海に潜って初めてわかる、生き物たちの美しい姿と生態。それを写真で誰にでも知らしめてくれるのが、水中カメラマンです。堀口和重さんは2022年12月、オランダのネイチャーフォトコンテスト「Nature Photographer Of The Year 2022」で水中部門グランプリを受賞した、その道のトップランナー。氏の美しい写真とレポートをお届けします。
「日本中の海がスタジオだ!」第3回 八重山諸島 後編
黒島のプランクトン撮影ツアーが終わり、翌日から2日間、石垣島周辺で素材写真の撮影に入ります。
※素材写真の撮影とは、図鑑・雑誌・写真集・カタログなどの写真を今後のために撮りためることです。
回遊魚の撮影
初日は回遊魚を撮影するため、竹富島の沖のポイントへ向かいました。
プランクトンの撮影している時にも訪れた場所ですが、今回は大型の回遊魚を狙います。
現地のダイビングガイドの森さんが回遊魚が見られそうな時間帯を調べ、それに合わせて海の中へ入ります。
入ってすぐに目の前をイソマグロが横切り、1m近いオニカマス(バラクーダ)の群れが中層をゆっくり泳いでいました。
大型の回遊魚はダイバーにとても人気ですが、流れが強い場所に現れることが多く、誰もが見れたり撮影したりできるわけではありません。
また、そのほかに魚へ近寄るときも潮の流れや回遊魚の向き、脅かさないようにすることなど観察や撮影の注意点がいくつもあります。
そのため経験豊富なダイバーのみがいくことができるポイントです。
大崎の撮影
最終日は石垣島の大崎という有名なダイビングポイントで撮影をしました。大型の生き物は少ないですが、潮通しが良い場所なのでカラフルな魚や、サンゴが多く見られます。
砂地から顔を出しているのは、ホシカゲアゴアマダイです。キャラクターのような表情のあるユニークな顔をしています。巣穴からはあまり動かないので観察がしやすい魚です。
浅いところではゆったりと泳いでいる魚の群れも見られます。銀色に輝くノコギリダイはダイバーが脅かさないようにすると、近寄って観察することもできます。
これで5日間の八重山諸島での撮影も終了しました。
濃く青い海、小さなプランクトンから大きな回遊魚まで見られる、魅力が満載な八重山諸島でした。
次は冬の伊豆へ
次回は静岡県の伊豆へ戻り、冬の生き物の撮影を行う予定です。
今回の移動経路
START→伊豆(大瀬崎)→沖縄(石垣島・黒島・竹富島)
撮影協力:石垣島ダイビングセンター MOSS DIVERS モスダイバーズ