手つかずの自然の中で、誰からも管理されず自由気ままに楽しめる。アウトドアにはそういった醍醐味がある一方、自分たちの行動に対する責任を持つことが求められることも忘れてはいけない。何せキャンプや登山、釣りや焚き火などのアクティビティにはさまざまな法律が存在しているのだ。
これらのアウトドアに関する法令を分類し、分かりやすく解説しているのが新刊『アウトドア六法 正しく自然を楽しみ、守るための法律』(山と溪谷社)。知っているようで知らない、アウトドアに関する法律を楽しむ学ぶことができる本だ。
管轄する省庁や自治体の条例によっても、規制内容は変わってくる
アウトドアに関する法律と一口にいっても、法令によって「自然や生き物を守るため」「事故を起こさないためのルールを定めたもの」など目的が異なるため、規制内容もさまざま。さらに、管轄する省庁も異なり、それに加えて自治体の条例による規制も加わるので、分かりやすく紹介するさまざまな工夫がなされている。
例えばフィールド別に「山」「川・湖沼」「海」「都市近郊・公園」の4章に分け、それぞれの場所に関係する法令の解説。加えて、どうしても発生してしまう「事故」に関する法令を別の章として設置されている。
各章の中ではさらにそれぞれのアクティビティごとに関係してくる法律を紹介。例えば、第2章では「登山・ハイキング・トレイルラン」「クライミング・ボルダリング」「キャンプ・焚き火」「バックカントリースキー・スノーボード」「オフロード自動車・オフロードバイク・MTB・スノーモービル」「その他の山のアクティビティ」に分けて解説している。
具体的な法令としては例えば釣りを楽しむ際に「河口の橋の上で釣りをする」「釣った魚を締めるためにナイフを持参する」といった何気ない行動。さてこれらの行動はアリ?それとも違法?
本によると、河口部や港湾内などで橋の上から釣りをする行為は、道路交通法違反に該当する可能性があるそう。一方で釣った魚を締めるためにナイフを持参する行為は基本問題ないが、刃物の取り扱い次第では違法とみなされることもあるという。
ほか「キャンプ場以外でテントを張るのって違法なの?」など、アクティビティ中にふと思い浮かぶような疑問は、Q&Aとして詳細まで分かりやすく解説。1人の責任でキャンプを楽しむソロキャン派はもちろんベテランキャンパーを自認する人こそ、基本に立ち返ってぜひ一読してほしい。
書名:アウトドア六法 正しく自然を楽しみ、守るための法律
編集:山と溪谷社
定価:1,980円(本体1,800円+税10%)
発売日:2023年3月14日
仕様:A5判・本文128ページ
https://www.yamakei.co.jp/products/2822500490.html