みなさん、こんにちは。セーリングヨットSANTANAで世界一周中、前田家の麻裕です。
ついにメキシコとの国境の街、サンディエゴまでやって来ました。国境を歩いて越えられるというのは、島国育ち(出航前に住んでいたニュージーランドも島国。)の自分にとっては何とも不思議な感覚ですが、今回は人生初のヨットでの国境越えが待っています。
リラックスした雰囲気が魅力
国境の街という地理的な要因、そしてかつてメキシコ領土だった歴史的背景からも、街中にはメキシコ文化の影響が色濃く反映されている場所も多く、ミックスカルチャーが楽しいサンディエゴ。海軍、海兵隊の基地を有し、軍関係のハイテク産業が発展する、全米でも有数の大都市でありながら、温暖な気候とメキシコ文化が相まって、陽気でリラックスした雰囲気が魅力の街です。
また、サンディエゴは2021年に単独で太平洋横断に成功された、ニュースキャスターの辛坊治郎さんのゴールポイントでもありました。各種メディアで港の様子をご覧になった方も多いかもしれません。単独での航海、本当に尊敬します。
ヨット旅に優しい街
サンディエゴには、船の売買、修理など、ありとあらゆるマリン関係の仕事が集約されており、多くのクルーザー(ヨット旅をする人々)に人気の寄港地になっています。設備の整ったマリーナから、広々とした投錨地まで、様々な滞在のニーズに応えてくれる、頼もしい街です。
私達もサンディエゴ滞在中に、古くなっていたマストを支えるワイヤーの取り替えをプロにお願いする予定でしたが、見積もりがあまりにも高額だったため、当面の航海に支障がないか安全点検だけしてもらい、工賃の安いメキシコに移動してから再検討することにしました。
諸事情により、予定を遥かに超える1 か月以上の滞在となったため、思いがけずサンディエゴを満喫する機会に恵まれた前田家。それでも時間が足りないと感じるほどでしたが、子連れ旅目線で印象に残った場所を、ダウンタウン周辺を中心にご紹介したいと思います。
全米で一番美しいビーチ!?を求めて、コロナド島へショートセーリング
サンディエゴ湾に突き出した半島の先端に位置するコロナド島は、輝く白い砂浜と、1888年開業の歴史あるコロナドホテル、ヨーロッパを思わせる可愛らしい街並みが人気の場所です。停泊していたダウンタウンにほど近い投錨地からコロナド島までは、1時間弱のショートセーリング。そこには、まるで別世界にやってきたような、美しい街が広がっていました。
海の乗り物大集結、賑やかな港
海にはさまざまな目的で航行する船がありますが、サンディエゴ港にはそれらの船達が大集結していると言っても過言ではありません。潜水艦から、大型クルーズシップまで、海の上を進むありとあらゆる乗り物が見られる、船好きにはたまらない環境です。
また、眺めるだけでなく博物館として一般に公開されている船に乗り、海にまつわる歴史について学びを深めることもできます。
サンディエゴは、大都市の利便性、自然、文化と、観光地として人々を惹きつける要素を多く持っているだけでなく、郊外には生活しやすそうなエリアも多く、短期の観光先としてはもちろんのこと、可能であれば長期で滞在してみたい街だと感じました。
ゆっくりしすぎて、大ピンチ……
出国のための船の手続きに手間取っている間に、メキシコのハリケーンシーズンは間近に迫り、アメリカ観光ビザの期限も残りわずかという、どう考えてもまずい状況になっていました。ビザの期限内にアメリカを出国することはできるのか? プレッシャーを感じる日々を過ごしましたが、サンディエゴを急ぎ足で通り過ぎず、暮らすように旅をする、という私達の旅のテーマの一つでもある経験ができたのですから、悪いことばかりではありません。
このとき出国の準備が完了したのは、ビザが切れる約10日前。ギリギリのところでピンチを切り抜けました。(そもそも自分達の無計画さが祟ってのためですが……。)国内旅行とは違い、避けては通れないビザの壁。夫婦揃って明後日より先は考えられない前田家ですが、今年はもう少し計画的に航海を進めることができるでしょうか……。
2023年も前田家の旅にどうぞお付き合いお願いします。
それでは、また次回。
4歳の娘と6歳の息子を連れて、セーリングヨットSANTANAで放浪中の4人家族。2022年3月、カリフォルニアを出航。寄り道をしながらゆっくりと世界一周を目指します。海の上でサステナブルな暮らしを模索中。Instagram #svsantanajp