いざというとき、ササッとロープが結べるとアウトドアズマンとしてカッコイイ!
とはいえ、なかなか覚えられず、苦手意識を持っている人も多いはず。
今回は「引き解けふた結び、ダブルフィッシャーマンズノットほか、達人が教えるロープワーク応用編」に続き、さまざまな野外活動を通じてベストな結び方を経験してきた達人によるロープワークをご紹介。
ガースヒッチ×小石でループのない場所に支点を作る
小石とガースヒッチを使うとタープをテントのような形で張れる。幕の内側から小石を入れてガースヒッチで縛れば、ループのない場所に支点を作れる。
上から、
1 ダブルエイトノット(左で紹介)の輪を開く。
2 指先を輪の外に出してからくるりと輪を反転させる。
3 できた2つの輪を幕で包んだ石にかけ、輪を絞る。
入り口の開閉はロープの末端に作ったダブルエイトノットの輪と小枝を使う。輪をハトメに通して小枝を挟めばトグルに!
支点がない!…ときは、
インラインフィギュアエイトノットで方向を変える
通常、タープの梁は2本の木に渡すが、いい場所に木がないことも。そのときは「インラインフイギュアエイトノット」を使ってロープをY字に分岐させると望む方向に梁を伸ばせる。
上から、
1 ロープの途中を折り返して図のような位置関係に。
2 長い方の輪を小さい輪に矢印の流れで通す。
3 輪の形を整えるとロープの途中にループができる。
枝のない木は「足縄」で登る!
この方法で登れるのは直径25〜35㎝程度の木。木の裏側で両手の指を組み合わせ、前腕で幹を締めて摩擦力を生み出す。
甲にかける足縄の直径は木の太さに合わせて微調整する。両足で木を挟んだときに無理なく幹をつかめる大きさが理想。
枝のない細い木に登りたい! そんなときは丈夫な平紐をリング状にして両足の甲にかけると、足裏が幹をがっちりキャッチ。シャクトリムシの要領で木に登ることができる。
大活躍! ダブルエイトノット
ロープの末端にループを作る方法はいくつかあるが、おすすめはダブルエイトノット。結び目がゆるみづらいうえ、結び目に強い力がかかったあとでもほどきやすい。
上から、
1 ロープの末端を折り返して図の順番で本線にからめる。
2 一重の輪を矢印の流れで、二重の輪の中へ通す。
3 結び目を絞って、ロープ同士の重なりかたを整える。
ダブルエイトノット×小枝で薪運び
小枝でロック!
薪を運ぶときはロープの両端にダブルエイトノットでループを作る。そのループと小枝をトグルのように使うと簡単に薪をまとめられる。
1 両端にループを作ったロープをU字に置き薪を積む。
2 薪をロープで絞り、本線を折ってループの中へ。
3 ループの外に出た折り返し部分に小枝を挟み輪を固定。
沖縄のヤギに習った愛犬のびのび係留術
高い場所にかけるときははね上げて引っ張る
背伸びしても届かない高さにロープを張りたいときは、木に回したロープでループを作り、そのループをロープの本線ではね上げて少しずつ高い位置へとずらす。
木にロープを回しもやい結びで大きいループを作る。
木から数m離れ、たるませた本線をはね上げる。
引き解け結び×枝でつっかえ棒
2本の木に渡したロープに犬のリードをかけると犬の自由度が高まる。支点の木の手前に引き解け結び(P.
115参照)で棒を入れると、支点をとった木にリードが絡まない。
上から、
1 ロープ上に引き解け結びをつくり輪に棒を通す。
2 ロープを引いて輪を絞り、棒を固定する。
高く張ったロープは巻き下げて固定
2本目の木への固定は、高い位置でロープを引いてテンションをかけ、そのまま木をぐるぐる周りながら巻き下げてくる。終端はノーノットで処理する。
※係留の際、犬が拘束されたり宙吊りにならないよう注意して設営してください。
※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一 イラスト/うぬまいちろう
(BE-PAL 2023年2月号より)