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おすすめ食材をお手軽&お手製燻製機で絶品アウトドアスモーク
燻製術の基本
燻製の基本
「そもそも燻製は保存のためのものですが、いまは香りを纏わせるおつまみ燻製が流行っています。庭やキャンプで気軽に挑戦するなら、最初は道具も手軽なおつまみ燻製がおすすめです」と服部さん。用意してくれたのは、ダンボールからバケツ燻製器まで全5種類です。
また、燻製は温度帯によって3種類に分類されます。
【熱燻】
80度C以上の高温で食材に火を通しながら燻します
【温燻】
30〜80度Cの煙でじっくり燻します
【冷燻】
30度C以下で食材に火を入れたくない燻製です
「初めてならスモークウッドとダンボールを使った手軽な温燻や、あまり温度の上がらない固形燃料を使うのもいいでしょう」とのことです。食材も下準備不要で即燻製できるものが燻製には向いています。
「慣れたら、ハムやベーコンのように、塩漬け、乾燥、燻製と段階を踏むものに挑戦してみてください。でき上がったものは保存性も高められますよ」
スモークウッドを使ったダンボール燻製×「チクワ・かまぼこ・チーズ」
スモークウッドは火を点けたら熱源不要で放っておけるのが大きな魅力です。ダンボール燻製器は紙でも2〜3回は繰り返し使えます。チクワ、カマボコ、チーズを置くだけでOKです。
ダンボールの上から1/3くらいの位置に切り込みを入れて(2か所)、網を渡します。
上の写真のようにスモークウッドを白くなるまで十分熱し、ダンボールを上から被せます。
網の上にそのまま食べられるチクワ、カマボコ、チーズを置きます。
上部を閉じてフタをしたら、飛ばないように重しを乗せ、2時間ほど燻せば完成です。
100均アイテムと固形燃料のお手軽燻製×「チーズ」
100均のボウル、網、取っ手で作るお手軽燻製器です。ステンレスが薄いので、熱源は火力の弱い固形燃料を組み合わせます。
旅館の料理に使われる固形燃料(これも100均)で30分ほど燻せばOKです!
底にチップを入れ網の上にチーズを並べ着火します。
水滴が出たら拭きます。
フタをして飴色になるまで燻します。慣れるまでは何度か開けて確認をしましょう。
おうちキャンプにおすすめのお鍋燻製×「ナッツ」
家の鍋を使って熱燻にチャレンジします。30分ほどの短時間燻製に最適です。ボウルを利用して円形のフタを作れば、中が結露しても安心です。
鍋にチップを敷き、網に、容器に入れたナッツを乗せ煙が出たらフタをします。
煙が通り、かつナッツがこぼれないこし器を活用して燻製します。非常〜に香ばしく、熱々を食べても美味しいです。
バケツ燻製×「ベーコン・魚」
しりつぼみになったバケツは網が自動的に引っかかるので燻製器が作りやすいです。深さもあるので、豚バラや魚など、大きな食材が乗せられます。
バケツの下部に電動ドリルで空気穴を開けます。ぐるりと一周、等間隔に開けましょう。
ボウルの底に取っ手を取り付け、左右2か所に空気穴を開けフタにします。
塩麹200gと酒粕50gを混ぜ、豚バラ(500g)を5日間漬け込み、水に浸けて塩抜きし冷蔵庫で1日脱水します。
炭火で表面を乾かします。
チップを入れ、
燻します。
約1時間燻して表面が色づけばOKです。1日寝かせます。
中まで火は通ってないので焼いて食べます。
魚もまずは炭火の上方に置き、表面を乾燥させる。水分が出たら拭き取りましょう。
乾いたら炭の上にチップを散らし、煙が出たらフタをします。炭の代わりにバーナーにかけてもいいです。
▼参考記事
市販のスモーカーでスモーク!外ごはんスタイリストの燻製レシピ
焚き火とキャンプをこよなく愛する風森美絵さん。市販のスモーカーを使った、さまざまな食材の燻製レシピを教えてもらいました。燻製器内の温度を約30~80度Cに保ち数十分〜数時間燻す「温燻」と、燻製器内の温度を約80~120度Cに保ち数十分~数時間燻す「熱燻」で、おいしく簡単に調理できます。
燻製のコツは「スモークに適しているのは水分の少ないもの。とくに温燻は水分があると煙をまといづらくなるので、燻製前に乾かしておくことが大切です」とのこと。
ここでは「今までにはないスモーク料理も!」とのことで、実験的に、水分そのものともいえる、溶き卵も燻製してみました。これが想像以上のおいしさ!「深みが増して、ワンランクアップしてる!」と、スタッフも大絶賛でした。
また、生の肉などの燻製はハードルが高そうですが、意外に手軽にできます。「ポット型など、蓋で密閉できるタイプのスモーカーなら、ステーキ肉なども短時間で熱燻しつつ蒸し焼きできるんです」だそうです。
CHECK!
