既成概念にとらわれない、新しいキャンプ体験ができる施設を紹介。ここでは日本の伝統的家屋のある敷地での宿泊の楽しみをレポートする。
"囲まれ感"に癒やされる庭キャンプ
千葉県
中野屋
haconiwa Camp
住所:千葉県夷隅郡大多喜町小土呂197
電話:0470(82)3607
営業:通年(不定期休業日あり)
予約:随時
テントサイト:1
モデル料金 16,500円〜
中野屋は、古民家を再生した貸別荘。茅ぶきの純和風建築は明治時代のもので、国の有形文化財に登録されている。ハコニワキャンプは、その美しい庭にある貸し切り空間だ。
400年以上続く家系で、もはや何代目かもわからないという管理人の潮田夫婦はキャンプが趣味。カップルが珍しかったころは家族連ればかりのキャンプ場でどこか引け目を感じていた。離島も好きだったが気軽には行けないため、「試しに」庭にテントを張ってみたところ、これが意外といい感じだったとか。ハコニワキャンプは、こうして生まれた。
箱庭とは言い得て妙。ここには適度な“囲まれ感”があって、いつものキャンプとは少し違う、落ち着いた時間が流れている。たとえば、気の置けない友人や家族と人目を気にせずキャンプしたい人とか、静かな時間を求める人には、とてもおすすめ。「自然」ではなく、自分自身と向き合うかのような時間が過ごせる。
囲炉裏も使える団らん体験

敷地に入ると堂々たる母屋が正面に現われる。キャンプ場とは別で要予約、こちらも宿泊可能。

中野屋に生まれた潮田武雄は造園を学び、1907年に渡米。アメリカで多くの日本庭園を手がけ、「News week日本版」の「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれた。
丁寧に作られたプライベートサイト

サイトの一角にあるハットも利用可。靴のまま入れる土間と、大人3人が寝られる小上がりがある。テント泊が不安な人も安心。

手入れが行き届いた高麗芝で、5月の連休ころには緑色になる。素足になりたい、寝転びたい!

水道は2口。シンクは常にピカピカに磨かれ、オーナーの愛情が伝わる。

6人でゆったり使えるガゼボ(あずまや)。雨が降っても大丈夫。

庭からの景色。周囲の民家とは距離があり、プライベート感がある。

マスコットは白猫と三毛猫の2匹。「ぜひ来てニャ」
このキャンプ場のこだわり3か条
1 小さな庭でこじんまりとキャンプができる
2 昔ながらの生活体験が可能!有形文化財の母屋がある
3 隅々まで手入れされた愛情たっぷりのサイト
※構成/伊藤俊明 撮影/矢島慎一
(BE-PAL 2023年3月号より)