2人での時間を楽しむデュオキャンプ。共同で使えるアイテムを持って行けば、荷物は軽量かつコンパクトに収められる。
大事なのは、できるだけ工夫された装備を選ぶこと。クッカーやテントはもちろん、寝袋まで共同で使えば、ぐっと荷物を減らせるはずだ。
キャンプの楽しみを犠牲にしない範囲で、ギア類の数を減らし、小回りがきく装備をそろえるには?
今回は「デュオキャンプにはこれさえあればいい!」という必要最低限の道具リストを紹介する。
伝授してくれるアウトドアの達人は?
アウトドアライター 高橋庄太郎さん
テント泊を愛し、一年中フィールドへ。著書に『テント泊登山の基本テクニック』(山と溪谷社)、共著に『"無人地帯"の遊び方』(グラフィック社)など。
デュオキャンプに必要な道具リスト
今回用意したデュオキャンプの道具一式はこちら。共同で使えるギアをそろえて、荷物を削減&軽量化!
(1)バックパック
デュオ、つまり2人でキャンプをする場合、荷物も2人で分担して持つことになります。
しかし荷物を均等に分ける必要はないですから、バックパックは体力がある方は容量が大きめ、体力に自信がない方は小さめを選び、トータルで充分な容量を確保すればよいのです。
このとき、ひとつはさまざまな形のモノを背負える背負子式のタイプを選んだりすれば、いっそう荷物の移動に便利です。
おすすめはコレ!
パーゴワークス/カーゴ55
¥39,600
問い合わせ先:パーゴワークス 042(312)2865
付属の大型スタッフバッグを背中と正面のパネルで挟む“現代の背負子”ともいうべきユニークなシステム。スタッフバッグを外し、コンテナなどを包み込んで背負うことも可能だ。
カリマー/クリーブ30
¥27,500
問い合わせ先:カリマー インターナショナル www.karrimor.jp
薄くて強靭なX-GRID生地を用い、重量はわずか900g。上部を巻いて留めるロールトップ式で荷物を入れやすく、フロントのメッシュポケットの使い勝手も◎だ。
(2)テント
可能な限り荷物の軽量コンパクト化を計る登山のときは、2人で幅100㎝程度のテントを使うことも珍しくありません。
ミニマルの極限ともいうべき状況ですが、内部には荷物すらまともには置けません。一般的なマットの幅は50㎝前後で、これを2人分敷いたうえで荷物を置く場所も考えると、現実的には幅150㎝が過不足なく使える大きさ。これをひとつの目安としてください。
おすすめはコレ!
ゼログラム/エルチャルテンゼロボーン2.5
¥92,400
問い合わせ先:ゼログラム 03(6630)3228
横210×縦155×高さ107cmで、重量は1,803g。出入り口は2か所あり、2人で使うときもストレスがない。インナーの素材は超撥水性で、雨や結露を気にせず使える。
(3)寝袋
暖かく眠るひとつのポイントは、他の人の体温を利用すること !たんなる友達程度の関係では気になるかもしれませんが、親子やカップルならば抵抗はないはずです。
寝袋には2人でいっしょに使える幅が広いタイプもあり、ひとりよりも温かく眠れます。また、同レベルの保温力の寝袋を2つ持つよりも軽くなるというメリットも出てきます。
おすすめはコレ!
パヤク/クエスト4 TWO
¥88,000
問い合わせ先:エバニュー 03(3649)3135
700+FPの高質ダウンを使用し、快適使用温度は9℃。横幅は一般的寝袋の倍以上で、親子やカップルで使えばお互いの体温で保温力がアップする。一方、フロントは大きく開いて換気を促し、暑い時期も快適だ。
(4)テーブル
使い方にもよりますが、ソロのときに必要十分なサイズはA4程度。
デュオの場合は「×2」でA3サイズとなりますが、実際はソロサイズほどテーブル上にデッドスペースが生まれず、天板の面積を有効に使えるため、大きめのクッカーや食器を置いても余裕が生まれます。
ただし、その分だけ天板と脚に重さがかかるため、耐荷重は10㎏ほどあると安心です。
おすすめはコレ!
SOTO/フィールドホッパーL
¥11,800
問い合わせ先:新富士バーナー 0533(75)5000
天板は420×297㎜と、ほぼA3サイズ。簡単に開き、折りたたむことができ、2人分のクッカーや食器を十分に置ける。アルミ製で錆に強い。重量約1.2㎏で、耐荷重は20㎏。
(5)マット
寝袋と同様に、マットにも幅が広い2人用が販売されています。しかし寝袋と違うのは、収納サイズがかなり大きくなってしまうこと。
そのために、マットは1人用を2つ持つほうがコンパクトになり、バックパックへ収納しやすくなります。
しかし寝袋と違うのは、2人用マットはサイズが大きくて非常にかさばり、バックパック内に収納しにくくなること。そのために、マットはコンパクトな1人用を2つにしたほうがパッキングしやすくなります。
おすすめはコレ!