【温燻✕溶き卵】朝から贅沢!スモーキーTKG
溶き卵を40~50分燻し、熱々ごはんにかけるだけです。燻製しょう油をかければ、うまさが倍増します。
【温燻✕辛子明太子】薫香が口中に広がる明太子パスタ
辛子明太子は温燻で40~50分燻して、皮と卵に分けます。卵にバターを適量加えて混ぜて、パスタとあえます。細かく切った皮、海苔、青ネギを散らして完成です。皮に薫香がうつり、大人味になっています!
【熱燻✕冷凍シーフードミックス】魚介の旨味が炸裂!絶品アヒージョ
冷凍シーフードを解凍して水気を切り、約20分熱燻します。オリーブオイルを加えて火にかけます。パンと食べれば、いうことなしです!
【熱燻✕サラダチキン】おつまみにもぴったり!簡単スモークチキンサラダ
キッチンペーパーでチキンの水気を取り、ウイスキーオークのチップで20分ほど熱燻するだけです。深い味わいに変身します!
▼参考記事
焚き火を使った豪快ナチュラルスモーク
「北欧では、動物1頭獲ったら、その辺で拾った木で燻製にして保存する。だから、同じ燻製を作っても、そのときの状況で違う味になる。一期一会の味に出会えるのが燻製の醍醐味なんです」と、長野さん。「キャンプに行ったら、まず火をおこし、肉をぶら下げてじっくり燻す。それ自体が面白い遊びになるし、最大のご馳走になる」とのこと。
ここでは、焚き火を使ったナチュラススモークで調理します。焚き火から乾燥した空気が上昇気流でスーッと上がります。その熱風で火を通しながら煙を付着させるのが、ナチュラルスモークです。炎が上がるか上がらないかぐらいの火で燻します。
CHECK!
基本の作り方
【1】下味をすり込み数日漬け込む
調味料をよくすり込み、ビニール袋に密閉して(魚はそのまま)冷蔵庫で2〜3日寝かします。
【2】水につけて塩分を抜く
そのままだと塩っぱいので、水に浸けて塩抜きします。途中何度か水を替えながら行いましょう。
【3】焚き火で風乾しつつ燻す
焚き火の上部で熱風乾燥しつつ、食材に火を通します。周りを布などで覆うと時間短縮が可能です。
かぶりつき丸鶏のスモーク
ムネはサッパリ、モモは若干脂がのったしっとりした味わいです。甘くスモーキーな香りが、黒コショウの効いたハチミツと相性抜群です。
〈材料〉
丸鶏 1羽
塩 丸鶏の重量の10%
黒砂糖 丸鶏の重量の5%
ブランデー 20ml
粗挽き黒コショウ 適量
ローズマリー 1枝
ローリエ 1枚
ハチミツ 適量
〈下ごしらえ〉
塩、黒砂糖、ブランデー、粗挽き黒コショウ、ローズマリー、ローリエを合わせて丸鶏の外と中へ丁寧にすり込み、ビニール袋に入れて空気を抜き、冷蔵庫で2日間漬け込みます。
〈作り方〉
【1】水に浸けて1時間ほど塩抜きします。
【2】水気を拭いたら焚き火へ吊るし、2時間熱燻して完成です。
【3】切り分けて、黒コショウをふったハチミツなどを添えていただきます。
内側に枝を十字に差し込み、開口部を広げておくと、中まで火が通り、香りがつきます。
豪快ラムラックのスモーク
豪快に燻したら、骨ごと切り分けていただきます。味付けは塩コショウでシンプルに付けます。フルーツの酸味が旨味を引き立てます。
〈材料〉
ラムラック 1枚
塩 ラムラックの重量の2%
粗挽き黒コショウ 適量
タイム 適量
〈下ごしらえ〉
塩、粗挽き黒コショウ、タイムを合わせて肉へすり込んだら、ビニール袋に入れて空気を抜き、冷蔵庫で2日間漬け込みます。
〈作り方〉
【1】水に浸けて1時間ほど塩抜きします。
