すっかり暖かくなってきた、この季節。波に揺られながらただのんびりして、気の向くままにランチや読書ができたら……。
こうした“非日常”へのあこがれを手軽に叶えてくれるものがあります。それは、レンタルの手漕ぎボート。
サーフィンやSUP(Stand Up Paddle)の場合、専用のウェアに着替えたり、事前に練習を積んだりする必要があるので、なかなか気軽には挑戦できません。でも、手漕ぎボートなら救命胴衣さえ着ければ普段着のまま海へと漕ぎ出せます。
今回は、神奈川県葉山町にある一色BOATでの手漕ぎボート体験をレポートします。
「世界のビーチ100選」に選ばれた一色海岸とは?
一色海岸は、CNNが選んだ「世界のビーチ100選」に選ばれたことがある美しい海岸です。都心から電車とバスを使って約1時間半の場所にあるとは思えないほど。
最寄り駅はJR逗子駅、もしくは京浜急行の逗子・葉山駅。いずれの駅からも京急バス、逗12系統(海岸回り)が出ています。それに乗車し、「一色海岸」もしくは終点である「葉山」のバス停で下車します。
葉山御用邸の壁に沿って進むと、一色海岸に到着。さらに壁に沿って3分ほど進むと、一角に一色BOATのボート小屋が見えてきます。
さっそく手漕ぎボートに挑戦!
ここからは、手漕ぎボート体験の様子をお届けしていきます。
まずはボートをレンタル
まずは、ボートハウスでレンタルの手続きをします。
2人乗りのボートの料金は1時間3,000円、1日だと4,000円です。支払いの後、スタッフから利用方法と注意事項の説明を受けます。
ボートに乗り込んだら決して立たないこと(ボートが不安定になり転覆してしまいます)、漕ぎ手を交代するときは腰を落として移動すること、といった説明をしっかり聞きながら、ボートとともにレンタルした救命胴衣を着用します。
波が荒い日や風が強い日、荒天の日は出航できません。不安な場合は、現地に向かう前に一色BOATへ確認すると良いでしょう。
なお、別料金で釣竿をレンタルすることもできますよ。釣りに興味がある人はぜひ。
浜辺から近い距離で楽しむのが安心!
海に漕ぎ出すときは、スタッフがサポートしてくれます。乗り込むまでスタッフがボートを押さえてくれ、乗り込んだ後は海に向かって押し出してくれます。
筆者がボートを漕ぐのは約20年振り。子どもと公園の池で漕いだとき以来です。久しぶりなので、オールを握る左右の腕がちぐはぐに動いてしまい、くるくる回って前に進みません。それでも、しばらくするとだんだんと馴れていきました。
沖に出ると流されてしまう可能性があるので、浜辺から近い距離で楽しむのが安心でしょう。浜辺から200メートル程度が目安だと、スタッフに教えてもらいました。
一色海岸の場合、眼前に小さな堤防がありました。筆者は沖には出ず、浜辺と堤防の間でボートを楽しみました。ボート小屋からも見える距離なので、安心感があります。
波の上でピクニックを満喫
ボートを漕ぐのに馴れてきたところで、ランチを食べることに。ボートの錨を下ろして、流されないようにします。
三ヶ岡の小さな山並みと葉山御用邸を臨む波の上、さながら波間のピクニックです。
ここで大切なことは、トンビに食べ物をさらわれないようにすること。トンビは音もなく空から舞い降りてきて、一瞬で食べ物をさらっていきます。
一色BOATのスタッフ曰く、上空のトンビと目を合わせて「こっちへくるな!」と口に出して威嚇したり、手で追い払う仕草をしたりすると良いそうです。
圧倒的な開放感を手漕ぎボートで体験しよう
太陽にきらめく波、沖に並ぶヨットの帆、180度広がる水平線など、圧倒的な解放感と非日常感がたっぷりの体験でした。
遊覧船でも海を楽しめますが、手漕ぎボートはより視線が低いため、水面のうねりや景色の変化をダイレクトに楽しめます。手を伸ばせば触れられるほどの海との距離が魅力。
加えて、視線が水面に近いためか、思ったよりもスピード感を楽しめました。
暖かい季節は、手漕ぎボートに乗ってキラキラ輝く海を楽しんでみませんか。
いつもと異なる光景や波の心地良さに大満足の一日になること、間違いなしです。