海に潜って初めてわかる、生き物たちの美しい姿と生態。それを写真で誰にでも知らしめてくれるのが、水中カメラマンです。堀口和重さんは2022年12月、オランダのネイチャーフォトコンテスト「Nature Photographer Of The Year 2022」で水中部門グランプリを受賞した、その道のトップランナー。今回から定期的に水中写真の魅力についてお届けします。
私の仕事は水中カメラマン
皆さんは水中カメラマンと言われると、どのような仕事を思う浮かべますか?
どこの海に行くの?
被写体は何を撮っているの?
仕事として成り立つの?
気になることは多々あると思います。
以前は雑誌や新聞の記事の撮影を依頼されること多かったのです。しかし、この数年は写真撮影の依頼が減って来ました。
水中カメラマンと言っても、水中写真の撮影だけではなく、動画の撮影もしています。時には海でないスポーツやポートレート撮影もしています。
撮影依頼がないときは何をしているのかというと、日本全国を車で、自分が撮りたいものを撮影したり写真撮影のセミナーやイベントをしたりています。
ここ数年は海外に行っていないので、年間を通じて日本各地で撮影をしています。
そんな2023年の1年間の撮影の様子を、この『スタジオは日本中の海』で紹介していこうと思っております。
よろしければお付き合い、お願い致します。
最初の撮影地は大瀬崎
今年最初の撮影地は静岡県・沼津市大瀬崎
私の住んでいるのは静岡県の伊豆市。伊豆半島のちょうど真ん中ぐらいの位置にあります。そこから車で約40分、伊豆半島の西側に移動するとダイビングで有名な場所、大瀬崎に到着します。
大瀬崎の魅力は海越しの富士山と駿河湾の奥に位置し、海峡が安定していることです。
年末年始も多くのダイバーが訪れていました。
そんな大瀬崎で1月1日と2日は水中フォトセミナーを開催しました。
今回、セミナーを依頼してくださったのは水中撮影の上級者の方です。普段は小さな生き物を中心に撮っているのですが、広角と言われる水中の風景や魚の群れの撮り方を教えて欲しいとお話をいただきました。
最初にダイビングサービスで機材のセットとレクチャーを2時間行い、海へと向かいました。
撮影の練習をする場所は大瀬崎のさらに先にある先端という場所です。
駿河湾の深海からの海水・狩野川という大きな川から流れてくる栄養分・黒潮の支流がぶつかる場所なので、ハナダイという魚が群れています。
私が見る限りでは日本一ハナダイが多い場所だと思います。練習にはうってつけです。
大瀬崎・先端の水深−30mから浅場までの露出やストロボの明るさの調整をしてもらいました。慣れてきたら魚やソフトコーラル(骨格を持っていない柔らかいサンゴの仲間)など、被写体になるものを撮影してもらいました。
上級者の方だったので、2日間のセミナーも順調に終わりました。今後、どんな写真を撮ってくれるのか楽しみです。
翌1月3日は大瀬崎で水中機材のテストでした。
ホカケハナダイという魚を特殊な機材を使い撮影しました。
次の撮影地は沖縄県の石垣島
年始の大瀬崎での撮影も終わり、次の目的地へと向かいます。
次の撮影地は沖縄県の石垣島! 冬場の伊豆の海から南の島へと移動します。
日本全国・水中撮影をしながら愛車の日産セレナや船、飛行機で移動中。
今回の移動経路
START→伊豆(大瀬崎)