新型「レンジローバー スポーツ」をレビュー!遊び疲れても運転したくなる魅力を紹介
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    2023.03.27

    新型「レンジローバー スポーツ」をレビュー!遊び疲れても運転したくなる魅力を紹介

    自動車ブランドがこぞってSUVモデルをリリースする空前のブームの中でも、別格の存在感と佇まいを備える元祖ラグジュアリーSUV「レンジローバー」。モータースポーツ発祥の地とされるイギリスにおいて1970年代初頭の誕生時より、砂漠でも走破可能な高級車としてその名を轟かせてきた。

    アウトドアズラバーズにとっても究極の憧れであるレンジローバーシリーズから、新型レンジローバー スポーツが登場。従来のオフロード機能はそのままに、ドライバーアシスト機能などの最新テクノロジーを備え、長距離運転でも疲れを感じさせない快適なドライブ感が魅力だ。2022年の12月に日本で初披露され、本格展開が始まった。その魅力を確かめるべく、試乗に出かけた。

    想像を超えるタフさとラグジュアリーの共存

    ランドローバー社は本国イギリスで長くロイヤルワラント(王室御用達)を与えられる、歴史あるブランドだ。在りし日のエリザベス女王が頭にスカーフを纏って「レンジローバー」のハンドルを自身で握りお忍びドライブする姿もとらえられるなど、ロイヤルファミリーの歴史にも寄り添ってきた。

    英国王室御用達の信頼感、そして唯一無二のラグジュアリー感が、アウトドアズラバーズをも長く魅力する理由だろう。

    新型レンジローバー スポーツのワールドプレミアは、激流のダム放水路を駆け上る衝撃のスペシャルムービーとともに初披露された。是非、その動画をYouTubeでご覧いただきたい。

    スペシャルムービーでは映画『007』シリーズのスタントドライバー、ジェシカ・ホーキンス氏がハンドルを握り、毎分 750 トンの水が流れる 193m のダムの放水路の麓から急勾配を駆け上るそのタフ姿は、ハリウッドのアクション映画を観ているような高揚感を覚える。レンジローバーファンはもちろん、業界関係者も驚きと賞賛を持ってそのデビューを讃えた。価格も超一流であるのは周知の事実であるが、その価格に見合う価値が、このローンチの際に証明された。

    オフロード車を必要とする人にとってもここまでタフなシーンに遭遇することは少ないと思われるが、そこまでのパワーを持ったクルマなのだ。

    大きさを感じさせないドライブ感と頼れる大きなラゲッジ

    道や駐車場が狭い日本では、大きなレンジローバーは所有したくてもできない憧れ的存在であった。住宅事情や駐車場事情で諦めていたケースが多かったが、昨今のアウトドアブームの流れもあってレンジローバーに乗るための駐車場を用意するという逆転現象が起きているという。その人気は凄まじく、過去10年間で受注台数が10倍以上に増加している。新型レンジローバー スポーツもその人気を担う存在で、標準ボディでさえ全長5mを超えるレンジローバーよりもひとまわり近く小さい(それでも国産車の感覚では十分ラージサイズ)。

    車高の高い車ゆえの車両感覚の掴みやすさと視界の広さ、大きなボディに似つかない小回りの効くハンドリング。大きさを感じさせないドライブパフォーマンスなのに、走り出すと威風堂々とした佇まい。ステアリングレスポンスやアクセルレスポンスは高く、長時間のドライブでも疲れ知らずでいられる。

    ディリー使いにおけるレンジローバーとの違いとしては、よりスポーティーなシーンでの走行が快適な点。例えば舗装されていない砂利道や悪路、補修跡の残る路面でも、直接的な衝撃が少なく優しく揺れる感覚だった。

    ハッチバッグドアを開ければ、座るのにもちょうど良い高さ。アウトドアでの作業にも何かと便利だ。サイドのポケットや床下収納も便利。手こずりがちなシートアレンジも、簡単にできる。

    そして何といっても嬉しいのは大きなラゲッジスペースだ。全長793㎜、幅1400㎜の大容量で5名乗車時は647ℓの積載量。座席2列目を折りたたんだ状態だと最大1491ℓの積載量だ。荷物の大きさや乗車人数によってシートアレンジができるのも魅力。2名乗車なら自転車を2台、4名乗車なら人数分のキャンプ道具を無理なく積める広さだ。また、はやりのクーペSUVと違ってキャビンが立っていて、開口部ぎりぎりまで積めるのも。

    シティ&カントリーサイド、日本のオンロードでその走り心地

    山口県の山口宇部空港から、日本最大級のカルスト台地である秋吉台まで試乗した。高速道路ではドライバーアシストシステムのサポートによって、車間距離やレーンキープなど、普段の運転時の気遣いから解放された気がする。

    前出のようなタフなオフロードも体験してみたいが、日本ではそんな走行機会はおそらく少なく、整備されたキャンプ場も増えた今、オンロードがメインの走行になるであろう。そして新型レンジローバー スポーツはオンロードでその魅力を存分に発揮してくれる。

    道幅が狭い都会の住宅地でも、これは個人の感覚にもなるが、見晴らしが良く小回りが効くので意外と問題もなし。狭小道、例えば商店街など、普通の車でも通過するのが微妙な道は、ボディの大きさを考えたら入らないのがベターだと思う。

