国内はもちろん世界の川をカヌーで旅し、日本にカヤックツーリングを根付かせたカヌーイストでノンフィクション作家の野田知佑さん(2022年3月27日逝去)。日本のアウトドア界を牽引し続け、川からの視点を通してアウトドアを旅する楽しさと自然を守り続けることの大切さを広め続けてきました。その人生や旅の軌跡を振り返るとともに、野田知佑さんが残したかった美しき日本の川や、その川で遊ぶ川ガキ達への想いを、多くの著作から厳選して紹介しています。
「コンクリートの低い橋の下をくぐって滑るように川に入ると釧路川が始まる。
この湿原の川に入って行く時はいつも背中がゾクゾクする。それほど釧路川の源流部は原始的、野性的、神秘的なのである。
こんな川は日本では他にはない。
川の水は緑色に澄み、川底はまわりの沼の延長で、パドルを立てるとスッとめり込む。」(『川を下って都会の中へ』小社刊)
巻頭にはカヌー犬ガクと旅したグラビア写真を掲載。そして、故郷である熊本県菊池川で遊んだ少年時代に始まり、日本の川や世界の川を旅し、徳島県日和佐に終の棲家を構えるまで、人生の軌跡を追った野田ヒストリーをまとめています。
さらに、今まで出版された全著作をリスト化、ユーコン川にマッケンジー川、四万十川から釧路川など、多くの読者が憧れた川の旅情報を載せています。
「ぼくのカヌー人生の中で、ユーコン川は、すべてを放り出して娑婆と縁を切り、漂流し、自由を謳歌する最大最良の場所である」(『ユーコン川を筏で下る』小社刊)
ほかにも、作家の夢枕獏氏や椎名誠氏、モンベル会長の辰野勇氏などの寄稿文や、歴代担当編集者の思い出話を掲載。
川を旅し続けた作家“野田知佑”が、多くの読者を魅了してきた理由がわかる一冊になっています。
「夏の陽がカッと照り、川の水は温かく、この日、子供らはとても楽しかったに違いない。ワーンという子供の歓声が第十堰の上空に響いた。いい川には、いい川ガキが棲む。」(『カワムツの朝、テナガエビの夜』小社刊)
日本のアウトドア界を牽引し続け、川を旅することの楽しさと、自然を守り続けることの大切さを問い続けてきた、真のアウトドアズマンの姿がここにある。
定価1,650円(税込)
判型:B5版/98頁 ISBN 978-4-09-104263-7
全国の書店およびネット書店にて絶賛発売中。
※問い合わせ先/小学館愛読者サービスセンター 03(5281)3555(月~金 9:30~17:30、土・日・祝休日・5/1除く)
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