9か月の子供と山歩きデビュー!
BE-PALライターの中山です。2020年、出産を機に地元である山形にUターンして暮らしています。産前までは、北アルプスや八ヶ岳などにテント泊登山に行くほどの山登り好きでした。夫もアウトドア派なので、もちろん子供ができても自然遊びを楽しみたい。そうは思っていても、幼い子供とともにフィールドに出るのは不安もありますよね。
今回は現在2歳になる娘が9か月のときに、月山の麓にある「山形県立自然博物園」で山歩きをしたときのことをレポートいたします。
事前準備は?
9か月の娘はまだ歩けないので、親が背負って山を歩きます。そこで入手したのが、ベビーキャリアです。抱っこ紐で行こうと考えている方もいるかもしれませんが、汗を大量にかく山歩きでは、密着度の高くなる抱っこ紐はおすすめできません。ただでさえ赤ちゃんは汗っかきですから。
その点、ベビーキャリアは背中と子供の間に空間があるので、身体の密着による汗を防ぐことができます。私たちが購入したオスプレーのモデルは、背面がメッシュになっているので、通気性もバッチリ。
バックパックとしての機能もあり、荷物を入れることも可能です(もちろん背負う人の体力次第ではありますが)。私たちはオムツなどの子供用の荷物を入れました。アウトドアブランドが設計しているので、背負い心地も問題ありません。子供を座らせて乗せることができ、しっかり固定もできます。落下の恐れもなく安定性も確保されています。
ちなみにオスプレーのベビーキャリアは、自立するので、地面に下ろしたときにもそのまま子供を乗せておけるのが便利です。
レインカバーとサンシェードも付いています。日差しが強いのに子供が「帽子を被るのがイヤー!!」となったときにも困りません。
いくつかのアウトドアブランドでベビーキャリアを展開しているので、普通のバックパックを購入するとき同様、いろいろ試してみるのがおすすめです。
次に気になるのは、山での食事ですよね。9か月では、まだ離乳食中期あたりなので、食べられるものも限られます。その期間、山に限らず外ごはんで大活躍したのがフードジャーです(写真でいうと、左上)。私が使っていたのは、サーモスの真空断熱スープジャー(現在はないカラーかもしれません)。
これがもう超便利! ベビーフードは、温めなくても食べられるようにできていますが、なんとなく温かいものを食べさせたい気持ちがありました。例えば、湯煎するという方法もあります。でも、ちょっと面倒くさい(笑)。そんなワガママな考えの私には、フードジャーはピッタリだったのです!
とくにうちの子は、野菜や鶏肉などをスープっぽくしたものを好んで食べていたので、この日もニンジン、キャベツ、タマネギ、鶏肉に、ごはんを少し入れた雑炊をお昼ごはんにしました。
野菜はある程度、鍋で調理したあとにフードジャーに入れれば、あとは加温調理してくれるので、食べる頃にはいい感じに柔らかくなっています。ごはんも普通炊きのものでOK。温かいものを食べさせてあげられるだけでなく、調理も楽ちん。離乳食の外ごはんは、これが定番でした。
それ以外に、そのまま飲ませられるミルク缶とオヤツも持参。何かがあって、いつもの離乳食を食べない!などのアクシデントに備えてベビーフードも予備で持っていきました(結果使わなかった)。
山歩きデビューは頂上を目指さない散策コースで
子連れでの山歩きデビューは、まず「頂上を目指さない」ことを決めてコースを選びました。その理由としては、大前提として子供を担いで歩く体力に不安があったからです。テント泊の登山をしていたとはいえ、8kgの子供を背負って歩くのと、同じ重量の荷物だけを持って歩くのとでは、まったくの別物。アウトドアブランドのバックパックであるとはいっても、子供が動けばバランスも崩れますし、ただの荷物とはまったく勝手が異なります。なので、比較的アップダウンも少なく、かつ行程も短い散策コースに焦点を絞って行き先を決めました。
選んだのは、月山の麓にある山形県立自然博物園の散策コースです。スタート地点には、ネイチャーセンターがあってトイレを借りたり、コースの相談をすることも可能。車以外に逃げ込める場所があるのも、子連れ山歩きでは重要なポイントだと思いました。
標高が800mほどあり、夏でも涼しい。初めての夏なこともあり強い日差しを長い間浴びることにも不安が。樹林帯を歩けるのも大変助かりました。
1時間ほどで目的地まで着き、そこでお昼ごはん。私たち以外にはひと組しかいなくて、とてものんびりと過ごせました。
お手製離乳食もたっぷり食べてくれ、子供もいつもよりおいしそうにしている?気がしました(笑)。
帰り道は、ベビーキャリアの中で爆睡でした! 心地よい揺れがあって、気持ちいいようです。さすがに頭を支える構造ではなく、どうしてもガクンと前に来てしまうので、サンシェードを出して、それを支えにしました。着いてからもしばらく起きなかったので、地面にベビーキャリアを置いて、しばしの間寝かせておきました。そんなときも自立式だと、重宝しますね!
共にフィールドに出ることからスタートする
たった2時間程度の山歩きでしたが、子連れで行けたことに達成感はそれ以上のものがありました。あまり最初から張り切って1日がかりの行程にしまっていたら、もしかしたらお互い辛かったかもしれないなと思っています。
デビュー戦は、子供に山の気持ちよさを教えるところから。そして産後のリフレッシュぐらいの軽い気持ちでチャレンジできる山を選ぶと、心地よい体の疲れのみで、心は疲弊せずに楽しめると思います!
文/中山夏美