テント用防水スプレーは、種類によって効果が違うということを知っていますか?意外と知らない人も多い、防水スプレーの種類と塗布手順について解説します。おすすめの7商品は、選びやすいように種類別にまとめました。
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テントには防水スプレーをした方がいい?
防水加工が施してあるテントであっても、定期的に防水スプレーを使った手入れをおすすめします。まずは「なぜそんな手間が必要なのか?」という疑問を解消しておきましょう。
防水性能を保つのにおすすめ
テントの中には、撥水性のある生地を使ったものや、優れた防水機能をうたったものがあります。このようなテントの場合、購入時にわざわざ防水スプレーをかけることはありません。
しかしどのような防水・撥水加工も、使用回数が増えるにしたがって劣化してしまいます。最初は問題なかったはずが、やがて雨がにじみやすい部分が目立つようになってしまうことも。
テントの防水性能を維持するには、防水スプレーによる補強が有効です。テントは決して安い買い物ではないので、適切な手入れをして快適性をキープしましょう。
テントに使う防水スプレーの選び方
防水スプレーを使っている人でも、実はスプレーごとの違いを理解している人は少ないかもしれません。思った通りの効果を得られるよう、防水スプレーの種類と特徴を確認しましょう。
種類ごとの特徴を確認
テントの防水性能を決めるのは、防水機能・撥水機能です。水に強いという点では同じことなのですが、厳密にいうと次のような違いがあります。
- 防水:水を通さない機能
- 撥水:水をはじく機能
防水とは水を通さない仕様のことです。一方、撥水とは表面のコーティングが水をはじき、裏地まで水がしみ込まないようにする機能です。
防水スプレーで補強するのは、一般的に撥水機能の方になります。防水スプレーは主に『フッ素系』と『シリコン系』に分かれています。この2タイプはやや性能が異なるため、購入の際には素材の確認が欠かせません。
フッ素系スプレー
フッ素系スプレーの主成分は、フッ素樹脂です。水にも油にもなじまない性質を持っているため、水だけでなく油もはじきます。
例えば、風のある日のキャンプでは、調理中の煙に含まれた油がテントに付着してしまうかもしれません。このような場合もフッ素系の防水スプレーをしておけば、比較的楽に汚れを落とせるでしょう。
テントの通気性を損なわず、幅広い生地に使えます。しかしシリコン系と比べると、やや価格は高めです。
シリコン系スプレー
シリコン系スプレーの主成分は、撥水性シリコン樹脂です。水になじまない疎水性ですが、油をはじく性質はありません。
フッ素系は樹脂本体が表面に付着するイメージですが、シリコン系は表面をくまなくぴったりとコーティングします。撥水効果が長持ちし、コスパがよいのが魅力です。
ただし、生地にややしみ込むため、通気性を妨げたり素材が変質したりする可能性は否めません。透湿性・通気性を備えたテントに使用する場合は、商品説明をよく読んでおく必要があります。
塗るタイプの防水剤もある
テントのメンテナンスにはスプレータイプのほか、塗るタイプの防水剤も使われます。ハケ・スポンジを使って塗布するため、ムラなく均一に伸ばしやすい点がメリットです。
しかし、広範囲に短時間で塗布できるスプレータイプと比べると、塗布にも後片付けにも手間がかかります。手入れの頻度によっては、面倒に感じることもあるでしょう。
普段はスプレータイプ、時間が取れるときは塗るタイプと、使い分けると負担が少ないかもしれません。
テントに適したフッ素系防水スプレー3選
高い透湿性・通気性を持つテントに使用する場合は、フッ素系防水スプレーを選ぶとよいでしょう。中でも特におすすめできる3商品について、特徴を詳しくまとめました。
ロゴス「強力防水スプレー」
おしゃれなキャンパーに人気のブランド『ロゴス』の防水スプレーです。容量は約420mLで、ドームテントであれば1本で大型タイプ1張りまで対応できます。
強力に撥水しながらも、テントの透湿性を邪魔しません。第三者機関による評価テストにおいて、ハードな環境が想定される登山系防水スプレーに劣らない性能を発揮した製品です。
雨が降った日は湿気がこもりがちですが、しっかり防水しながら快適な空間をキープできるでしょう。
- 商品名:ロゴス「強力防水スプレー」
- ロゴス公式オンラインストア:商品はこちら
カインズ「防水スプレー 衣類・布製品用」
豊富な日用品を取りそろえるホームセンター『カインズ』でも、テントに使えるフッ素系防水スプレーが見つかります。
スタンダードな性能を備えていて、撥水効果・汚れ防止効果のいずれも申し分ありません。雨からも雪からもテントをガードしてくれるので、1本備えておくと安心感があります。
約420mLと大容量ながら、フッ素系の中では価格が控えめです。値段をさほど気にせずたっぷり使用できるので、コスパ重視派に注目の一品といえるでしょう。
- 商品名:カインズ「防水スプレー 衣類・布製品用」
- カインズ公式オンラインストア:商品はこちら
コロンブス「アメダス 1500」
悪天候による足元へのダメージを防ぐ実力派です。デリケートな革製品の保護にも使われる商品なので、テントの生地への影響も少ないと考えられるでしょう。
バッグ・帽子・傘など活用できるアイテムの幅が広く、手持ちの品々を長く愛用していきたい人にぴったりです。