【2】水気を拭いたら焚き火へ吊るし、90分ほど熱燻します。
【3】骨ごとにカットし、タイムを添えていただきます。ワインで煮詰めた旬のフルーツを添えて、一緒にいただくのもいいですね。
吊り下げ用のフックは、骨と骨の間の筋が絡むあたりにすると抜けにくいです。
サーモンマリネのスモーク
表面がパリッとして茶色く色づいたら食べごろです。淡白な味わいに、煙とマスタードでアクセントをつけます。
〈材料〉
サーモンフィレ 半身
塩 サーモンの重量の4%
三温糖 サーモンの重量の2%
ディル 適量
粗挽き黒コショウ 適量
マスタード 適量
〈下ごしらえ〉
塩、三温糖、ディル、粗挽き黒コショウを合わせて身へすり込み、網に載せて冷蔵庫で2日間、水分を抜きながら乾燥させます。
〈作り方〉
【1】表面の塩を洗い流してから1時間ほど日陰で乾かします。
【2】尾側を上に焚き火へ吊るし、2時間遠火で温燻して完成です。
【3】スライスし、マスタードを添えていただきます。カキドオシの葉(材料外)を付け合わせにします。
魚は水分量が多いので水には浸けず、洗い流します。
串は皮目側に通すと、縮みにくくはずれにくいです。
▼参考記事
日本の伝統燻製食にトライ
CHECK!
日本の伝統燻製食「荒節」
日本の伝統的な燻製法のひとつに「燻乾」があります。食材の保存を最大の目的として、薪で燻して材料の水分をとことん抜き乾燥させる方法です。この燻乾法を用いた代表的な食品が「鰹節」です。サクラの燻煙材で燻すこと1週間。カツオの色が黒ずみ鰹節特有のにおいが漂いはじめると、気持ちが高揚してきます。時間かかれど燻し待つこと、いと楽しかりし。でき上がれば濃厚なカツオの風味が目から鱗の旨さです。
〈材料〉
生カツオの切り身 1~2本
スモークウッド(サクラ、ナラ、クヌギなど) 約15~20ブロック(1ブロック90分燃焼タイプ)
注)スモーカーの種類やスモークウッド のメーカーによって燻煙時間や日数が異なります。
〈作り方〉
【1】カツオの切り身を90度Cのお湯で約1時間茹でます。
【2】茹で終わったカツオを冷水に数分浸けて冷まします。
【3】カツオをスモーカーに入れて、60~80度Cの温燻で3時間、燻煙します。
【4】燻し終わったら上下ひっくり返し、常温でひと晩寝かします(高温多湿の時季は冷蔵庫に入れると良いです)。
【5】【2】~【4】の工程を5日~7日繰り返せば荒節の完成です。
1時間じっくり茹でたカツオを燻乾。茹でると生臭さがなくなり身が締まります。
約3時間燻し、上下をひっくり返して常温で寝かせます。この状態が「生節」です。
燻煙、乾燥を繰り返して3日目には、水分が抜けてカチカチに堅くなります。
荒節のスライス
荒節は燻す時間によって味も食感も変わります。短い時間(1~2日)で燻しカツオの水分を残した状態のもの(生節)を厚めにスライスすれば、ジャーキーのような食感になります。
鰹節は江戸時代には薬としても利用され、「胃腸を調え、筋力を壮し、歯牙を固くする」などの効能があるとされていました。
荒節の煎り酒
鰹節と梅干し、酒としょう油で作る『煎り酒』は、江戸時代の万能調味料です。削った荒節で作ると、濃厚なカツオの香りと梅の酸味が絶妙にマッチして美味です。どんな料理にもよく合い、ドレッシングとしても使えます。
煎り酒は、鰹節10g、梅干し2個、日本酒200ml、しょう油100mlを鍋で5分煮詰めて濾せばでき上がりです。
