東京の下町を中心に親しまれてきた、もんじゃ焼き。
農林水産省のサイトによると、江戸時代末期頃に、東京・月島の駄菓子屋の前で手軽なおやつとして売られていたのがもんじゃ焼きのはじまり(※)なのだとか。以来、駄菓子屋の定番メニューとして子どもたちの間で愛され、その後は大人のおつまみとしても人気が広がっていきました。
東京の下町出身である筆者の妻によると、実家では、母親が作ったもんじゃ焼きを頻繁に食べていたとのこと。筆者も、今では妻が自宅で作るもんじゃ焼きのとりこになりました!
家で作るイメージが強いもんじゃ焼きですが、実はキャンプとの相性も抜群の簡単料理。
今回は妻が母親から教わったという、下町育ち直伝のもんじゃ焼きレシピをご紹介します。屋外でのもんじゃ焼き作りにぜひ挑戦してみてください!
そもそももんじゃ焼きとは?
もんじゃ焼きは、今でこそお好み焼き屋さんでよく見かけるメニューになりましたが、「どのような食べ物かよくわからない」という方もいると思います。
もんじゃ焼きとは、小麦粉を多めの水で溶いてウスターソースで味付けし、そこにキャベツ、出汁、揚げ玉などの具材を入れて鉄板で焼いたものです。
お好み焼きと材料は似通っていますが、もんじゃ焼きは水分が多いため、焼き上がってもドロドロのまま。それをハガシという、もんじゃ焼き専用の小さなヘラを使って鉄板の上からすくって食べるのが特徴です。
鍋のように皆で卓を囲んで楽しむ料理なので、パーティ気分が盛り上がること間違いなし。だからこそ、グループやファミリーで楽しむキャンプ飯としてもおすすめです。
もんじゃ焼きの材料と道具
今回はキャンプシーンをイメージして、LODGE(ロッジ)の鉄製フライパンで調理していきます。次に紹介する材料と道具を用意しましょう。
材料(3人前)
- 小麦粉(薄力粉) 50g
- 水 500ml
- キャベツ 1/4個
- イカ お好みで
- 白だし 小さじ2
- ウスターソース 大さじ3
人数が増えた場合は、適宜材料を増やしてください。水と小麦粉は常に割合が10:1になるよう準備しましょう。
イカや白だしは他のものでも代用可能です。おすすめは左記の材料ですが、今回それらの用意ができなかったため、干しあみえびと顆粒だしを使用しました。
上記の材料だけでも美味しいもんじゃ焼きを楽しめますが、さらに牛豚ミンチや揚げ玉、卵などを加えてもいいでしょう。もんじゃ焼きのコクが深まり、さらに美味しく仕上がります。
道具
- フライパン
- ハガシ
- フライ返し
- カセットコンロ
本場のもんじゃは鉄板を使って作りますが、屋外ならばカセットコンロとフライパンでもOK。
電源サイトに泊まる場合には、ホットプレートを使って調理してもいいでしょう。
もんじゃ焼きの作り方
作り方は以下の通りです。
1.材料を混ぜる
ボウルに入れた小麦粉に水を少しずつ加え、ダマにならないようによく混ぜ合わせましょう。
あらかじめ千切りにしておいたキャベツ、イカ(または干しあみえび)、白だし(または顆粒だし)、ウスターソースを加えたら生地は完成です。
2.フライパンを熱して材料を薄くのばす
フライパンをやや強めの中火にかけ、よく熱して薄く油をひきましょう。
フライパンが温まったら、生地をお玉などですくって薄くのばします。トッピングがあれば、このタイミングで上に散らしましょう。
焼き方について、「土手を作る」という方法を聞いたことがある人もいるはずです。
土手を作るというのは、「キャベツなどの具材を円形に並べて土手を作り、円の中心にだし汁を入れる」焼き方のこと。
お店で大きな鉄板を使用して、もんじゃ焼きと他の焼き物を同時に調理する場合には、もんじゃ焼きの緩いだし汁が他の焼き物に混ざらないように配慮する必要があります。そういった場合、だし汁が広がらないように、具材で土手を作るのが有効です。
ただし、自宅でフライパンを使ってもんじゃ焼きを作る場合には、土手を作る必要はありません。土手無しでも美味しく仕上がるので、ご安心くださいね。
3.水分を飛ばしてできあがり
もんじゃ焼きに火を通していくと、水分が蒸発して粘り気が出てきます。粘り気が出るとともにキャベツがしんなりしたら、できあがりです。
もんじゃ焼きを食べる際には、ハガシやフライ返しで皿によそって食べてください。その際に、もんじゃ焼きの上部分だけをすくうようにし、もんじゃ焼きを薄くフライパンの上に残しておきましょう。残ったもんじゃ焼きでカリカリのせんべいを作るためです。
おまけの楽しみ方!もんじゃ焼きでカリカリせんべいを作ろう
フライパンに薄く残した生地に、さらに火を加えてせんべいにしましょう。
全体がきつね色になったら、フライ返しを使って裏返します。さらにカリカリになるまで水分を飛ばせば、もんじゃ焼きせんべいのできあがりです。
できあがったせんべいにもんじゃ焼きを包んで食べれば、食感の違いを楽しめますよ!
もんじゃ焼きにおすすめのトッピングは?
焼き上がったもんじゃ焼きにトッピングを加えると、さらに美味しくなります。何種類かをあわせてみるのもおすすめですよ。
(1)マグロの切り身
マグロの切り身はもんじゃ焼きのトッピングとして最高の具材です。一口大にカットしたものをトッピングとして使用しましょう。
ドロドロしたもんじゃ焼きに、ごろっとした食感のマグロが意外とよく合います。さっぱりとした魚介系の旨味を感じられる、絶品もんじゃに仕上がりますよ!
(2)チーズ
チーズはとりあえず入れておけば間違いのない、定番トッピング。もんじゃの味付けを濃厚にしてくれます。
チーズ入りもんじゃ焼きせんべいも、香ばしくて美味しいのでぜひお試しくださいね。
(3)餅
明太子やチーズなどのトッピングともよく合い、もんじゃ焼きの食べ応えがグレードアップします。
マグロと同じように、餅も一口大にカットしたものをトッピングに使用しましょう。
(4)明太子
明太子は、もんじゃ焼きのベースの出汁であるイカや干しあみえびの旨味を引き立てて、劇的に旨味をアップしてくれます。
つぶつぶとした食感を楽しめるほか、辛みも加えてくれるため、大人向きのトッピングと言えるでしょう。
(5)カレーペースト
カレー粉やカレーペーストは、もんじゃ焼きの味変におすすめです。風味をガラッと変えてくれるので、ウスターソースの味に飽きたらお試しくださいね。
もんじゃ焼きは間違いなく盛り上がるキャンプ飯
もんじゃ焼きは誰でもトライできる手軽な料理です。キャンプで食べる場合は、自宅であらかじめ作っておいた生地をクーラーBOXに入れて持って行けば、すぐに食べることができます。
青空の下、皆でひとつの卓を囲み、ゆったりと食べるもんじゃ焼きは絶品!グルキャンでも盛り上がること間違いなしの一品です。ぜひ、次回のキャンプでお試しくださいね!