愛知県から三重県に突入
東海道キャンピングカーひとり旅。名古屋に別れを告げ、三重県へと向かいます。東京から神奈川県、静岡県、愛知県と走ってきて、4県目に突入です。
東海道を走っていると、市街地ばかりが連続することに改めて驚きます。宿場町から発展し、いまでは県を代表する都市になっている土地もたくさん。
日本の大動脈と呼ばれるのも納得です。日本海側ではなかなか味わえない感覚ですね。
一方で「重伝建」こと「重要伝統的建造物群保存地区」に指定され、古い街並みを守っているエリアもあります。今日は三重県亀山市の「関宿(せきじゅく)」を訪ねました。
往時のおもかげを残す「関宿」
国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている関宿は、街の景観が丸ごと保存されています。無料の観光駐車場も完備。古い街並みらしく道中の道幅は広くありませんが、慎重に運転すれば大丈夫でした。
江戸時代後期から明治時代にかけて建築された町家が200棟以上も現存し、東海道ではもっとも往時の雰囲気を残しているとされる宿場跡です。
とはいえ平日の昼間には、実に静かな雰囲気。
川越や妻籠、白川郷など、歴史的建造物にたくさんの土産物店や飲食店が入り、観光地化しているところがあります。毎日が縁日のようで、そぞろ歩きも楽しいですが、混雑に疲れてしまう側面も。
そういったエリアと比べると、関宿はひっそりと静まりかえり、平日には観光客向けの商いなども見かけません。住人の生活の場でもあり、言ってしまえば「ただ歩く」ことが目的の街並み。食べ歩きなどを期待して訪れると、拍子抜けするかもしれません。
けれど、それが実にいいです。誰もいない通りを、ただ歩く。緩やかにカーブを描く道の両側に、瓦屋根の町家が並びます。
無料で入館できる休憩スポット「眺関亭(ちょうかんてい)」では、2階の高さから通りを一望できます。
往時の道幅などがよくわかります。江戸から数えると東海道47番目の宿場町。まだまだ旅が続くような気がしますが、終点の京都はすぐそこです。
高速道路で車中泊「RVステーション鈴鹿PA」
昨年 “日本初の高速道路直結の車中泊スポット” として話題になった「RVステーション鈴鹿PA」。当初は期間限定で実験的に運用する予定でしたが、2023年8月31日(木)までの営業延長が発表されました。きっと好評だったのだろうと想像します。
かくいう私も利用してきたので、詳細をレポートしたいと思います。
この旅では「高速道路を走らない」ことを基本方針にしていましたが、今回だけは同施設への興味を抑えきれずルール除外。とても好印象だったので、営業が延長されて個人的にも嬉しいです。
場所はその名のとおり、新名神高速道路の鈴鹿パーキングエリア(上り)。
これまでも高速道路のPAやSAでの仮眠目的の車中泊はよくありましたが、常に駐車マス不足問題と隣り合わせでした。駐車しきれないトラックが路肩まであふれる問題や、「満」の表示にいくつもSAをやり過ごした経験もドライバーならあるでしょう。
しかし「RVステーション鈴鹿PA」は事前予約制なので、自分のスペースは確保されていますし、大型トラックの駐車を妨げることもありません。
予約には過去記事でもご紹介したカーシェア&スペースシェアサービス「Carstay」を利用します。インターネット上で支払いを済ませ、現地ではセルフサービスで入場します。
広大な敷地を誇る鈴鹿パーキングエリアですから、事前に案内図や利用説明をよく読んでおくことをおすすめします。
スペースは前後左右にゆったり余裕あり。場所はドッグランのすぐ隣で、昼間は少々賑やかですが、私は動物が好きなのでまったく気になりません。キャンピングカーユーザーには犬連れがとても多いので、むしろ高評価ポイントかもしれません。
各サイトに電源完備で、あらかじめ料金に含まれています。
なにより素晴らしいのが、パーキングエリアの施設をそのまま活用できること!
明るく清潔なトイレはもちろん、レストラン、フードコート、コンビニエンスストア、ベーカリーカフェ、お土産ショップ、Wi-Fi設備……。
もともと長距離ドライバー向けの施設であっただろうコインランドリーやコインシャワーも完備。場所柄、モータースポーツ関係の展示もあって楽しめました。
これらの施設が、深夜でも明るくライトアップされ、人の出入りも多いので治安上の不安もなく、安心して利用できます。「日本で一番豪華な車中泊スポット」と呼んでいいのではないでしょうか。
夕食にはフードコートで「伊勢うどん」を食べました。24時間オープンで、深夜でも温かいものが食べられるのはありがたい。
極太の麺を、濃厚なタレにからめてツルリ。本物の伊勢には今回行きませんが、気分だけでも伊勢詣!
フードコートではWi-Fiが使えてスマートフォン用の電源もあり、かなり快適に滞在しました。
ところでパーキングエリアといえば、気になるのが他車のエンジン音や走行音。とりわけ大型トラックの近くでは、振動音や排気ガスが気になって寝られないという人もいるでしょう。
「RVステーション鈴鹿PA」は一般の駐車場から区切られているため、まったくの無音とはいきませんが、不快というほどではありません。
私はむしろ、ほどよく他車の気配を感じられ安眠でした。完全な静寂よりも「遠くでエンジン音が聞こえるな」というくらいがよく眠れます。
今後の拡大に期待
先行する試みとして、「道の駅」の一角を有料車中泊施設としてRVパークに登録するところがあります。24時間トイレが利用できるほか、食事や買い物目的の利用者と住み分けができてとてもいいアイディアです。
ただし難点は「夜が早いこと」。温浴施設を除くと夕方17時や18時といった時間には閉館となるところが多く、夕食場所としては適さないのが一般的ではないでしょうか。
しかしSAやPAなら24時間営業です。深夜でも明るく、旅の途中らしき老若男女が楽しげに出入りし、どことなく非日常感があります。
なにより私は、利用者がまとっている「これから遠くに出かけるぞ」あるいは「いままさに遠出の途中」という興奮した空気がとても好きです。
SA・PAに設けられた有料車中泊施設。非常に便利で満足度も高く、「利用価値あり」です。利用者が増え、ほかのエリアにも拡大していくことを期待しています。
施設詳細
- 名称:RVステーション鈴鹿PA
- 住所:三重県鈴鹿市山本町(鈴鹿パーキングエリア上り内)
- 料金:1泊1台2200円(2023年1月31日まで50%オフの1100円)
- 台数:5台
- 備考:電源使用料込み