モンベル/U.L.コンフォートシステムエアパッド180
¥12,650
問い合わせ先:モンベル・カスタマー・サービス 06(6536)5740
長さ180×幅50×厚さ7cmで、重量は504g。サイドにトグルがあり、複数を連結して固定できる。だからダブルやトリプルサイズでもズレずに使える。
(6)バーナー
2人分の調理を行なうためには、少し大きめのクッカーが必要です。
しかし合わせて使用するバーナーのゴトクが小さいと、クッカーを置いたときに不安定になり、ひっくり返しやすくなります。そこでバーナーはゴトクを広げたときの直径が大きいものを。
とくにバーナー本体と燃料を離した位置に置いて使える“分離型”は、ゴトクの位置が下がることでクッカーの重心も下がり、より安定感が高まります。
おすすめはコレ!
プリムス/エクスプレススパイダーストーブⅡ
¥13,200
問い合わせ先:イワタニ・プリムス 03(3555)5605
大型クッカーを安定しておくことができる分離型のストーブ。ゴトクが大きく開くものの、ゴトクのパーツ自体は薄手で軽く、重量195gと軽量にできている。
(7)ランタン
2人でのミニマルなキャンプのときは、それほど広範囲を照らさなくても不便ではなく、100~200ルーメンの明るさの超小型タイプ1つでも十分でしょう。
また、広範囲を照らしたい場合でも、大型ランタン1つよりも超小型ランタン2つのほうがお勧めです。光源が複数になると光があまり強くなくても影になる場所が減り、キャンプスペース全体に目がとどきます。
おすすめはコレ!
ゴールゼロ/ライトハウスマイクロフラッシュ
¥5,280
問い合わせ先:アスク 03(5215)5652
防水性がうれしい、USB充電の超小型ランタン。150ルーメンの光で2人のキャンプには必要十分だ。重量68gで、手に持ってハンドライトとしても使用できる。
(8)ヘッドライト
ヘッドライトは1人1人が個別に使うものであり、とくにデュオキャンプに適したものがあるわけではありません。
ただ、お揃いで同じものを使用すれば、どちらを使っても操作方法がわかりますし、予備のバッテリーや充電用USBケーブルを共有できたりと、なにかと便利です。
自分のものがすぐわかるように、色だけは違うものを選んだほうがいいかもしれません。
おすすめはコレ!
バイオライト/ヘッドランプ330
¥7,150
問い合わせ先:モンベル・カスタマー・サービス 06(6536)5740
重量50gで最大200ルーメン。驚くべきは頭部につけているのを忘れるほどのフィット感で、小型ながら光の拡散力が高く、広い面積を照らせる。各自が好きな色を選べる4色展開だ。
(9)ウォータータンク
調理に使用する水の量が比較的多いカレーやパスタなどのメニューで、しかも食後にコーヒーを淹れたとしても、1回の調理に使う水の量は1人当たり2Lもあれば間に合います。
つまりデュオキャンプであれば、4L。
それだけの量の水が入るウォータータンクがあれば、たとえ水場が遠い場所にあっても、一度汲みに行くだけで済んでしまいます。
おすすめはコレ!
ハイドラパック/シーカー4L
¥4,840
問い合わせ先:ケンコー社 06(6374)2788
容量4Lのウォータータンク。キャップの口径は42㎜で、水を注ぎ入れやすい。また、柔軟なのに尖った枝で突き刺したとしても破れないほどの頑丈さがあり、どんな場所でも安心して使える。
(10)クッカー
容量1Lのクッカーでは2人分の食事には小さすぎ、3Lでは大きすぎて持て余し、しかも無駄に重く、パッキング時にはかさばる……。
そんなわけで、2人のミニマルキャンプには2L程度のクッカーが適当です。クッカーがひとつだけでもフライパンが加われば調理の幅がグッと広がります。
おすすめはコレ!
GSI/バガブーバックパッカー
¥16,500
問い合わせ先:エイアンドエフ 03(3209)7575
2Lの鍋とフライパン、カップを中心としたクッカーセット。フタには湯切りの小孔はたくさんついていて、パスタなどの調理に便利。4つあるカップは2つに重ねられ、二重にすれば保温力を高められるのもおもしろい。
※構成/高橋庄太郎 撮影/中村文隆
(BE-PAL 2023年4月号より)