厚底シューズの草分け的存在として知られるホカ。元々は進化が遅れていたトレランシューズをアップデートし、ひざの故障が多かったトレイルランナーをサポートして、安全でかつパフォーマンスの高いシューズを作るために生まれた。
そんな同社の原点が「マファテ」である。この度、このトレラン向けシューズのアーカイブモデルを復刻し、ライフスタイル向けに落とし込んだシューズを使ってみた。
ホカらしくない落ち着いたカラーと、スリムなフォルム
今回紹介する「マファテスピード 2」は、トレイルで走るために必要なテクノロジーはそのままに、デザインを普段使い用に変更したシューズ。ホカのシューズは、目立つカラーや前衛的なデザインが多いが、こちらのこの春の新色は、ダークグリーンやボルドーといった落ち着きのあるカラーを採用し、デニムやスラックスでも合わせやすくなっている。
ここからは、同シューズのポイントを写真とともに紹介しよう。
細かい部分紹介はここまで。個人的に感じたのは、普段使うホカのハイキング向けシューズと比べると、シャープですっきりしたフォルムであること。また、レース向けのシューレースを採用しており、少し伸縮性のあるものを使っていることだ。
では、次に実際に履いてみよう。
意外な所感と、徐々に感じる魅力
次に実際に履いてレビューする。履いてすぐに感じたのは「あれ、思っていたよりインソールが硬い……?」ということ。同ブランドのほかのシューズは、リカバリーサンダルまではいかないまでも、ほんの少し弾力性を感じられたが、このマファテスピード 2はそこまで感じなかった。
それはそうだ、元々トレラン向けに開発されたシューズで、ふかふかすぎる弾力性があったら走りにくい。ゆえに、機能はトレイル仕様であることは前提として覚えておこう。
次にアスファルトの上を歩いてみた。するとどうだろう。かかとの着地は滑らかで、つま先の蹴り出しは楽チン。EVAソールの反発性が、推進力を高めてくれる。
蹴り出しやすいのは、メガグリップのグリップ性に加え、5mmの深さがある独自ソール構造が、しっかりと地面をつかむため。滑ることなく、さくさくと歩けてしまうのだ。これは気持ちいい!
次にフィールドでもチェック。前述した深さのあるソール構造は、アスファルトより土のほうが断然活きる。一般的なシューズは、歩くと土を後ろへ流すだけで、あまり推進力が感じられないが、このシューズは土をつかみ、グッと前へ押し出してくれる。さすがトレランシューズ!
また、アッパーからトゥにかけて足にフィットするスリムデザインで、長時間歩いているとなんだか足の一部になったかのような気分になる。軽さとこのデザインはこのためにあったのか! と感じたのであった。
結論として、街中でも土の上でも、マファテスピード 2があれば気持ちよく歩けることがわかった。
シューレースの伸縮性は少し慣れが必要?
唯一気になったのが、シューレース。伸縮性があると前述したが、歩いているとこれが少し伸び、アキレス腱部分に余白が出たかのような感覚になる。通常のシューレースはほぼ伸縮性がなく、しっかり結べば足を固定できるため余白が出ないが、最初にこれに気づいた際は「急に脱げないだろうか……」と心配になった。
とは言っても、伸びたあとは元通りに戻り、長時間歩いても脱げることはなかったため、「これは慣れよう!」という結論にいたった。気になる人は、店頭で試してみるのをおすすめしたい。
本格的なトレランシューズは「マファテスピード 4」をおすすめ
マファテスピード 2は、ライフスタイル向けにリデザインしたシューズだが、レース向けのトレランシューズが欲しいという人は、最新モデルの「マファテスピード 4」を履いてみてほしい。重量は片足295gで30gほど軽く、今回紹介したシューズより反発性を強めに設計している。さらに、随所にリサイクル素材を使っており、環境にも配慮しているのが特徴だ。
街中とちょっとしたアウトドアフィールドならマファテスピード 2、本格的なトレランならマファテスピード 4と、使い分けてみても面白い。
商品概要
マファテスピード 2
価格:¥24,200(税込み)
サイズ:23.0〜30.0cm(0.5cm刻み)
重量:329g(片足)
商品サイトはこちら
https://www.hoka.com/jp/mafate-speed-2/1126851.html?dwvar_1126851_color=MVOS