毎度おなじみのバーベキューもいいけれど、たまにはひと味違うつまみで酒を楽しみたいもの。ここではワインに合う絶品つまみをご紹介。教えてくれるのは、フードデザイナーのモコメシさんです!
教えてくれた人
フードデザイナー モコメシさん
for WINE
ぶどうが原料のワインには、果物がよく合う。野外で調理する、という非日常感をいっそう盛り上げるために、ふだんは生で食べる果物を加熱してみよう。ぶどうもいちじくも焼くことで味わいが複雑になる。さらにチーズやスパイスをプラスすれば、バー顔負けのつまみに!
甘美でとろけるような新食感!
焼きいちじくとマスカルポーネ
焼くだけで甘みと旨みが格段にアップ。滑らかなマスカルポーネ、パンチある黒胡椒との組み合わせに悶絶。
材料(2人分)
いちじく…2個
マスカルポーネチーズ…大さじ2
黒胡椒…少々
オリーブオイル…大さじ1/2
作り方
1 いちじくは皮ごと縦半分に切る。スキレットにオリーブオイルを中火で熱し、いちじくの切り口を下にして並べる。そのまま触らずに、じっくり焼く。
2 こんがりと焼き色がついたら上下を返し、皮面を2〜3分焼く。
3 熱いうちにマスカルポーネチーズをのせ、黒胡椒をふる。
じっくり火を通すことで甘みを引き出す。皮も旨い。こんがりと焼いて、皮ごと食べよう。
焼きたての熱いうちにマスカルポーネチーズをのせる。チーズのやや溶けかかったころが食べどきだ。
パリッパリの皮も美味
りんごとブルーチーズの春巻き
フレッシュな果物とチーズを皮に巻いて揚げるだけ。ブルーチーズの塩気と旨みで味わう、調味料要らずの手軽な春巻きだ。
材料(2人分)
春巻きの皮…4枚
りんご…1/3個
ブルーチーズ…20g
揚げ油…適量
作り方
1 りんごは5㎝の棒状に切る。春巻きの皮の角を手前に置き、中央より少し手前にりんごを重ねて横方向に置く。
2 ブルーチーズは手でちぎってりんごの両端と中央にのせる。くるくると巻く。
3 フライパンに春巻きがひたる量の油を注ぎ、170度Cに熱する。巻き終わりを下にして油に入れ、ときどき転がしながらこんがり揚げる。
塩気の強いブルーチーズは少量でその美味しさを発揮する。ひと塊にならないよう、散らして巻こう。
揚げはじめに、皮の巻き終わりを15秒ほど押さえながら揚げれば、皮がしっかりくっつく。
甘酸っぱい果汁がほとばしる
ぶどうとミニトマトのホットサラダ
蒸し焼きにして香りと旨みを閉じ込めたフルーツつまみ。スキレットの底にたまった果汁をソースにすることで果実感が倍増。ワインが進む。
材料(2~3人分)
ぶどう(巨峰など)…10粒
ミニトマト…10個
バルサミコ酢…大さじ2
塩…ひとつまみ
黒胡椒…少々
オリーブオイル…大さじ1/2
作り方
1ぶどうはヘタ側を少し切り落とす。ミニトマトはヘタを取る。
2スキレットにオリーブオイルを中火で熱し、ぶどうとミニトマトを並べる。
3蓋をして中火で10分ほど焼く。ぶどうの皮が破けたら火を止め、いったんぶどうとミニトマトをバットに取り出し、ぶどうは皮をむく。
4果汁が残っているスキレットに、バルサミコ酢、塩、黒胡椒を入れ、中火にかける。ぶくぶく泡立ってきたらぶどうとミニトマトを戻し入れて果汁ソースを絡める。
ぶどうはミニトマトと同サイズの巨峰などがベスト。食べ応えがあり、皮もむきやすい。
果汁を軽く煮詰めると旨みが濃縮し、なめらかな飴状になったソースが果肉にしっかり絡む。
濃厚なクローブの香りがワインを誘う
ペコロスとクローブのホイル焼き
じっくり蒸し焼きにしたペコロスはとろとろ食感で、果物並みに濃密な味わい。食べるときは手に持ち、
底からちゅるんと中身を吸い込もう。
材料(2~3人分)
ペコロス…6個
クローブ(ホール)…6個
バター…5g
塩…少々
作り方
1 ペコロスは皮付きのまま根元を少し切り落とす。上部に1か所、金串などで浅い穴をあけて、クローブを差し込む。
2 アルミホイルにバター、塩をのせ、ペコロスの切り口を下にして並べて包む。
3 焼き網にのせて20~30分、強めの弱火でじっくり焼く。
クローブを刺しておくだけでペコロス全体に香りが回る。食べやすいように、底面を少々切る。
小玉のペコロスなら30分ほどでとろとろに。玉ねぎにクローブ2本を刺し、1時間ほど焼いても。
焼きいもをリッチに楽しむ
ベーコンとクリームチーズの焼きいもサラダ
野外料理の鉄板を利用した一品。相性抜群のクリームチーズ、
使い勝手のいいラムレーズンをプラスして、いもの自然な甘さを引き立てた。
材料(2~3人分)
さつまいも…1本
ベーコン…2~3枚
クリームチーズ…20g
ラムレーズン…10g
塩…ひとつまみ
黒胡椒…少々
作り方
1 さつまいもをアルミホイルで包み、焼き網にのせて中火で柔らかくなるまで焼く。
2 ベーコンはひと口大に切り、フライパンでこんがりと炒める。
3 焼きいもの粗熱がとれたら皮をむき、ボウルに入れヘラで粗くつぶす。
4 2、ラムレーズン、塩、黒胡椒を混ぜ、最後にクリームチーズをスプーンで少しずつ加え、チーズの塊が残るようにざっくり和える。
焼くのに時間がかかるさつまいもは、細めがベスト。炭をおこしたならぜひ炭の中で焼こう。
それぞれの素材の味が際立つよう、いもはざっくり潰し、ほかの具を混ぜるときもざっくりでOK。
※構成/安井洋子 撮影/森本真哉 スタイリング/竹村真由美
(BE-PAL 2022年11月号より)