調理中に出る野菜の皮やヘタは、どのように処理していますか?おそらく生ゴミとして捨てている方が多いのではないかと思います。
実はゴミとして扱われてきた野菜の皮やヘタの部分は、おいしいだしを作る材料としても利用できます。その名も「ベジブロス」です。
ベジブロスとは“野菜くずを使っただし”のこと
ベジブロスとは野菜くずを煮出して作る、だしのこと。“ベジ”タブル(野菜)とブロス(だし)を組み合わせた言葉です。
キャンプでは、できるだけ食材の無駄を省きたいもの。また、サスティナブルの観点でも、食材のゴミは減らしていきたいですよね。
ベジブロスは、栄養豊富でおいしいだけでなく、野菜を無駄なく使えるメリットがあるので自然に優しく生きたいキャンパーのみなさんにおすすめです。
今回は、ベジブロスの作り方や、実際に作ってみた感想、注意点について紹介します。
ベジブロスの作り方
ベジブロスを実際に作ってみました。材料は、普段捨てがちな野菜のくずばかりです。
材料
- 玉ねぎの皮
- 小松菜の根元
- にんじんの皮、ヘタ
- 大根の皮
- りんごの皮、芯
- トマトのヘタ
- 水1リットル
- 酒小さじ1
用意した野菜くずは、トータルで300g程度。両手で持てる量が目安です。
皮むきやカット前に、しっかりと野菜を水洗いしておきましょう。
簡単!ベジブロスのレシピ
1. 鍋に材料を入れて、中火にかける。
2. 沸騰してきたら弱火にして15分ほど煮る。
3. 火を止めて野菜くずを取り出し、スープをざるでこして完成。
今回は鍋の底に細かい砂が残っていたので、キッチンペーパーを使ってこしました。
ベジブロスの作り方は、このようにとても簡単!普段は捨てがちな野菜くずをただ煮込むだけで作ることができるのです。
ベジブロスそのもののお味は?
できあがったベジブロスがこちらです。オレンジ色のスープが澄んでいて美しいですね。
このベジブロスを、味付けせずに飲んでみました。
調味料を加えていないので味は薄めですが、野菜の甘みがほんのりと感じられました。数種類の野菜と料理酒を使っているので、味に深みがあります。
ただ、少しだけ野菜の苦味も感じられました。「調味をすれば、気にならないかな?」と感じる程度の苦味です。
ちなみに中学生の子どもに感想を聞くと「わあ、渋い!苦い!」と、しかめっ面をしていました。小学生の子どもは、同じくしかめっ面で「……」と無言でした。
ベジブロスそのものは、子どもにとって飲みにくいのかもしれません。やはり調味料を足して、味付けをしたほうがよさそうです。
ベジブロスを使って味噌汁を作ってみた
ベジブロスで味噌汁を作ってみました。特別な材料は使用せず、具材は大根とわかめと油揚げ。赤味噌を使って作っていきます。
通常、水を使うところを、ベジブロスで代用しました。
かつおとサバのだしパックを煮立たせて、うまみを足していきます。
見た目は、いつもとほとんど変化がありません。できあがった味噌汁を飲んでみると、いつもよりコクが増しているような気がしました。そしてベジブロスを飲んだときに感じた、味の深みもあります。
ベジブロスの汁だけを飲んだ子どもたちも「いつもと少し味が違うけど、おいしい!」と言っていました。味噌汁にすることで、苦味は気にならなかったそうです。
ベジブロスを美味しく作るコツ
作り方が簡単で地球に優しく、さまざまな料理に使えるベジブロスですが、美味しくいただくための注意点があります。
以下のコツを押さえれば、美味しいベジブロスができあがるでしょう。
(1)アクや苦みが強い野菜は避ける
アクが強かったり、苦味があったりする野菜はベジブロスに向いていません。
例えば、ブロッコリーの場合、独特の刺激臭を感じることがあります。これはアブラナ科の野菜に含まれる「イソチオシアネート」によるものです。
他にも以下のような野菜は匂いや味にクセがあり、ベジブロスに不向きと言われています。
- キャベツ
- ゴーヤ
- 春菊
- ニラ
- にんにく
ただし、味にはそれぞれ好みがあるので、絶対に入れてはいけないというわけではありません。苦味が欲しい人は、少量入れてみてもいいかもしれません。
(2)でんぷん質の高い野菜はスープに不向き
さつまいもやかぼちゃなど、でんぷん質の高い野菜は、スープにとろみがつきやすくなります。さらっとさせたい味噌汁やスープには不向きです。
反対にカレーやシチューなど、とろみがほしい料理には向いています。でんぷん質の高い野菜を使いたい場合は、とろみのある料理を作る際に取り入れるといいでしょう。
環境に優しい栄養満点のベジブロスを取り入れてみよう!
環境に優しく、栄養価の高いベジブロスについて紹介しました。
野菜の栄養を無駄なく使いきるベジブロス。作り方が簡単なので、キャンプでも挑戦しやすいでしょう。
和洋中を問わずおいしい料理を楽しめるベジブロスを、ぜひ一度試してみてくださいね。