酒の肴にピッタリな貝焼き
貝殻に魚介類をのせて煎り酒をたらし、炭火で焼く「貝焼き」は、江戸時代の人気料理のひとつです。
江戸のソウルフード小丼
江戸庶民が食べていた伝統食「小丼」です。鍋に荒節、大豆の水煮、干し鱈、水、煎り酒を入れて煮ます。絶品です!
いぶり豆腐
豆腐の燻製「いぶり豆腐」は、険しい山越えの旅などに持参した、古来の携帯食です。水抜きした豆腐を燻製にすると、豆腐が滑らかに固まり、まるでチーズのような食感になります。中華鍋でもできる手軽さも魅力です。燻製初心者におすすめの一品です。
〈材料〉
木綿豆腐 1丁
塩 10g
スモークチップ (サクラ、ヒッコリーなど) 約15g
〈作り方〉
【1】よく水切りした木綿豆腐に塩を多めにすり込みます。
【2】【1】をキッチンペーパーに包み、豆腐が崩れない程度に重石をして冷蔵庫で一晩水抜きします。
【3】【2】を冷蔵庫から出したらさらに2時間ほど風乾燥させて水を抜きます。
【4】中華鍋(スモーカーでも良いです)の底にアルミホイルを敷き、スモークチップを入れて網をかぶせて蓋をして点火します。
【5】煙が出たら【3】を網の上に乗せて約1時間温燻し、表面が茶色くなったらでき上がり。
水抜きする際はキッチンペーパーを繰り返し交換します。豆腐の厚みが半分になるまで水抜きすると仕上がりが良いです。
豆腐の水分量で燻製時間や仕上がり具合が変わります。茶色いスモーク色が豆腐全体についたらでき上がりです。
いぶり漬け
いぶり漬けは、秋田県など雪深い地方の一般的な保存食です。野菜を囲炉裏の上に吊るして燻煙乾燥させた後、ぬか床に漬ける漬物です。近年は各家庭に囲炉裏がなくなり漬物店が製造しています。干し大根を燻す「いぶりがっこ」として知られています。
〈材料〉
ニンジン 1本
ゴーヤ 1本
セロリ 1本
干した大根 1本
ぬか床 適量
スモークウッド (サクラ) 1ブロック(90分燃焼タイプ)
〈作り方〉
【1】野菜類をスモーカーに入れて2時間ほど温燻します。
【2】【1】をぬか床に漬けて一晩寝かせば完成です。
燻し終わったら適当な大きさに切って一晩ぬか床に漬けます。スモークされた野菜がぬかと相まって美味しいです。
燻製にする野菜は、なるべく水分が少なめなものが向いています。大根などは干して乾燥させてから燻すと良いです。
いぶり笹かまぼこ
かまぼこは、古くは魚の練り物を細竹に巻いて炙って作っていました。その形が「蒲の穂」に似ているところから「蒲鉾」と書きます。囲炉裏で燻す「いぶり笹かまぼこ」は笹状に形成したものです。原料にはタラ類、イトヨリ、ベラ類などの白身魚を使います。
〈材料〉
白身魚(生ダラなど) 200g
スモークチップ(サクラなど) 適量
A 塩 小さじ1
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
片栗粉 大さじ2
〈作り方〉
【1】魚の皮と骨を取り除き、細かく包丁で刻みます。
【2】【1】とAをフードプロセッサーに入れて粘りが出るまで撹拌します。
【3】【2】を笹かま状に成形し、竹串につけます。
【4】鉄板やアルミホイルにスモークチップを乗せ、七輪にかけて煙をおこします。
【5】煙が出てきたら【3】を温燻して、すり身の中まで火が通り弾力が出てきたら完成です。
白身魚は細かく刻み、粘りが出るまで包丁でたたいてからフードプロセッサーかすり鉢ですります。
▼参考記事
憧れの自家製ベーコンレシピ
CHECK!
