西の空で宵の明星、金星の輝きが続いています。4月は11日におうし座のすばると接近します。
11日前後は水星も観察チャンス!
4月11日の東京の日没は18時10分です。その30分後には金星がキランと光って見えるでしょう。金星が見えたら、その下に水星を探してみましょう。
今は、黄道(天の見かけ上の太陽の通り道)が地平に対して角度が大きいことから、比較的、水星は地平線から高い場所にあります。水星は意識して探さないと見つけにくい惑星です。比較的高いところで見られる春は、水星と出逢うチャンスです。
また、上の図のように、4月の日没後の空には、おうし座、オリオンなど、冬の星座たちがまだ残っています。おうし座は後ろ向きに、オリオン座は前のめりに西の地平線に近づいていきます。
西の空のすばると宵の明星で春を満喫
水星探しのあとは、金星の近くにいるすばるを探しましょう。双眼鏡なら同じ視野に入ります。明るく黄色っぽい金星と、青いすばるの星たちの賑やかな共演が楽しめるはずです。
西の空のすばるを見ると私は春を感じます。すばる見納めの時期でもあります。
すばるは、おうし座の肩の辺りにある、青白く輝く星々が集まった星団です。すばるというのは日本名で、天文界ではプレアデス星団といいます。平安時代に清少納言が『枕草子』で「星はすばる……」と書いているように、古くから親しまれてきた星団です。
夜空に輝くすばるは、ふつうの視力があれば、街明かりによりますが、いくつか見えます。視力に自信のある方なら、5つ、6つ、それ以上見えるのではないでしょうか。
といっても、この季節、西の空で薄明が残るなかでは、さすがのすばるも見えにくい。ぜひ双眼鏡でのぞいてみてください。ひとつ視野の中に、すばるの星々と金星が瞬いているのが見られると思います。すばると金星の色の違いも見比べて楽しんでください。
構成/佐藤恵菜