観天望気とは?
いきなりですが、皆さんは「観天望気(かんてんぼうき)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?もしかしたら、初耳の人が多いかもしれません。
観天望気とは「身の回りの生物の行動や自然現象(雲や霧の様子)などを観察し、今後の天気を予想する」ことです。
昨今では、スマートフォン1台でいつでもどこでも手軽に天気予報がわかるため、自分自身で空を見て天気を予測する機会はめっきり少なくなったと言えるでしょう。
しかし、観天望気は通信環境に左右されず、リアルタイムで天気を予測できるため、不測の事態でインターネットの通信が途絶したような状況下でも活用できるのが魅力です。
今回は、雨や雪の到来を前もって把握でき、初心者でも簡単に見分けられる、雲による観天望気を4つ紹介。ちょっとした知識さえあればすぐにできるので、楽しみながらチャレンジしてみてくださいね。
代表的な4つの雲を紹介!
1.普段から見かける機会が多い「積雲」
積雲は「わた雲」などとも呼ばれ、普段から目にする機会が多い雲と言えます。
垂直に厚く発達しており、それぞれがちぎれて離れ離れになっているのが特徴です。上部はドーム状に隆起しており、底部は水平になっているのも見分けるポイント。
また、太陽光が射した際に明暗がはっきりとわかれるのも特徴のひとつと言えるでしょう。
積雲が出ていると天気は上り坂。この先しばらくは好天が続くことが多いとされています。
ちなみに、積雲が発達すると空高く厚く伸びる雄大積雲(雄大雲)となり、その形は積乱雲とそっくりです。しかし、積乱雲は「乱」という字があるように雨をともなう雲。これが雄大積雲との違いです。
2.厚く垂れこめるさまが不気味な「乱層雲」
基本的に、名称のなかに「乱」の文字がある雲は、雨や雪を降らせる雲。その代表の一つとしてあげられるのが乱層雲です。
ほとんど一様でムラの少ない暗灰色の層状が特徴。空全体を覆って雨または雪を降らせることが多い雲になります。
太陽をすっかり隠してしまうほど厚く垂れこみ、低いちぎれ雲(※ちぎったようにぎざぎざした形の雲)がこの雲の下に発生するさまがよく見られます。
真っ黒で不気味な雲と言えば、この乱層雲を真っ先に連想する人も多いのではないでしょうか。空を覆う鈍色の乱層雲を見つけたら、雨に打たれる前に屋内へ避難することをおすすめします。
3.いわしが空を泳いでいるように見える「巻積雲」
巻積雲は「うろこ雲」「いわし雲」とも呼ばれる雲。それほど珍しい雲ではないため、目にしたことがある人もいるはずです。
小さな白い雲の欠片が、まるで小魚のように群れをなして鱗(うろこ)状に連なった雲で、陰影はほとんどなく白色に見える場合が多いでしょう。
秋や春によく見られる雲であり、この雲が出ると天気は下り坂に向かうことが多いと言われています。
4.夏の代名詞である「積乱雲」
どこまでも天高く発達した、迫力のある形が特徴的な積乱雲。「入道雲」「かみなり雲」などとも呼ばれ、夏によく見られる強い雷雨をともなう雲です。
垂直方向に著しく発達し、その雲の頂天部は塔の形のように立ち上がっています。また、雲の上部は輪郭がほつれるか、平らになっていることが多い印象です。
積乱雲の底部はとても暗く、雷・急激なにわか雨・雹(ひょう)・突風をともなうことが多いとされています。
夏の夕立のイメージが強い積乱雲ですが、実は他の季節にも発生しているので、機会があればじっくり観察してみてくださいね。
街中でも観天望気にトライしてみよう!
今回は代表的な4つの雲を実例に、観天望気を簡単に説明しました。
キャンプや登山などのアウトドアシーンだけでなく、街中でも気軽に行える観天望気を、日常生活にぜひ取り入れてみてくださいね。
空を眺めるのがだんだんと楽しくなってくるかもしれませんよ。