生死を分けるような災害時には停電も併せてやってくる。現代社会において欠かせないスマホなどの通信機器を災害時でも確実に稼働させて生き延びる。その日のためにポータブル電源を備えよう。
東日本大震災では被災地の停電が長引いた
2011年3月11日に発生した東日本大震災。関東から東北まで広いエリアで停電が長引いた。また、その後の計画停電により、電気を使えない不便さを痛感した人も少なくなかっただろう。実際に関東では、32回、計6870万世帯が計画停電の影響を受けた。
東京都ではこの経験から、ブルーティーのポータブル電源を437台導入。自治体をあげて、ポータブル電源を使った防災対策に取り組んでいる。
では、防災用として準備したポータブル電源は、普段、どのように準備すればいいのか。また、どのようなモデルを選べばいいのか。その疑問をブルーティーの川村社長に聞いてみた。
「防災目的でほぼ保管だけする場合は、自然放電で年間10%~40%少なくなります。そのため、年に2回は充電する必要があり、また、保管は室温10~30度Cの場所が望ましいです。
もしも有事が起きてしまったら、ポータブル電源を必要とするシチュエーションはまず明かり。そして連絡手段としてスマホなど。さらに情報入手のためのラジオやTV。次に、冷暖房と冷蔵庫や電子レンジなどです。
明かりとスマホなどの充電、TVやラジオだけであれば、目安として1~2日の停電で定格出力500W前後のクラスを。3日以上に備えるのであれば、1000Wに近いほうが安心。
これに冷暖房やキッチン家電も使う場合は、季節によって異なり、暖かい時期は1~2日の停電で1500Wh以上、3日以上で3000Whクラスが目安です。寒い時期だと1~2日の停電で2000Wh以上、3日から先は4000Wh以上のクラスが必要になります」
停電が長期に及ぶ場合は優先順位を考えて電気を使うことが大切だ。もちろん、キャンプ用品も役立つ。これにポータブル電源を組み合わせることで、さらに強固な防災対策になる。
緊急時にポタ電でできること
❶明かりを灯す
キャンプで使うような充電式LEDランタンは、防災でも役に立つ。ヘッドライトを備えておけばさらに安心だ。いざという時は自転車用の充電ライトなども活用しよう。
❷情報収集と連絡手段を確保する
複数台のスマホやPCを一気に充電できるのもポータブル電源の魅力。TVやラジオ、ネット回線のモデムの電源にも。
❸限られた食料で復旧まで過ごす
冷蔵庫にある食材をダメにしないために、ポータブル電源を活用。また、IHコンロで調理したり、フードウォーマーで温めたりも。
❹水が出ればシャワーが使える
常日頃からお風呂に水を貯めておく習慣を。トイレの排水に役立つほか、電動シャワーで手足を清潔に保てる。
❺ポタ電はソーラーで充電できる
ソーラーパネルの性能や枚数、ポータブル電源の容量によって充電時間は異なるが、太陽光で充電できるのは安心だ。
※協力/ブルーティー・ジャパン、サンコー Mサイズピザにも対応!「フードウォーマープレートミニ」
(BE-PAL 2023年3月号より)