樹種が多く、個性豊かな日本の広葉樹たち。適材適所に使えば、一生モノの道具になる。国産広葉樹の家具に目を向け、森とつながってみてはいかがだろう。
ナラなどの広葉樹を活用したウッドクラフトが素敵!
広葉樹の森から生まれたチェアです
きたもっく
左:kinoe ASAMA
¥58,300
右:SEOTO ASAMA
¥78,100
大径になったナラはナラ枯れを起こしやすく、萌芽更新もしにくい。また、CO₂の吸収量も減少する。きたもっくでは、地元、群馬県北軽井沢エリアの健全な山林の維持と未活用の国産材の価値化を目指し、小径のうちに広葉樹を適切に伐採し、森を更新。通常は家具材としては使われない小径の広葉樹を使って、飛騨産業と協働でチェアなどを製作している。
梢照明
¥88,000
枝打ち材活用の一環として、飛騨産業と製作した世界にひとつだけの照明。高さは2m前後。
問い合わせ先:https://asabun.com/
再評価されているシラカバで家具を製作
木と暮らしの工房
シラカバ林は北海道の原風景。ほとんどがパルプ材となっていたが、効率的に育てられる数少ない広葉樹のひとつ。そんな持続可能な地域資源を再評価し、材から樹液まで1本丸ごと使うことを目指す「白樺プロジェクト」と連携。持ち運びやすく、世代間で長く使われる家具を生み出している。
平机1000
¥74,800
天板は無垢のシラカバ材のデスク。小テーブルとしても使える。幅100㎝、奥行き50㎝。
HOカウンタースツール
¥41,800
フレームはシラカバ材、座面はペーパーコード編み。座面の高さは注文時に指定できる。
問い合わせ先:https://kitokurashi-no-koubou.com/
持続可能な森づくりを目指す岩泉町の家具屋
岩泉純木家具
50年ほど前は、国産広葉樹はスギやヒノキなどの針葉樹より価値の低い「雑木」とされ、合板やパルプの原料となっていた。しかし、「大きい木は、大きいままに生かしたい」と、家具工房をスタート。岩手県内に自生するセン、クリ、クルミなど、山深い広葉樹の森から伐り出した原木を丸太で仕入れ、自社で製材、板にし、家具を製作している。
カバ材のキャビネット
¥374,000
皮に近い側が白く、芯に近い側が赤いカバ材。本来の色を生かすべく、吟味した材を使い、オイル塗りで仕上げている。
2人掛けリビングチェア
¥355,300~
木目の美しいセン材を使用。座板も背もたれも体に合わせて心地よいカーブを描いているので座り心地抜群。
問い合わせ先:https://www.junbokukagu.co.jp/
森林保全に取り組む木製家具メーカーの草分け
カリモク家具
1940年の創業以来、素材の個性を活かした木製家具を作り続ける国産家具メーカー。小径木を有効活用した「HARU」シリーズ、国産針葉樹を用いた「MAS」コレクションなどを展開。『国産広葉樹活用プロジェクト』に参加し、産学連携による放置広葉樹林(里山)の木材としての活用、未利用材の活用推進、荒廃森林の問題解決などを目指している。
HARU/
HT-1 / テーブル ¥137,500
HC-3 / チェア ¥55,440
小径木をていねいにつなぎ合わせ、表情豊かな家具に。テーブルの塗装やチェアの座面の色は選べる。
HARU/
HS-1 / チェア ¥133,100〜
MAS/WK Armchair 01
¥88,000
国産針葉樹を使用。針葉樹特有の木目と木肌が美しい椅子。軽量で座り心地も優れている。
問い合わせ先:https://www.karimoku.co.jp/
宮崎県諸塚村の森を再生するどんぐりの家具
WISE・WISE
