もっと驚くべきは、私が「キタマクラ」という毒のある魚が釣ったときのこと。「それは彼らも食べませんよ」と沼野さんが言うので、半信半疑でひょいとカモメの前に投げると「ぷいっ」とそっぽを向くではないか。魚種まで熟知しているとは、恐るべしカモメ業界。
人生初のカワハギゲット!
さて、カモメに馬鹿にされながらも釣りを続けていると、竿先にグググと重みを感じた。どうせまた外道だろうと諦めモードでリールを巻くと、なんとカワハギ! やった。ただ、「釣った」というよりは「釣れた」という感じ。でも一匹は一匹。素直に嬉しい。
やっと出会えたキモ和えサイズ
しばらくすると、さっきよりさらに重たいアタリが。結構引く、なんだろう。と、上がってきたのは、この日最大のカワハギ。肝がぱんぱんで、まぁ美味そうなこと。その後もコツはつかめないまま、ちらほらと釣れ、合計9匹ほどのカワハギ釣果となった(沼野さん5匹、私が4匹)。
はじめてにしてはまずまずの釣果、かな?
実際にはじめてやってみた感想としては、カワハギ釣りは地味だけど、なかなか楽しい。ただ、餌ばかり取られると、すごく悔しい。そのあたりの魚との攻防が、なんともいえない。さて、今夜は肝和えで乾杯といこうかな。
穴澤 賢(あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。2005年7月から愛犬との暮らしを綴ったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイ、コラムなどを執筆するようになる。著書に「またね、富士丸。(集英社文庫)」、「明日もいっしょにおきようね(草思社)」、「また、犬と暮らして(世界文化社)」、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック「Another Side Of Music」(ワーナーミュージック・ジャパン)などがある。株式会社デロリアンズ代表。Blog:Another Days
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