    思わずグンと加速したくなってしまう軽やかな走り心地。ワインディングロードにもトライしてみたくなる。

    高速道路ではドライバーアシストシステムに大いにサポートされた。先行車の加速・減速を感知すると自動的に速度を調整し、設定した車間距離を維持。また先行車が完全に停止すると、キューアシスト機能によりスムーズに停止するアダプティブクルーズコントロール。意図せず車線から逸脱しそうになると自動的にステアリングを制御して車をレーン内に戻してくれるレーンキープアシスト。ドライバーの死角にクルマを検知すると警告灯を点灯させ安全に車線を変更できるブラインドスポットアシスト……。多彩な機能によって、様々な場面で安心感に満ちたドライビングを実現してくれた。

    また、ドライバーから提供された情報に基づき走行状況に応じた最適な設定をできるように車両を調整する、ランドローバー社が独自に開発したシステム、テレインレスポンスにより、長距離ドライブをより快適にしてくれる。

    大都会でもカントリーサイドの高速道路でも、ノーストレス。どこかに行く予定がなくても新型レンジローバー スポーツを走らせたくなってしまう、相性の良いバディのような存在だ。

    無駄な装飾を削ぎ落とした美しい外観と快適でラグジュアリーな室内空間

     

    やや丸みを帯びた張りのある外観は、モダンな中にも上品なムードが漂う。凹凸も含め全体で無駄な装飾を削ぎ落としたデザインだ。ヘッドランプもグリルも凹凸がなく、ドアハンドルまで格納して隠れてしまうジームレスなボディ。前後ともバンパーが突出した印象はなく、テールランプも光らないと分からないほど。まさに究極にシンプルで美しく、英国エレガンスを体現している。

    近年のランドローバー車はシームレスなデザインを特徴とする。モダンなODギアにも共通する、「所有したくなる美しさ」がある。女性オーナーが増えているという話をインポーター担当者から聞いて納得。

    インテリアはラグジュアリーの極み。

    運転席には大型の曲面ガラスタッチスクリーンを装備。水平基調の洗練されたダッシュボードと調和し、飛行機のコックピットを連想させ、運転中の操作もストレスを感じさせない。シートは立体的なフォルムで快適性とサポート性を叶えてくれる。その乗り心地はプライベートジェットや飛行機のアッパークラスの乗り心地に匹敵すると思う。普段運転席にしか乗らなくても、助手席、後部座席にも座ってみて欲しい。その心地良さは運転席以上かもしれない。

    大判のタブレットがついているのよう曲面ガラスタッチスクリーン。大判ゆえのみやすさ、そしてとにかく運転席からのアプローチが抜群にしやすいのが特徴。

    そして驚いたのはパナソニック製の空気清浄機「ナノイーX」の搭載だ。パンデミックを経てウイルスとも共存していく時代に、花粉の季節や埃の多い場所でも、車内にいれば安心と清潔を保てるのだ。

    タフな高級SUVへの憧れは募るばかり

    ベテランのアウトドアズマンにとっては長らく憧れだったであろうレンジローバーもプレミアム化が進み、すっかりセレブ御用達SUVになっている。それでもシリーズ中ではカジュアルな立ち位置の新型レンジローバー スポーツに試乗し、最新テクノロジーだから成せる安心感と快適さ、また洗練されたルックスにますます憧れが募った。

    女性でも運転のしやすい軽やかなハンドリングや大きなボディなのにスムーズな取り回し性能、パーキングが苦手でも自動システムに頼れるのもポイントだ。また、車高の高いクルマの場合、小柄な女性は乗り辛さを感じることがあるが、ドアを開けるとステップが自動で出てくるので乗り込みやすさも抜群。何度かドア閉めが甘く「あ、半ドア」と思ったが、それも自動で正してくれるオートクロージャ―まで付いている。

    試乗してますます好きになってしまった新型レンジローバー スポーツ。アウトドアにラグジュアリーは不要と思っていたが、コレがあればいつもと違うアウトドアライフが叶うだろう。高嶺の花的存在は変わらないが、いつか絶対乗りたいクルマリストに加えられたことが嬉しかった。

    Land Rover Range Rover SPORT

    • ボディサイズ:全長×全幅×全高:4,960×2,005×1,820mm
    • 車両重量:2,450kg
    • 最低地上高:216mm
    • 最小回転半径:6.1m/5.3m(オールホイールステアリング付きの場合)
    • 駆動方式:4WD
    • トランスミッション:8速AT
    • エンジン:0リッター直列6気筒300PSターボチャージディーゼルMHEV
    • 最高出力:221kW(300PS)/4,000rpm
    • 最大トルク:650Nm/1,500~2,500rpm

    車両本体価格:10,680,000円~(税込み)

    問い合わせ先

    TEL:0120-18-5568(ランドローバーコール)

    私が書きました!
    エディター/ライター
    阿部有希

    東京都出身。大学時代からファッション編集部でアルバイト、卒業後フリーランスのライター、エディターに。女性誌、男性誌、Webメディアなどで執筆。趣味は国内外旅行、ドライブ、テニス、サーフィン。ハワイ好き、ドライブ好きが高じてハワイ州のドライバーライセンスも取得。ハワイでは海BBQがお約束。

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