今まで活用されていなかった部分を、おいしく食べられるように加工して販売されるアップサイクル。今回、食品のサブスクを提供する『オイシックス・ラ・大地』のフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix」と「チョーヤ梅酒」が共同開発した新商品が誕生し、発表会が開催されました。梅酒の梅のアップサイクル商品とはどんなものなのか、また、アウトドアに持って行きたくなるおすすめの食べ方も教えていただきました。
梅の実を食べる習慣がある日本でおいしく梅を食べてもらいたい
梅といえば、カリウムやビタミンE、鉄分を豊富に含むヘルシーフードです。梅自体は、中国が原産だそうですが、中国では梅の花を愛でる習慣があるものの、梅の実を食べる習慣がないのだとか。ヘルシー食品として食べる習慣があるのは、日本ならではとのこと。そんな梅の歴史を教えてくれたのは、1959年から梅酒の製造販売を行う「チョーヤ梅酒」の森田英幸さん。1968年からは、梅酒の輸出も行っています。
チョーヤ梅酒では、和歌山県を中心に全国およそ5000件の梅農家さんから梅酒づくりに適した梅を仕入れるほか、生産者グループとともに梅酒に適した高品質な梅づくりにも取り組んでいます。そんなこだわりの梅ですが、梅酒を漬けたあとの梅を、そのまま製品に入れて販売するものや、梅酒の梅として商品化もされていますが、商品にならなかった梅もあります。
「商品にならなかった分の梅は、飼料や肥料として利用しています。梅酒の梅を飼料とした大阪梅ビーフというブランド牛も誕生しています。ただ、肥料より飼料、飼料よりおいしく食べてもらいたいと思っていました。」(森田さん)
生産者の方々が、心を込めて育てた梅を多くの人に食べてもらうなど、より有効活用できる方法を模索していたといいます。そんなときに出会ったのが、これまで活用されていなかった食材をアップサイクルしてフードロス削減を目指す「Upcycle by Oisix」です。2021年の立ち上げから、年間500トンのフードロス削減を目指してアップサイクル商品を開発しています。
梅の産地も盛り上げる取り組みも
Upcycle by Oisixでは、これまでに57のアップサイクル商品を開発し、多くの人に食べてもらうことで約71トンのフードロスを削減しています。
「今回の取り組みでは、チョーヤ梅酒さんが生産者から仕入れた梅で梅酒をつくり、商品にならなかった梅を生産者(JA紀南)に送り、ここでドライフルーツに加工し、アップサイクル商品『梅酒から生まれた しっとりドライフルーツ』としてUpcycle by Oisixが販売します。」(Upcycle by Oisixの東海林園子さん)
梅の生産者や産地の応援も考えられた取り組みなんですね。今回の取り組みで、1商品当たりのフードロス削減量は約120gだそうです。
手軽に持ち歩け、アレンジしてもおいしい梅のドライフルーツ
『梅酒から生まれた しっとりドライフルーツ』は、旨味が凝縮された梅酒づくりで使われた梅の種をぬき、独自製法でしっとりとしたドライフルーツに仕上げられています。食感としては、レーズンのようなやわらかさで、梅の酸味が程よく、梅酒好きの筆者はついつい手が伸びてしまいます。そのまま食べてもおいしいですが、ヨーグルトやサラダのトッピング、またお菓子の材料としてもおすすめだそう。梅はヘルシーフードでもあるので、常備しておきたくなります。また、ドライフルーツで手軽に持ち歩けるためアウトドアにも便利です。
「アウトドアで楽しむなら、燻製にするのがおすすめです」(東海林さん)
ドライフルーツを燻製にしたことがなかったのですが、興味深いメニューだと思っていたら、発表会の試食で燻製された梅のドライフルーツとチーズのピンチョスが提供されました。そのままで食べたときとひと味違う燻製梅ドライフルーツは、チーズとの相性抜群でした。
梅づくしのアフタヌーンティーも期間限定で登場
今回の新商品発売を記念して、チョーヤ梅酒が運営する「The CHOYA 銀座 BAR」では、梅づくしアフタヌーンティーのコースが期間限定でいただけます。そのオードブルとして、燻製梅ドライフルーツも登場していますよ。まずは、どんな味になるのか試してみたいというときや、梅たっぷりのアフタヌーンティーセットでヘルシーに過ごしたいというときに、訪れてみるのもいいですね。2023年2月28日までの限定メニューです。
梅酒から生まれた しっとりドライフルーツは、しっとりという商品名の通りソフトタイプのドライフルーツで食べやすく、アレンジも楽しめます。次回のキャンプには、1パック、もしくは2パックくらいバッグに入れて、いろいろアレンジしてみたくなりました。
Upcycle by Oisix
https://upcyclebyoisix.jp/
The CHOYA 銀座BAR
https://www.choya.co.jp/the-choya-ginza-bar/