簡単自家製ベーコン
アウトドア料理で憧れる燻製ですが、その中でも一度は挑戦してみたい自家製ベーコン。仕込みに1週間以上使うレシピもありますが、ここではピチットシートを使って2日間でできる簡単レシピを紹介します。
材料
豚バラブロック 200g
塩 4g(お肉に対して1.5〜2.0%)
ホワイトペッパー 適量
ガーリックパウダー 少々
三温糖 2g
お好みのスパイスやハーブ 少々(無くてもOK)
作り方
1.キッチンペーパーで豚バラ肉の表面を拭き、フォークで穴をところどころあけます。
2.塩やホワイトペッパー、お好みのスパイスやハーブ、ガーリックパウダー、三温糖を全体に振りかけ馴染ませます。
3.ピチットシートで全体を包んで、一晩冷蔵庫で寝かせます。
4.お好みのチップを使って70度Cで1時間半から2時間燻製します。
6.冷蔵庫などで冷やせば、完成。
スライスして焼いたり、刻んでパスタの具材などにして食べてみてください。市販のものとは違う味わいを楽しめます。
▼参考記事
スモーキージョーで作る自家製ベーコン
ベーコンは燻製された豚肉なのですが、実は家庭でも簡単に作ることができます。ここでは、このスモーキージョーを使って、簡単な自家製ベーコンづくりを行います。ベーコンづくりの基本の工程は、塩漬け、塩抜き、乾燥、燻製の4つ。時間はかかりますが、作業自体は少ないので、ぜひチャレンジしてみてください。
燻製道具の準備
BBQで使う熱源には、ガス、炭、薪と、いろいろ種類があって悩みますよね。おすすめは、蓋付の小さなバーベキューグリル「スモーキージョー」。そのまま炭火で焼くのはもちろん。蓋を使うことで、蒸し焼きや燻製が楽しめます。
材料
豚肉ブロック(三枚肉) お好みで
塩 豚肉に対し2%
砂糖 豚肉に対し1%
お好みのスパイスやニンニク
【1】塩漬けにする
豚肉にフォークで穴をあけ、染み込みやすくしたら、全部の材料をポリ袋に入れ、よくもみ込んでください。
あとは冷蔵庫で5日間ほど寝かせます。1日1回上下を返してください。
【2】塩抜き
塩漬けした肉をボールに入れ、水に浸します。このまま6時間ほど放置し塩抜きをします。
時間が経ちましたら、肉の端を少し切り、フライパンで焼いて塩加減を確認します。
まだ塩辛ければ、再度新しい水に浸し、追加で塩抜きをしてください。
【3】乾燥
外で乾燥させる方法もありますが、冷蔵庫で乾燥させても大丈夫です。
塩抜きが終わった肉の表面の水気を、キッチンペーパーで拭き取ります。拭き終わりましたら、新しいキッチンペーパーで包み、お皿などにのせて冷蔵庫に1日置き、乾燥させます。
時々様子をみて、キッチンペーパーが湿っていたら、交換してください。
【4】燻製
乾燥が終わったら、いよいよ燻製です。
燻製に使用するのは、肉とスモークウッドのみ。スモークウッドは火を付けるだけで、それ自体が熱と煙を発してくれる手軽な燻煙材。長さで簡単に燻製時間を調整できます。
スモークウッドの木材はいろいろありますが、ここでは、子供でも食べやすい優しい香りのリンゴを使用しました。では、さっそく配置していきましょう。
スモークウッドに火をつけたら、網と豚肉を配置します。
その際、豚肉の肉汁が垂れると火が消えてしまう場合があるため、豚肉はスモークウッドの上には置かないようにします。
蓋をする際は、煙の動線が豚肉に向くように、通気口が豚肉の上となるように蓋をしてください。
ここでは2時間ほど燻してみます。煙が出なくなるまで待ちましょう。
完成!2時間経ち、煙がおさまりました。果たしてうまく燻せているのでしょうか?
