しかも年を重ねるごとに美しくなって、ますますいい雰囲気に熟成しているように思う。家はライフスタイルを映す鏡なんだと、この家に来るたびに僕は実感する。
パヴェルの建築には東欧のセンスも絶妙にブレンドされているが、根底にあるのは日本の伝統建築に対する尊敬の念だ。「昔からある木造民家を日本人は大切にするべきだよ」とパヴェルは主張する。
アメリカの輸入材でログハウスをつくった僕としては、耳が痛い話なんだけどね……。
薪で沸かす庭の露天風呂に入るパヴェル親子の姿を見たら『となりのトトロ』の入浴シーンとダブった。
パヴェルさんの「里山の家」
平屋造りだけど、斜面に建てられているため3階建てと同じ構造。購入価格は1300万円だが、地元の工務店にリフォームを頼んだり、浄化槽を設置したり、パヴェルが材料を調達したりで、計2000万円以上かかったという。
◎文/シェルパ斉藤 ◎撮影/福島章公