約180mLのほか、容量約60mL・約420mLのタイプもあります。必要量や使用シーンに応じて、何本かそろえておいてもよさそうです。
- 商品名:コロンブス「アメダス 1500」
- コロンブス公式オンラインストア:商品はこちら
テントに適したシリコン系防水スプレー4選
コスパよく撥水性能を高めたい場合は、シリコン系スプレーを選びましょう。定番アウトドアブランドから、4商品をピックアップしました。
ザ・ノース・フェイス「TNFケア ウォータープルーフスプレー」
気軽なキャンプはもちろん、過酷な登山に耐えられるギアもラインナップされたアウトドアブランドです。防水スプレーも例に漏れず、性能・使い勝手のよさが魅力といえます。
約130mLと小ぶりなサイズで、バックパックに入れておいても邪魔になりません。乾きが早いため、キャンプ中に気になった場所の応急処置に使ってもよいでしょう。
ただし、他のサイズ展開がないため、1本でテント全体をカバーするのは難しいかもしれません。
- 商品名:ザ・ノース・フェイス「TNFケア ウォータープルーフスプレー」
- ザ・ノース・フェイス公式オンラインストア:商品はこちら
キャプテンスタッグ「テント用防水スプレー」
リーズナブルな価格で約300mLの大容量と、使い勝手のよさは抜群です。強力な撥水効果で、雨天時もテント・タープの下で安心して過ごせます。
しっかり吹きかけておけば、泥汚れも落としやすくなるでしょう。『鹿番長』の愛称にふさわしく、頼りになる防水スプレーです。
シリコン系ではありますが、生地の通気性を損ないにくい仕様です。縫い目からの水漏れを防ぐので、傘・レインコートにも使い回してはいかがでしょうか。
- 商品名:キャプテンスタッグ「テント用防水スプレー」
- キャプテンスタッグ公式オンラインストア:商品はこちら
モンベル「O.D.メンテナンス はっ水スプレー」
エアゾール式の防水スプレーで、洗濯後によく乾燥させてから使うタイプです。スプレーした後は、しっかり乾くまで約20分以上干しておく必要があります。
透湿性を損ないにくい仕様のため、通気性のある生地に使用しても問題ありません。ゴアテックス・ドライテックのような高機能ウェアも、小まめなメンテナンスで寿命を延ばせるでしょう。
容量約170mLの方は持ち歩き用に、約330mLの方はキャンプ後の手入れにちょうどよいサイズです。
- 商品名:モンベル「O.D.メンテナンス はっ水スプレー」
- モンベル公式オンラインストア:商品はこちら
モンベル「O.D.メンテナンス S.R.リキッドスプレー」
レバーを握ってスプレーするタイプで、脱水後のぬれた状態に吹きかけて使います。熱処理によって撥水性を発揮するため、スプレーした後はドライヤーで熱を加える工程が必要です。
撥水性を得るまでの性質上、テント全体のメンテナンスというよりは、部分的な手入れ向きのアイテムといえます。
透湿素材に使用できるため、基本的には高機能ウェア用に使い、必要に応じてテントにも使用するとよいでしょう。容量は約200mL・約300mLの2種類があります。
- 商品名:モンベル「O.D.メンテナンス S.R.リキッドスプレー」
- モンベル公式オンラインストア:商品はこちら
防水スプレーのテントへの効果的な塗布方法
「防水スプレーをしているけど効果がない」と感じた場合、塗布方法に問題があるのかもしれません。適切なタイミングと手順を把握し、テントの防水性能をキープしましょう。
頻度とタイミング
防水スプレーを使用した手入れの頻度は、テントの使用頻度・状況によって異なります。頻繁にキャンプに行くなら月1回、年に数回キャンプする程度なら年1回が目安です。
ただし、防水機能が低下した場合は、なるべく早く防水対策をしておかないとテントが傷みやすくなります。期間の目安にかかわらず、テントの状態に応じた手入れをしておくのが得策です。
洗濯したときがベストタイミングなので、定期的な手入れの際に、一緒に防水スプレーもしておきましょう。防水加工が施されていないテントの場合は、購入してすぐに全体に防水スプレーをしておくのがおすすめです。
手順を4ステップで解説
テントに防水スプレーをかける手順は、以下の通りです。
- 汚れを落とす
- 乾燥させる
- 防水スプレーのテスト
- 防水スプレーをかける
汚れ・水分が付いた状態だと、撥水成分が生地に密着しにくくなります。そのため、最初にテントを洗濯し、よく乾かしておきましょう。
テントや防水スプレーを買い替えたときは、目立ちにくい部分でテストスプレーをします。生地の変質が見られなければ全体に吹きかけ、再び乾燥させればメンテナンス完了です。
なお、防水スプレーをする際は風通しのよい場所で、テントから20~30cmほど離して吹きかけましょう。
まとめ
どんなに高性能でも、形あるものは時間とともに劣化していきます。それはテントの防水機能も例外ではありません。「うちのテントは防水機能付きだから大丈夫」と放置せず、適宜メンテナンスを行うことが大切です。
防水スプレーの素材は、主にフッ素系とシリコン系に分かれます。フッ素系は水も油汚れもはじきますが、価格が高めなのが難点です。シリコン系は使う生地を選びますが、撥水機能が長持ちします。
ただしこの特徴は一般的なもので、安価なフッ素系スプレーもあれば、透湿素材に使えるシリコン系スプレーも見つかります。総合的にメリット・デメリットを考慮して、使い勝手のよい防水スプレーを備えておきましょう。