バックパックひとつに詰め込んだのは、必要最低限の荷物と冒険心!カラダも心も身軽にしたら、キャンプの旅が広がった。実践した旅人の珠玉の体験談です!
週末に東京・伊豆大島で島キャンプに挑戦!
挑戦者はモデル&ジュエリー作家の吉岡更紗さん
CMや雑誌などで幅広く活躍。天然石を使ったジュエリーも製作&販売。登山にハマり、時間があればひとり山に登りトレーニングに励む。
更紗さんの初キャンプの旅道具を大公開
総重量は約6.6kg!
1(左上オレンジのもの)インナーシーツ用SOLエスケープヴィヴィ。
2(左端の青いもの)寝袋は自然環境に配慮したナンガのエコバッグ。
3(左下のロール状のもの)エバニューのトレイルマット。
4(左から2番目上の白い袋)コスメ類。
5(4の下)着替え。ハイテイルデザインのスタッフサックで仕分け。
6(4の右)バスタオル。
7(6に乗ったオレジン色のもの)温泉用に水着。
8(7の下)モンベルのフォームクッション。
9(中央上)調理道具は山仕様。プリムスP-115にメスティン、たためるウィルドゥフォールダーカップなど。
10(9の右)ボトル類。
11(右上)モバイルバッテリー。
12(11の下)ヘッドランプ。
13(12の下)キャリー・ザ・サンのソーラーランタン。
14(13の下)ファーストエイドキット。
15(中央下の黒いもの)テントサイト用のスブのサンダル。
16(14の下)グランドマット。
17(16の下)ネイチャーハイクのテント、クラウドアップ1。
18(右下)ポール。
旅の道連れは編集ハラボー
テント(テンマクデザインのパンダ)、寝袋、マット、ライト、調理器具、水筒など基本のソロキャンギアがベース。そこに焚き火台、ミニテーブル、ホットサンドクッカー、コーヒーセットなど楽しみギアをプラス。
伊豆大島キャンプ1日目の行程をご紹介
「昨年からはじめた登山にすっかりハマっちゃって。南アルプスでのテン泊目指して修行中です!」
と目を輝かせる吉岡更紗さん。本業モデル。こんな細身でバックパック、背負えるのだろうか(!?)。そんなこちらの心配をよそに、
「道具はもうそろってます!」
パンパンに膨らませたオスプレーのカイト36を掲げ持つ。そこで、編集部がはじめてキャンプの地として提案したのが、伊豆大島。起伏に富んだ地形で中央には三原山もデンと構えている。旅の道連れは、これまたキャンプ初心者、編集ハラボー。心強〜い味方になってくれる、ハズ!!
東京・竹芝の客船ターミナルで待ち合わせし、約2時間の高速船でいざ伊豆大島へ。
「島旅っていうとハードルが高いイメージだったけど、これだけの道具で、こんなに簡単に来れちゃうんですね♪」
足どり軽く、背中のザックを揺らす。到着早々、まずはカレー屋さんで腹ごしらえ。……女子ふたり旅はゆる〜くはじまった。
DAY 1
10:30 高速船でササッと約2時間!
竹芝客船ターミナルから1日3便就航。大島は元町港か岡田港に到着するが、当日の天候により決定される。夜行の大型客船もあり。
11:30 名産アシタバのピザに舌鼓を打つ
木里吉里
住所:東京都大島町元町字出払417-9
電話:080-3409-9356
営業時間:11:30〜17:00(前日までに予約)
定休日:火・水曜日
薪ストーブが鎮座する木の空間にほっこり。朝イチから煮込んだオリジナルカレーに、自家製酵母や島の塩を使ったナンやピザを堪能。
12:30 スーパーで地元食材を買い出し
魚屋さんにすすめられたのは、海の岩場で採れるはんばのり。ワカメよりも厚みがあり、炒めたり、混ぜご飯に最適。
13:30 島のシンボル三原山の眺めを堪能
午後になると雨模様に。三原山の登山口までバス移動したものの、降りが酷くなってきたので、展望台で三原山を眺めるにとどまる。
15:00 パワースポット泉津の切り通しで巨木の緑に癒やされる
巨木の根が張り巡らされ、大地を切り開いたかのような景観に圧倒される。SNSでも話題の場所で、インスタ映え抜群〜。
16:00 風情豊かな波浮港をぶらりとお散歩
島南側にある波浮港周辺はノスタルジックな雰囲気。移住したご夫婦が営むたい焼きカフェは、古民家ゲストハウスも併設。店主が島の見所なども教えてくれる。
島京梵天(とうきょうぼんてん)
住所:東京都大島町波浮港6番地
電話:04992(4)1567
営業時間:11:00〜17:00
定休日:月・火曜日
おいしそう!
宿泊場は目の前に海が広がるトウシキキャンプ場に決定!