大きくなりすぎてシイタケ原木に使えなくなったコナラ、クヌギ材を使った家具などの企画・開発・販売を目指す、諸塚村の「里山広葉樹活用プロジェクト」。趣旨に賛同したWISE・WISEでは、「NEW MOROTSUKA」シリーズを展開。諸塚村の人とともに森づくりに取り組んでいる。
NEW MOROTSUKA/
アームチェア
¥72,600
負荷がかかるフレームには堅牢な無垢のコナラ、身体に触れる部分には柔らかいスギを使用。木が呼吸できるよう、仕上げには自然塗料オイルを採用。
スツール
¥49,500
問い合わせ先:https://wisewise.com/furniture/morotsuka/
国産広葉樹の無垢材を積極的に使用
UMEBACHI FURNITURE
日本の森には多種多様な広葉樹が育っている。それがゆえに安定供給が難しいが、適切に使っていくことで人の手が入り、豊かで多様な森が維持される。均質な用材でなくても、木目をひとつひとつ確認し、適材適所で使うことで、愛着の持てる家具になる。受注生産の小さな工房だからこそできることに意義と魅力を感じながら、家具作りに向き合っている。
オニグルミのベンチ
¥86,000
穏やかな木目をいかした2人掛けベンチ。座面は丸ノミを使い手彫りで凹凸をつけている。幅110㎝、奥行き33㎝。
*割れ止めの千切り加工は別途料金。
クリのスリムデスク
¥200,000~
力強い木目が特徴のクリ材を使用。シンプルな作りだが、3杯の引き出しも備わっている。幅150㎝、奥行き45㎝。
ヤマザクラのサイクルラック
¥49,500
ロードバイクなら最大3台収容可能。ヤマザクラは使い込むと色が濃く変化していく。
トライアングルクロック
木の時計
¥12,100
オニグルミの木の節や入皮などをあしらった個性的な時計。置き時計&掛け時計兼用。
問い合わせ先:https://www.umebachi-furniture.com/
自然と暮らしをつなぎ里山を美しくする無垢の家具
DONGURI FURNITURE
地域の木を適切に使うことが、豊かな森を未来へ残す第一歩に繋がるとの考えで立ち上げられたブランド。用材は信州伊那谷の里山広葉樹(コナラ、ミズナラ、クリ、クルミ)で、形やサイズの異なる無垢の天板と脚を自由に組み合わせられる。高さや大きさを変えられ、さまざまなシーンで活用できる。ラインアップはテーブル、棚、ベンチなど。
左:シェルフ3段
¥159,170
右:スツール
¥70,400
左:高さを変えればソファテーブルやベンチにもなる。幅100㎝、奥行き40㎝、高さ83.2㎝。
右:シンプルなデザインで、どんなシーンにも合わせやすい。広葉樹は堅牢なので安定感抜群。
ラウンドテーブル ロースタイル
¥159,170
木の種類はクルミ、コナラ、ミズナラ、クリのどれかになる。直径110㎝、高さ33.2㎝。
スクエアテーブル
¥139,370
ダイニングテーブルにぴったり。脚を短くすれば座卓に変身。幅90㎝、奥行き90㎝、高さ71.7㎝。
問い合わせ先:https://donguri-f.com/
一般流通せずに処分される広葉樹を家具に!
創作家具屋MOMO工房
原木探しから、材料管理、乾燥、製作、納品後のメンテまで、家具作りの一環として関わっている。人工林の境木などとして使命を果たした広葉樹や、道路建設の際に処分されるなど、訳あって伐られた樹の個性を生かし、温かみのある家具に生まれ変わらせている。
水屋(栗・オイル仕上げ)
¥600,000
扉が引き違い戸になっている食器棚。植物性の亜麻仁油仕上げで、素材本来のナチュラルな雰囲気を楽しめる。
KUTSUROGI(楓・拭き漆仕上げ)
¥250,000
安定感のある座り心地のケヤキのチェア。生漆をすり込んで仕上げられている。
※価格は参考価格です。
問い合わせ先:http://kagumomo.com/
構成/松村由美子
(BE-PAL 2023年2月号より)