のビスコッティー(もったいナイ・レモンピール入り) 内容量:80g 価格:662円(消費税込み)
大地を守る会で販売している愛媛県「無茶々園」のレモン果汁を搾る際に残ってしまう大量の皮を活用できないかと、無茶々園では、柚子胡椒ならぬ「れもん胡椒」を独自に販売していたそうです。それなら、そのレモンの皮を使ってなにかできないか試行錯誤して誕生したのが、「柑橘香る大人のビスコッティー(もったいナイ・レモンピール入り)」です。

ビスコッティーは、固めのお菓子のため、コーヒーなどにつけて食べるのもおすすめ。
白神こだま酵母で発酵させた生地を、カリっと歯ごたえのあるイタリアの伝統菓子ビスコッティーに仕上がっています。無茶々園の自家製レモンピールと伊予柑ピール入りのさわやかな味わいで、ほっと一息のティータイムにピッタリです。また、ビスコッティーは、ハード目なので紅茶などにちょっとつけて食べるのもよさそうですよ。
3ブランド、それぞれのアプローチでアップサイクル食品が開発されていることがわかりました。今まで未活用だった部分に、おいしさや栄養がたっぷりあることを知ると、今後も、アップサイクル食品に、より注目したくなりました。
オイシックス・ラ・大地
https://www.oisixradaichi.co.jp/