島のほぼ南端に位置するトウシキキャンプ場は、目の前に海、背景には三原新山など伊豆大島火山の山々が望める、絶好のロケーション。波の音を子守唄にゆっくり休んだら、翌朝は少し早起きして朝日詣でからスタート。昨日、たい焼き屋のご主人から教えてもらったスポットで、水平線から上がってくる太陽にすっかり魅せられる。
「土地で暮らしている人たちと関わることで、その土地の魅力がさらに増しますよね。特に大島は、同じ東京なのにこんなにも違う生活を送っているのか、という驚きでいっぱい……。さあ、朝ごはん食べたら、今日は昨日の分も歩きましょー!」
「は、はい。お手柔らかに」
ハラボーのお尻を叩きつつ、島の名産はんばで作ったヘルシーなおかゆを頬張る。
「更紗さん、行きたいところありますか?」
「大島といえば、地層の切断面が有名ですよね。せっかく島にきたから、海からの絶景も眺めたいし、赤い土の名所もあるみたい。あ、お土産も買いたいし、べっこう丼も食べたい!」
全部、行ってみよー!!
ほとんどの観光名所はバスが通っているので、容易に行くことができる。船の発着港がある元町や岡田にはレンタサイクルも豊富なので、自転車屋さんに荷物を預けて、自転車で大島を巡るのも面白い。坂道に対応したe-bikeがあるところも!
「ひとりで山に登ってると、自然と触れ合う時間がすごく凝縮されて、一体感を感じることができます。でも、島キャンプはもっと開放的な感覚で自然と向き合えるし、自然の音に囲まれている感覚が新鮮!」
高台から真新しい噴火の痕跡を眺めたり、海辺で激しい波が作った大迫力の崖を望んだり。島キャンプ旅は地球の息吹をダイレクトに感じられるのも魅力。道中、ちょっと疲れたら、ザックからコーヒーグッズを取り出し、温かい一杯を。
「外で本格コーヒーが淹れられるって贅沢〜」(ハラボー)
旅の締めくくりは、疲れを癒やす温泉とお土産!
「あ、あれ? 荷物がパンパンで、お土産が入らない……。私の今後の課題は、さらなる荷物の軽量化ですね。それがわかっただけでもよしとしましょう」
これを糧に、明日からも登山修行が続く更紗さんなのである。
海と山のマリアージュを楽しめる野営場
元町港からバスで約25分の無人の都営キャンプ場。波浮港やトウシキ遊泳場が近く、海も山も堪能できる。かまど、炊事場、トイレ、シャワー(水)あり。
大島町トウシキキャンプ場
東京都大島町差木地字クダッチ
料金:無料
フリーサイト:10組
チェックイン&アウト時間の決まりなし
予約サイト https://toshiki-camp.rsvsys.jp
伊豆大島キャンプ2日目の行程をご紹介
DAY 2
7:30 早朝トレッキングで海から昇る朝日を堪能
キャンプ場から南へ1㎞ほどの場所にあるトウシキ園地。日の出はもちろん、天気が良ければ利島や新島、三宅島なども見える。
8:00 朝ごはんは海鮮おじやを手作り
レトルトごはんに水とはんば、アサリのむき身を入れて炊き込んだ、潮の香り漂うおじや。
二度寝したいなぁ
9:00 島の巨大バームクーヘンとご対面
大島一周道路を歩いていると突然現われる地層切断面。道路の建設工事中に偶然発見。1万5千年もの歴史を紡ぐ。
10:00 挽きたての豆で野点(のだて)コーヒー
散策途中にコーヒーでひと息。その場で豆を挽き、フィルター不要のドリッパーで淹れると風味がより豊かになる。
11:00 海沿いの「赤禿」で噴火跡を感じる
北西部の海岸線に沿ったサンセットパームラインを進むと、高台に現われる赤禿。赤色の火山噴出物・スコリアが積もった場所で見晴らしも抜群。サイクリングにおすすめ。
12:00 大島の玄関、元町で旅の終わりを締めくくる
伊豆諸島の郷土料理べっこう丼。唐辛子醤油に漬けた白身魚は、クセがなくピリ辛で食べやすい。
海辺にある公共温泉は、混浴のため水着を着用。伊豆半島や富士山も眺められ、夕陽見でも名高い。
元町浜の湯
住所:東京都大島町元町トンチ畑882
電話:04992(2)2870
営業時間:13:00〜19:00(7、8月は11:00〜)
定休日:年中無休(天候により休業あり)
島のお土産のいちばん人気は、名産の椿油。お肌の保湿に。明日葉茶や明日葉ラーメンも◎!
女性に人気椿油コスメ!
島キャンプトリップDATAはこちら。
◦行き先 東京都伊豆大島
◦旅程 1泊2日
◦アクセス 東京・竹芝桟橋から高速ジェット船で最短1時間45分。調布飛行場から飛行機もあり。
◦キャンプ地 トウシキキャンプ場
◦予算 高速ジェット船が往復1名17,600円、キャンプ場は無料。交通費、食費含め、合計ひとり3万円あれば十分。
※構成/大石裕美 撮影/三浦孝明 イラスト地図/近常奈央 協力/スタンスケープ 0120-915-682(リバーズ/マイクロコーヒードリッパー2 ¥990、ウルトラライトハイカーマグS ¥3,080)
(BE-PAL 2023年4月号より)