ドキドキしながら蓋を開けてみます。
綺麗な色合いに燻すことができました。美味しそうなベーコンの香りが周囲に広がります。
作ったばかりのベーコンも美味しいですが、密閉容器に入れ1日冷蔵庫で寝かせると、香りが落ち着き、さらに美味しくなります。
そのまま数日冷蔵庫で保存可能ですので、多めに作れば、いろいろな料理に活用できますよ。
▼参考記事
おうちでも出来る燻製レシピ
室内でも換気扇の下で短時間作業すれば、煙を気にせずに美味しい燻製が手軽に作れます!旨味たっぷりに仕上がった燻製は、おつまみにもぴったり。いつもと違う休日を過ごしたい時や特別な日におすすめです。
CHECK!
室内でもできる絶品おつまみレシピ
〈材料〉
ささみ
タコ足
6Pチーズ
ミックスナッツ
それぞれお好みの分量をご用意ください。食材は、火が入りやすく燻製時間が短く済むものをセレクトしました。短時間で調理できるので、室内でも安心して燻製を楽しむことができます。
ささみとタコ足には、あらかじめ下味をつけます。
〈ささみ下味〉
塩 ささみの分量の約2%
醤油 小さじ1ほど
チリパウダー 少々
〈タコ足の下味〉
塩 タコの分量の約2%
オレガノ 少々
コショウ 少々
下味が必要な食材を燻製にする際には、食材の分量1.5〜2%の塩分を入れてください。半日〜ひと晩ほど下味をつけると、中までしっかり味が入るので美味しく仕上がります。
〈燻製道具の準備〉
使用したスモークチップの種類は「クルミ」です。クルミのチップは煙や香りにクセがなく、色が濃くつき過ぎることもないので、燻製初心者の方でも使用しやすくおすすめです。ここでの商品はダイソーで購入しました。サイズ感もちょうど良く、1回で使い切れるくらいの分量でした。
燻製に使用するフライパンにアルミホイルをかぶせます。そのまま使用すると燻製の香りが付いてしまうので、気を付けましょう。
ホイルで包んでも燻製の香りは取れにくいので、使い古したフライパンなどを使用すると良いと思います。
フライパンに合うサイズの蓋を用意します。こちらもフライパン同様、アルミホイルをかぶせてください。
ホイルを器状にして、スモークチップを入れます。この作業をすることで、ゴミ捨てやチップの交換がスムーズになりますが、直接フライパンのホイルの上にチップを入れても大丈夫です。
スモークチップに直接網がつかないように、ホイルなどを丸めて四つ角に置き、網をのせます。これで燻製の準備は完了です。
〈作り方〉
下味をつけた食材を網の上に重ならないように並べます。冷蔵庫から出したての食材は火が入りにくいので、15〜30分ほど常温に戻してから加熱しましょう。
強火で加熱をして、スモークチップから煙が出てきたら蓋をして弱火〜中火で加熱します。
食材に火が入り、全体的に茶色く燻製の色がついたら完成です。火力にもよりますが、加熱時間は10〜15分を目安にしてください。
途中、チップに全て火が入ってしまった場合は、足しながら加熱します。
同じように、チーズとナッツも燻製にします。チーズを燻製にする際には、溶けて流れてしまう場合があるので、クッキングシートなどを下に敷きます。溶けにくいプロセスチーズなどを使用し、温度が上がりすぎないように気をつけましょう。燻製時間は弱火で10分を目安にしてください。
途中、チーズが溶けてしまいそうになった場合は火を止めて余熱で色と香りを付けても良いです。
▼参考記事
