次の部分日食はいつ?4月20日14時のレアな日食
4月20日、14時台に部分日食が起こります。が、「たしかに欠けている」とわかるのは、南西諸島や小笠原諸島でしょう。東京ではまったく欠けず、千葉県の館山で、ほんの少し。
月と太陽の大きさを比較すると面白い
「え?どこが?」というほどわずかな欠け具合。
ただ、ギリギリに欠けているということは、月と太陽、2つの円盤がぴったりくっついているということ。現実に月が見えるわけではありませんが、下の図のように再現すると、月と太陽の大きさが比較できます。
このように、見かけ上、月と太陽の大きさがほぼ同じです。実際の大きさは、太陽は月の約400倍。一方、地球から月への距離は、地球から太陽への距離の約400分の1。というわけで大きさと距離が相殺されて、見かけ上はほぼ同じ大きさになります。
それにしても、これほど大きさがそろうのは珍しいのです。
皆既と金環の両方が起きる珍しい現象
今回、皆既日食が見られるのは、オーストラリアの北西端やインドネシアなどです。そしてその皆既日食帯の端っこの方では、スレスレの金環日食が見られます。
一回の日食で、皆既と金環の両方が起きるのは珍しいです。
皆既日食は、月の影が太陽をすっぽり隠した状態ですから、月が太陽より見かけ上、大きいときに起こります。
一方、金環日食は、月の影が太陽を隠しきれず、太陽の光がリング状に残る状態なので、月が太陽より少し小さいときに起こります。
このリングの幅が、今回はとても細いです。見かけ上の太陽と月の大きさが限りなく近いことで、極細のリングが出現するのです。
薄明が終わるころに細い月とすばる、金星の共演
日食は新月の日に起こるので、次の日からは細い月が西の空に姿を現します。
日食の翌々日、22日には月齢2の極細の月とすばるの接近、23日には月齢3の三日月と宵の明星こと金星の接近が楽しめます。
月とすばるが高く昇っているうちは、まだ薄明が残っているので、さすがにすばるは肉眼では見にくいでしょう。ぜひ双眼鏡でのぞいてみてください。
金星は夏に向かって、まだ明るくなります。現在マイナス4等級ですが、これからもジワジワと光度を上げ、いちばん明るくなる7月にはマイナス4.5等級まで上がります。高さもほんの少しずつですが、上がっていきます。
6月4日には火星との大接近も控えています。まだしばらく、金星からは目が離せないシーズンです。
構成/佐藤恵菜