鈴鹿スカイラインで一体なにが?
東海道キャンピングカーひとり旅。鈴鹿スカイラインを走り抜けて滋賀県へ渡ります。晩秋の木々が美しく、気持ちのよい山道だったのですが……なぜか道中の駐車場で路上にはみ出さんばかりの車列を見かけました。
平日の午前中ですし、観光名所があるようにも見受けられない……田舎育ちの私の脳裏に浮かんだのは「山菜採り!?」だったのですが、もちろん違いました。正解はおそらく登山やハイキング、トレッキング。
私は山登りの経験はないのですが、都会の喧噪を離れて自然に親しみに来たのに渋滞や人混みにもまれるという逆転現象が各地で起きているとか。人気が出すぎると、環境が悪化して魅力がなくなるというのはアウトドアレジャー“あるある”です。
近年ではオーバーツーリズムへの反省から、「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」という概念が広まってきているそう。旅行者も観光業者も行政も一体となって、その土地の環境や文化に責任をもつという考え方です。アウトドアレジャーも例外ではないかもしれません。
絶景の「びわ湖バレイ」
旅の終着地・京都は目前ですが、すぐに到着してしまうのもなんだか惜しい気分になって寄り道をしました。「近畿の水がめ」琵琶湖です!
湖畔の街といえば、諏訪市や大津市や箱根町などがありますが、本当に不思議な光景に感じられます。海沿いの街に比べ、水との距離が圧倒的に近い!岸壁がなく、建物のすぐ外がシームレスに水面につながっている場所も珍しくありません。
波の心配がないからでしょう。道路と水面が同じ高さというのも、違う土地から来ると相当に新鮮です。そして視界が対岸までスカッと抜けている。向こう岸にも街が広がっていて、夜景が見えたりするのも北海道や東北とは違うところですね。
私にとって「湖」とは人里離れた山奥にあるものというイメージだったので、初めて諏訪湖のような都会的な(?)湖を見たときは仰天しました。
今日は琵琶湖の美景を堪能すべく、「びわ湖バレイ」に行ってみます。スキー場として知られる「びわ湖バレイ」は、グリーンシーズンには琵琶湖を望む展望テラスやレストランが人気を博す複合観光施設だとか。
交通手段はロープウェイ!紅葉の山に、自分が乗るゴンドラの影がくっきり。高さを意識したら途端に足がすくむかも。
標高1,100mの山頂駅に着くと、メインエリアとなる「The Main」があります。
見どころは「Grand Terrace」と「North Terrace」という2つのウッドデッキ。ここからの琵琶湖の眺めは絶景です。対岸がかすむほど広い!まるで海ですね。
付近にはカフェスタンドがあって飲み物を買えるほか、ソファ席のある有料ラウンジも。テイクアウトでドリンクを買ってもいいですし……
かなり混雑していましたが、店内で着席して飲食しながら景色を楽しむこともできます。
各地にある雲海を展望するテラスや、埼玉県のメッツァビレッジなど、景色のよい場所でコーヒーを片手にのんびりする、おしゃべりする、チルするといったコンセプトのレジャースポットをよく見かけるようになりました。
施設側がエンタメやアトラクションを用意するのではなく、「場を提供する」という考え方。きれいな景色を見ながら親しい人と並んで座っておしゃべりする、それだけで立派なレクリエーションです。
まぁ、おしゃべりする相手のいない、ひとり旅の私は時間を持て余したりもするのですが。
逆にひとり旅の気楽なところ。自分さえよければ、順番を待つ時間なら無限にあります。大人気の「グリルダイニング&バーHALUKA」へ行ってみました。
全面ガラスの窓から琵琶湖が望める展望レストランです。店内は自分が場違いに思えるほどおしゃれな空間。
高原の雰囲気にぴったりの「グリルハンバーグ きのこソース」(税込1900円)&ライスセット(税込500円)を堪能!普段ならだいぶ「予算オーバーだなぁ」となるところですが、ここは旅の終わりの記念も兼ねて奮発。ナイフとフォークで上品にいただきました。
下りのロープウェイは、これまた絶景。琵琶湖に向かうように降りていきます。
余談ですが山麓駅にはアヒルとカモが飼われており、ものすごく可愛らしかったです。ポカポカと天気もよく、腰かけてずーっと眺めてしまいました。もしかしたら展望テラスよりも長居したかも?夕方には「仕事終わったー」とばかりに、一目散に家に帰るそうですよ。
キャンピングカー旅の計画性
クルマに戻ってきました。先ほどまでのおしゃれランチとは一転、トイレの話で恐縮ですが、ポータブルトイレ「ラップポン」の消耗品の残量が心許なくなってきました。
ビニールに表示されるSTOPの赤文字は、まもなく排泄物を包み込むフィルムを使い切るので新品に交換してくださいということを意味します。
今回の旅ではたまたま「トイレがない・遠い」「夜間はトイレが使えない」という車中泊地が続き、頻繁に車内トイレを使ったためです。もしタンク式トイレなら「そろそろ汚水を処理しなければ」というところ。
Amazonなど大手ECモールでは自宅以外で荷物を受け取るオプションが用意されていることがあり、ほとんどの物資が旅先で調達可能です。しかしキャンピングカー用品のような特殊な消耗品は販売店舗が限られ、入手に苦労することも。
自由に思えるキャンピングカー旅ですが、頭の中は意外にも忙しいです。「何日目に充電するか」「どこでゴミを処理するか」「いつ洗濯できるか」といったことを常に考えています。
私の使い方の場合、サブバッテリーの充電は3日に1度くらいで十分なのですが、意図せず「電源あり」の車中泊地が2日続いたりすると妙にもったいない気持ちになってしまいます。「明後日に取っておきたい!」なんて思ったり。
最近ではCarstayやタイムズのBを含め、「当日予約OK」「インターネット予約OK」のスポットもだいぶ増えてきました。インターネット予約が可能だと、受付時間を気にせず、思いついたときに予約ができてとても便利です。
とはいえ、ギリギリになって宿泊地を探すのは不安なもの。遅くとも前日には決めておきたいので、条件にマッチする場所を探して脳内はフル回転しています。
観光の合間をぬって「翌日の車中泊地を探す」というのが1日の必須タスクの中に含まれている感覚。ここから数日間は、トイレありの車中泊スポットにしたいところです。