JR6社と地域観光関係者、地方自治体によって実施される日本最大級の観光キャンペーン「デスティネーションキャンペーン」をご存じだろうか? 北海道から九州まで3か月ごとに対象となる地域が変更され、2023年冬は京都が選ばれている。キャンペーン期間中は全国のJR駅構内などに「京の冬の旅」のポスターが貼られているので、目にしている人は多いはずだ。
そしてちょっと気の早い話だが、2024年春のデスティネーションキャンペーンは、大分と福岡が選ばれている。このキャンペーンに先立ち、大分県のデスティネーションキャンペーン実行委員会事務局ではさまざまな「新しいおおいたの旅」の造成に取り組んでいる。
日本最大級の磨崖仏で瞑想体験プログラムを実施中
大分県といえば言わずと知れた「おんせん県」。だがその知名度の高さ故、それ以外の県の魅力が伝わりにくい。そこで事務局では大分らしい新たなツーリズムを確立し、新しい観光コンテンツを提供するための挑戦を始めている。
普光寺磨崖仏(豊後大野市)
大分県は「磨崖仏」と呼ばれる、自然の巨石や岩壁に彫刻した仏像が極めて多い地域でもある。そしてこちらの普光寺磨崖仏は高さが8mとも11mとも言われる日本最大級の磨崖仏だ。
注目はその仏さまと並んで鳥のさえずりや川のせせらぎを感じながら、真言宗の瞑想法「阿字観(あじかん)」を体験できるプログラム。終了後はご住職を交えたお茶の時間があり、特別な御朱印などのお土産もある。
竹田市久住高原エリアの知られざる名湯も見逃せない
大分の温泉といえば別府や湯布院がメジャーだが、知られざる名湯も存在する。例えば阿蘇くじゅう国立公園に位置する竹田市には、新しい価値が体感できる温泉がいくつもある。特にオススメしたいのが、標高700m~1000mに位置する久住高原エリアの温泉。昼間は阿蘇五岳や祖母の山々による絶景、夜は都会では味わえない満天の星空を楽しめるのが魅力だ。
久住高原コテージ「満天望温泉」
久住高原コテージは、大自然を体感できる環境一体型宿泊施設。清潔な炊事場や水洗トイレを完備したオートキャンプ場を擁しており、天然温泉の露天風呂「満天望温泉」やプライベートで利用できる家族風呂を楽しむことができる。
彼方に望む阿蘇五岳と祖母の山並み。そのすそ野からは緑の草原が果てしなく広がる。夜はその名の通り満点の星空が楽しめる。
久住高原コテージ https://www.kujukogen.com/category02/
赤川荘「赤川温泉」
久住山赤川谷奥10数か所で自然湧出しており、源頼朝時代に巻狩り演習中の兵士により発見されたと伝えられているそう。硫化水素が多いエリアと炭酸ガスが多いエリアの中間地に位置しており、両方の泉質を兼ね備えた全国でも珍しいタイプ。露天風呂では「雄飛の滝」と呼ばれる滝を眺めることができる。
赤川荘「赤川温泉」https://akagawaonsen.webnode.jp/
白丹温泉ふれあいの湯
静かな里山に囲まれた場所にあり、住民の寄付で掘られた公共温泉。簡素な造りで飾り気のない雰囲気で、地元の人を中心とした癒しの場となっている。露天風呂から眺める夜空は格別の美しさ。
アドベンチャーツーリズムに適した国東半島にも注目
また現在、コロナ禍を経た新しい旅行の形として「アドベンチャーツーリズム」が注目されている。アドベンチャーツーリズムとは「自然との関連性」「異文化交流」「身体的活動(アクティビティ)」といった要素を特徴とする旅行および観光形態のことで、大分県はそれに適した地域としての期待も高い。
特に大分県の北東部に位置する国東半島は、九州初のロングトレイルコース「国東半島峯道ロングトレイル」を擁しているほか、別府湾でのSUPやクルージングなどさまざまなアクティビティを楽しむことができる。
豊の国千年ロマン観光圏 https://www.millennium-roman.jp/
とにかく観光地として無限のポテンシャルを秘めている大分県。2024年春のデスティネーションキャンペーン前、他の人に見つかる前にぜひ先立って足を運んでみてほしい。