新富士バーナーより、もっと気軽にダッチオーブン料理ができる「エミール」が発売された。ダッチオーブンを短時間加熱したあとエミールに入れると、予熱で調理ができるという調理道具だ。
ここで思い浮かぶのが真空保温調理器。内部が真空になった保温容器に、加熱した内鍋をセットするもので、エミールと原理は同じだ。そこで、SOTOダッチオーブン10インチと真空保温調理器の内鍋に容量いっぱいの水を入れて沸騰させ、5分加熱したあとに各保温容器にセットしてみた。
20分ごとに温度を測ってみたところ、100分後にエミールが83.5℃、真空保温調理器は86.5℃。温度計を差し込める程度にふたをずらして計測したが、ダッチオーブンの直径は倍ほどの大きさで、ふたを開けるたびに大量の湯気が逃げてしまう。おそらくこれが3℃の差なのだろう。
蓄熱性にすぐれたダッチオーブンを、発泡ポリプロピレンの分厚い保温容器で包み込む。温度が下がりにくいので、煮込み料理や、パン生地の発酵に重宝する。
使用している発泡ポリプロピレンの耐熱温度は120℃。
新富士バーナーの担当者によると「バーナーで煮込んだダッチオーブンを入れても溶けることはありませんが、念のために底にシリコン製のオーブンベースを敷いています」とのこと。
テーブルにダッチオーブンを載せる際のベースとしても使える。
ただし、炭火で上下から加熱した後など、ダッチオーブンが高温になりすぎていると溶けるので注意が必要だ。
ケースは側面に2カ所、ハンドルがついているので両手でしっかり持てる。
私物の真空保温調理器と比べてみた。エミールに比べて保温容器はずいぶん薄く感じる。
クーラーボックスとしても使えて
料理のバリエが広がる!
保温調理は、エミールも真空保温調理器も、沸騰後5〜10分加熱してから保温。31〜46℃はもっとも雑菌が繁殖しやすいので、50℃くらいまで温度が落ちたら再加熱する必要があるが、基本的にはほったらかしで大丈夫。
「エミール」の場合、炊飯だけは、沸騰後、1分加熱した後25分保温し、一度ご飯を軽く混ぜて上下を入れ替えてから、再度5分保温。ほかの料理に比べて焦げ付きやすいための措置だ。
おもしろいのが、「エミール」は保温だけでなく保冷調理もできるということ。真空保温調理器は保温容器と内鍋の隙間はごくわずか。一方、エミールはダッチオーブンやふたのハンドルのぶんだけデッドスペースがある。ここにソフトタイプの保冷剤を詰められるのだ。
生クリームは10℃以上で溶け始めるので、ダッチオーブンに氷を入れてエミールにイン。この中で生クリームを泡立てるという使い方も可能。
バーナーを占有することなく煮込み料理ができるうえ、クーラーボックスがわりにもなる「エミール」は、バーベキュー・パーティーなど多くの料理を一度に作る際に強い味方になる。
SOTO/eMEAL(エミール)
9980円
新富士バーナー http://www.shinfuji.co.jp
◎構成=大森弘恵