アラスカ流スモークサーモンレシピ
アラスカ名物の「スモークサーモン」はおつまみとしてはもちろん、ちょっとしたパーティーにも活躍します。アラスカの各家庭ではそれぞれ秘伝の味付けがあり、ハーブやスパイスを利かせたもの、醤油やテリヤキソースを使ったものなどレシピは様々です。
ここでは、サーモンの旨みを活かした基本のレシピをご紹介します。そのまま食べて美味しいのはもちろん、ディップやクリームソースパスタなどにアレンジしても絶品です。
〈材料〉
サーモン(できれば紅鮭※) お好みの量
塩 サーモンの重さの約3%
ブラウンシュガー (塩の重さ)×4
お好みで仕上げにブラックペッパー、メープルシロップなど
〈調理例〉
サーモン半身 約440g
塩 13g
ブラウンシュガー 52g
※サーモンは新鮮で身が締まっているもの、塩味がついていないものを選んでください。また、アラスカでは紅鮭のスモークサーモンが味に定評があり人気なので、より本場の味を再現したい方はぜひ紅鮭でチャレンジしてみてください。
〈必要な調理器具等〉
スモーカー(温燻製ができるタイプ)
スモーカー用ウッドチップ
サーモンを漬けこむ用の密閉保存袋、または密閉容器
キッチンペーパー
乾燥させる時の網(スモーカー付属のもので可)
〈1~2日目:漬け込み〉
【1】まずは下準備。サーモンの水気を軽くとり鱗と骨を取り除いたら、食べやすいサイズに切ります。ここでは約3cmに切りました。
【2】計量した塩と砂糖をよく混ぜ合わせておきます。
【3】サーモンと2を密閉保存袋に入れ、できるだけ空気を抜きます。
【4】冷蔵庫で2日間漬け込みます。均等に浸かるように2~3回はひっくり返してください。時間が経つとサーモンの水分で塩と砂糖が溶けてきます。
〈3日目:乾燥〉
【5】ザルに出し軽く水で洗い流します。
【6】キッチンペーパーで水気をふき取ったら、網(ここではスモーカー付属を使用)に載せ冷蔵庫で丸一日乾燥させます。
表面にうっすらと膜が張るくらい乾燥させるのがポイントです。
〈4日目:燻製〉
【7】いよいよ燻製します。厚みやサイズによっても異なりますが、燻製時間は約80度で2~3時間が目安です。中まで完全に火が入るよう、お持ちのスモーカーに合わせて調節してください。
※仕上げにお好みでブラックペッパーを振るのがおすすめです。また、バーチシロップ(白樺の樹液を煮詰めたシロップ)やメープルシロップを塗るとツヤが出て見た目もよく、ほどよい甘味がサーモンの味を引き立てます。
中まで火が入るようじっくり燻製します。
完成です。
出来立てでも美味しいですが、冷蔵庫で一旦休ませると身が締まってジャーキーのような食感になります。ほどよく水分が抜けているので、サーモンの旨みをしっかりと堪能できます。少し甘めの味付けなのでお子様にはもちろん、アクセントにブラックペッパーや七味、ハーブなどを振ればお酒との相性抜群の絶品おつまみになります。
出来上がりに4日かかりますが、我が家では一度にたくさん作って、一個ずつラップで包み保存袋に入れ冷凍しています。食べる分だけ自然解凍して使えるので、いろいろなアレンジが楽しめますよ。
▼参考記事
燻製レシピでキャンプ飯をもっと楽しもう
意外と簡単にチャレンジできる燻製レシピ。スモーキーな香りをまとえば、いつもの食材もプロの味に激変します。キャンプ場やお休みの日のご自宅で、美味しい燻製料理を楽しみましょう。