今日は年長さんと近所の自然公園へ遊びに行きました。当日の朝早くに強い風が吹き付けてくれたおかげで、公園内のいたるところに落ち葉だまりが出来ていました。
これを見逃さないのが子供達。自然に落ち葉がたまっているとこに集まり始める。最初に始まるのが、天然のクッションの上へのダイブ。パンクロックのライブさながらの見事なダイブが繰り広げられた…のだが、たまった落ち葉の量が少ないために、数人の子供が固い地面にたたきつけられた。
痛そうに肘を押さえる友達を見て、子供達は落ち葉をもっと山のように集めた方が安全だと言うことに気づき始めたようだ。
痛そうな失敗の後、落ち葉を集め始めるこどもたち。誰が一番たくさん運べるか競争が始まった。
「もっとここにたくさん葉っぱを集めよう!」
誰からともなく出てきた声とともに、人海戦術で落ち葉集めが始まった。はじめは落ち葉の高さが40cmほどだったのが、次第に倍の高さまで積み上げられる。
落ち葉集めの時間は、当然のことながら落ち葉を空に投げる遊びも始まる。なかなか落ち葉の山は完成しないのだが、この寄り道が楽しい。
そしていよいよ一人の女の子が実験台となって落ち葉に再ダイブした。落ち葉の中に埋まる女の子。しばらく中から出てこないので心配になってみんなが見つめていると、ひょっこり笑顔で顔を出した。その女の子の顔を見て、みんなの顔が明るくはじけた顔に変わった。作戦は成功したのだ。
今日の勇者。彼女がみんなのためにダイブテストをしてくれた。
ここから次々とダイブが始まるのかと思って見ていたら、どうやら子供達は落ち葉の中に埋まる遊びの方に思考が移行したようで、全員もぐらのように落ち葉の中に埋まり始めた。
最終的に落ち着いた、落ち葉の中に埋まる遊び。「もう寝ちゃおうかな〜」とその心地よさをいろいろな言葉で表現していた。
まだまだ冷え込みが厳しい2月の寒空。晴天が続きカラカラに乾いた落ち葉の中に入ると、みな口をそろえて
「あ〜いい湯だ!」
「あったかいな〜」
と湯船につかったような、心地よさそうな顔をする。
結局落ち葉ダイブは5分、落ち葉の中に埋まる遊びは30分以上続いた。子供達の遊びのツボはどこにあるかわからない。ダイブの時にお友達が肘を強打しなかったらこの遊びに展開しなかったかも知れないし、実験台になってダイブした女の子の飛び方によってはまた違う展開になったのかも知れない。
野生児は自ら場に合わせて遊びを展開していくのだ。
この日は、大人も子供も落ち葉の中に埋まりながら最後の落ち葉シーズンを楽しんだ。
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長谷部雅一
アウトドアプロデューサー。
アウトドアイベントの企画・運営を手がける「Be-Nature School」スタッフ。人と自然をつなぐインタープリターとしても活躍中。
著作に『ネイチャーエデュケーション』1300円+税 みくに出版