4代目スバル XVが世界統一で「クロストレック」って名前に進化。また同じプラットホームを使って新型「インプレッサ」も遅れて登場。BE-PALの読者も気になるその乗り味は? ピストン西沢が「クロストレック」を公道で、「インプレッサ」のプロトタイプをサーキットで試乗した。
アウトドア派に人気のスバル車をサーキットでテスト!
こんにちは!ピストン西沢です。さて、この気になる2台ですが、基本的に同じコンポーネントを使い、車高が高い低いで別れるというところはまだ入り口で、そもそもクロストレックを開発して、その車高を下げたのがインプレッサというところが新しいわけです。そのラインアップは、インプレッサにはエンジン車とハイブリッド。クロストレックはハイブリッド。各々にFFとAWDがある。2台の共通の印象は遠乗りしたくなるクルマ!っていうことは週末のレジャーにもぴったり
コンセプトは「FUN] 遠出に使えるそのポイントは?
ポイント1 とっても静かでFUN
まずクロストレック、インプレッサは、すごく静かなクルマ。フル加速しても安っぽいエンジンのうなり音はなく、その音や振動はとても上品で、まるで猿ヶ京の温泉旅館のような居心地(笑)。その秘密の一つは、屋根に防音や防振対策になる接着剤を入れてあること。試しにクロストレックの屋根をたたいてみると、旧型はボコンボコンというのに対し、クロストレックはポコポコという感じで、明らかに振動が少ないことがわかる。これで実現される静かな室内は、当然疲れにくい。これは他にも雑音がないので、音楽も小さく流せるし室内の会話も楽だし、そういう意味でFUNだ。みんなで遠乗りや、親孝行にいいじゃないですか?
ポイント2 楽しく素晴らしい走り
まずスバルの車体が素晴らしい。BE-PALの読者はキャンプで使ったりする折り畳みの自転車を持ってるでしょ? 安いものは接合部がぐらぐらして、直進性とかすごくわるいじゃないすか? それと同じでボディは一番大事。その点、スバルのSGP(スバルグローバルプラットフォーム)は年々進化していて、加速、止まる、曲がるがドライバーを喜ばせる。
特によかったのはAWDモデルで、インプレッサをサーキットで走らせたときに実感。パイロンを右左に避けるような場面で姿勢が安定し、切り替えも穏やかかつ早くてギリギリを狙うのも簡単だった。その4輪制御は穏やかで的確でまるで小学校1年の時の担任の優しい先生だ(笑)。その一方でFFは若干フラフラするので、スピードも抑えてより慎重に走る必要があった。ただしそれと引き換えに軽快感が気持ちイイ! このFFモデルは、BRZのようにコーナリングでリアのブレーキを使って、姿勢制御するなどの運転支援もないので、雪道などは神経を使うかもしれないが、振り回す面白みがある。
人気も全体の3 割を占めていて、「スキーいかね」「値段安い方がいい~」「軽い感じで振り回す方が好き」って人にはいいチョイス。サス自体は先代より柔らかく、その分しなやかなくせにサーキットでもしっかり曲がる。エンジンの力こそカタログでハイブリッドが117kWでガソリンが113kkW。でもシャシーが勝っていて、まったく安定しているから逆に物足りないくらい。システム自体はキャリーオーバーだけど、その制御も全面刷新でここでもスバルの真面目さがうかがえる。
さらにスバルの安全哲学を感じたのはブレーキ。ボッシュの高級な電動ブースターを備えていて、荒れた路面でもロックもせずにきれいに止まる。その姿勢制御と制動能力はびっくりで、よく動くサスと相まって、ワゴンなのに峠の下り攻めたくなっちゃうよ(笑)。他にも高級な部品がついていて、電動ステアリングは2ピニオン仕様。剛性があって、フィーリングは旧型に比べると段違いの良さ。
ポイント3 乗ってるみんなが「FUN」な新しい検索システム「what3words」
カーナビに採用されている「what3word」は、日本車初採用で、音声認識は世界初なんだそうだ。これは世界を3メートルの四角で区切り、その座標を3つのランダムな言葉で紐付ける。例えば「てんぷら」「いぬ」「てれび」の3つのワードで、位置づけられた場所に行くことができる。3メートル四方でくくられるので、銀座駅C4出口など細かい指定ができるし、なによりもその3ワード(決められているから、変更できない)で面白い旅もできるかも(笑)。
内装やカーゴルームはどうだ?
まずシートがなかなかいい仕事している。座面と背もたれ部分が柔らかく、その分骨格がしっかりしていて疲れないから遠出向き。表面は撥水仕様なんで、海や山で遊んだり、子供が乗るにもすごく良い。荷室はリアが角ばっていた昔のスバルのイメージから脱却する滑らかなラインで、デザインはよいのだが、その分荷室上部は当然狭い。
ただ、インプレッサはリアゲートのハンドル部分が低くなったので、その分閉めるときに手が届きやすくなった。リアのシートは2分割で3分割の真ん中に長いものを置くようなに荷物のレイアウトができないのは残念。サンルーフもちょっと小さくて、最近のヨーロッパ車の開放感から比べると物足りないかな。
とにかく機能がスゴい
遠出で疲れたドライバーに襲い掛かる渋滞。よく追突事故をみるが、この「アイサイト」を搭載したクルマは追突事故発生率0.06パーセントなんだそうだ。このクルマの「アイサイト」は最新バージョンで広角の単眼カメラがすごいらしい。
広角なんで、歩道をまたいで大きな通りに出るようなとき、歩く人を抜きながら速いスピードで走ってくる自転車などにも対応。これから電動スケボーとかわけのわからんものも増えてくるし、道も歩道も見なきゃいけないなんて、疲れるからぜひ性能にあやかりたい。車庫がそんな場所にある人はすぐ買うべし(笑)。
他にもACC、プリクラッシュブレーキ、プリクラッシュステアリング、後退時ブレーキアシスト、誤作動による急加速制御、後ろ側方警戒支援、死角車両検知、車線変更支援とか、書ききれないがなんか戦闘車両のスペックみたいだなこりゃ(笑)
センターに配置されたモニターの中には、ものすごい機能が集約されていて、正直俺には覚えきれんし、興味がないものもあったが、操作はわかりやすく使い手次第だとは思う。
結論。2台の乗り味はインプレッサの方が確かにスポーティだが、クロストレックもよく走る!
というとこで2台を乗り比べたのだが、基本的には書いたように同じでより運動性能が楽しめるのが「インプレッサ」。最低地上高はエンジン車で130ミリ。一方で最低地上高が200ミリあるのがクロストレック。しかし、クロストレックもよく走る。タイヤは17インチと18インチがあるが、運動性能を楽しもうと思ったら間違いなく18インチ。キビキビと反応の正確さが全然ちゃいまんねん。これがあれば週末も変わるが、日常も安全になるということで、スバルの技術と安全への取り組み、そして何より運転して楽しいことが伝わってきました。
最後に価格はこちら!
【インプレッサ】
2Lエンジン FWD ¥2,299,000/AWD¥2,519,000
e-BOXER FWD¥2,992,000/AWD¥3,212,000
【クロストレック】
リミテッド FWD¥3,069,000/AWD¥3,289,000
問い合わせ先
スバル TEL:0120‐052215