釣り場にイワシの大群がやってきた
5月初旬の連休に家族で釣りに行ってきました。夫はいつものように「大物を狙う!」と豪語し、7歳娘と私はサビキ釣りでアジを釣ろうと意気込み、福岡県東区の離島、相島(あいのしま)へ出かけてきました。
サビキ釣りについては、「場所選びから釣り方まで!子どもと一緒に釣りを楽しむ方法」の記事でも紹介していますので読んでみてくださいね。
海水温度が上昇してくる5月以降は、回遊魚のイワシが沿岸にやってきます。わが家が釣りに行った日は夕方頃、イワシの大群が沿岸に回ってきて、20匹以上のイワシを釣ることができました。
今回はその模様をレポートします。
回遊魚ってどんな魚?
イワシやサバ、マグロ、 サンマ、カツオ、サケなど、食卓に並ぶ身近な魚も実は回遊魚。文字通り海の中を泳ぎ回って暮らしていますが、ただ泳ぎ回るのではなく、適した水温や餌、産卵場など求めて海洋や淡水域を移動しています。
その中でもイワシは、5~11月頃に大群で海岸に接近することが知られており、海水温度が上昇してくる5月以降は本格的にイワシが回遊してくる時期になります。これから梅雨にかけて、イワシ釣りはベストシーズンを迎えます。
「イワシ」は3種類いる
せっかくなので「イワシ」についても学んでおきましょう。
「イワシ」とひとくくりで表現されることが多いですが、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの三種のイワシがいます。今回、筆者たちが海で釣ったイワシは「マイワシ」です。魚屋でイワシという名前で売られているイワシのほとんどが、この魚です。
3種のイワシの特徴
- マイワシ:青い背中の側面に斑点がでているのが特徴。夏から晩秋は脂が乗っていてとても美味しい。
- カタクチイワシ:黒い背中が特徴。下アゴが小さくて、まるで和食器の「片口」のように見えることから名前がついた。稚魚を茹でて干したものが「しらす干し」「ちりめん」で、おせち料理の「田作り」でもおなじみ。だしとして使用される「煮干し」も本種となる。
- ウルメイワシ:黒目が潤んだように見えるからウルメイワシと呼ばれている。干した加工品として流通することが多く、馴染み深いのは「目ざし」や「丸干し」と言われるもの。イワシの中でもっとも旨味が強いと言われている。
初めて見る小魚のナブラに大興奮!
朝から釣りを始めて午後4時頃、海面にたくさんの魚がバシャバシャと跳ねる様子が見えました。
「ナブラだ!イワシの群れがきてる、今がチャンス」と、夫も興奮気味です。近くの釣り人たちも次々に竿を振ります。
遠くで跳ねていたイワシの大群がこちらの沿岸にやってきました。バシャバシャとしばらく跳ねたかと思えば、今度は向こう岸の近くで跳ねています。この海面近くに浮上した小魚の群れのことを「ナブラ」、小魚が大きな魚に追われて海面にバシャバシャと逃げ惑う様子を「ナブラが立つ」といいます。水中では小魚の群れを大きな魚が取り囲んでいるはずです。
大物を狙う釣り人は、ナブラが立っている間にイワシを追いかけている大きな魚を狙います。夫も大物狙いのはずだったのですが、目の前に現れたナブラに大興奮したのか、大物狙いも忘れて娘と一緒にサビキに次々にかかるイワシ釣りに夢中になっていました。
ナブラが立っている30分ほどの間に一気に20匹以上のイワシを釣ることができました。イワシ釣りの醍醐味は、なんといっても沢山のイワシが釣れることではないでしょうか。サビキ釣りであれば、子どもでも簡単に釣り上げることが出来るので、家族でイワシ釣りが楽しめます。
たくさんの魚が釣れたら、「どうやって食べようかな」と献立を考える贅沢な悩みが出てくるのが嬉しいですね。
釣れたてのイワシをまるごと焼いて食べる
朝釣れたイワシをお昼ごはんに炭火で焼いていただきました。
イワシは身が柔らかく、しっかり焼いたら骨までボリボリと食べることができました。軽く塩を振っただけの新鮮なイワシは、身がホクホク柔らかくて滋味深く絶品でした。太めの背骨の部分はさらに焼いて骨せんべいにするとパリパリとした食感で美味しかったです。骨のある焼き魚を食べることが得意ではない娘も、柔らかい小骨も食べれるイワシはパクパクと食べていました。
次回は新鮮なイワシのお刺身にも挑戦したいです。
骨まで食べられる「イワシの生姜煮」
たくさん釣れたイワシで、ご飯のお供に「イワシの生姜煮」を作ることにしました。こっくりとした味付けで、骨まで食べれるというのが魅力的です。
材料
- イワシ、生姜
- 調味料(濃口醤油大さじ2、酒大さじ2、砂糖大さじ2 適宜調整)
- 水 :イワシがひたひたになるくらい
作り方
- イワシの鱗を包丁の背で軽くこそげ落とし頭と尾を落とす。腹を斜めに内臓ごと切り落とす。水で洗って身をきれいにする。水気を拭き取り食べやすい大きさに切っておく。(鱗は指でも十分ポロポロ取れます)
- 生姜を千切りにする。
- イワシを鍋に広げ、ひたひたになるくらいの水と酒と生姜を入れる。
4.落とし蓋をのせて中火にかける。沸騰したらアクをすくいながらイワシに火が通るまで煮る。
5.砂糖と醤油を加えて、落とし蓋を外して、好みの煮詰め加減になるまで煮詰めていく。
6.砂糖と醤油を加えて、落とし蓋を外して、好みの煮詰め加減になるまで煮詰めていく。
7.出来上がり
今回作ったイワシの生姜煮ですが、煮詰めたのに味付けが薄目で失敗してしまいした。失敗の原因を振り返ったところ、理由は2つです。イワシの量に対して調味料の分量が不足していました。また、本来なら鍋にイワシが重ならないように並べて煮なければならないのに、たくさん取れたイワシを2段重ねにして煮てしまったたため、味が全体にまわりきらなかったようです。
もう一度、調味料と水を足して煮てみたところ、味が滲みて骨まで柔らかなイワシの生姜煮が完成しました。次は、鍋にイワシが重ならないくらいの分量で味付けも濃い目に作りたいと思います。
子どもと一緒に「魚を釣る楽しさ」を味わう
暖かくなり、外で過ごしやすい季節になってきました。
久しぶりに子どもと一緒に釣りに出かけてみて感じたのは、やっぱり魚が釣れると嬉しいということです。7歳の娘がもっと小さかった頃の家族釣りでは、浜辺で貝殻を拾ったり生き物を探したりと、魚釣り以外の遊びを楽しむことが多かったように思います。
娘が大きくなってからの家族釣りでは、「魚釣りに来たのに魚が釣れない……」と退屈してしまうようになり、夫が一人で釣りに行くことが多くなっていました。娘も成長し、一人で竿を持って釣りができるようになったからこそ、魚釣りをするからには釣りたいとの気持ちが強くなってきたのかもしれません。私は海に竿を投げているだけで楽しいのですが(笑)。
回遊魚がまわってくるこの季節は、子どもと一緒に「魚を釣る楽しさ」を味わえる良い季節だと感じています。針に魚がかかる瞬間の「アタリ」や、魚がかかった針を外さないように釣り上げる感覚を体で覚えて、「やっぱり釣りは楽しい」と言ってくれると嬉しいものですね。
また近々、家族でイワシ釣りに行ってきます!
※参考資料 イワシ | 市場魚貝類図鑑 (zukan-bouz.com)