2023年ゴールデンウィーク、最初の旅は「銚子」へ
今年のGWは、制約のない久しぶりの大型連休でした。え、4年ぶり!? そりゃぁ出掛けたくなります。しかし、メディアでは連日のように「混雑予測」が話題に。「渋滞ほど人生の無駄はない」と真顔で思っている私です。クルマで遠くに行くのはまた違う機会にして、東京のお隣、房総半島で「オフピーク」を念頭に楽しもうと思ったのでした。
観光要素の多い場所は「平日」に持ってくる
GWの合間、カレンダーでは平日だった5月2日(火)に銚子を訪れました。
関東最東端の町「銚子」は、太平洋に突き出した半島で、日本3大河川のひとつ「利根川」が流入しています。温暖な「海洋性気候」のため、冬は雪がほとんど降らず、野菜の露地栽培ができるほか(春キャベツは、生産量日本一だそう!)、「醤油」醸造に適した環境といわれています。醤油が染みこんだ「ぬれせんべい」も銚子のお土産として有名ですよね。
また銚子は、太平洋を北上してくる暖かな「黒潮」と、北の方から流れてくる冷たい「親潮」がぶつかり、さらには利根川から流入する山のミネラル分も相まって、プランクトンが豊富。銚子漁港はなんと、「水揚量日本一」を誇るそうです。
そういえば大昔、たびたび洪水を起こしていた利根川。徳川家康さんが江戸の町を守るため、約60年の歳月をかけて河川の大改修工事を行ないました。江戸湾に流れていた利根川の流れをエイッと変えて、銚子に注がせたことも有名ですよね。
利根川の水運が発達したことで大いに発展した豊かな土地、銚子へ。キャンピングカーで前の晩に出発して「前乗り」で。目を覚ましてまず目指したのは、「銚子電鉄」の銚子駅です。
キャンピングカーで銚子駅へ。そこから先は電車でGO!
駅舎がいい感じの外川駅へ
銚子駅から約6.4kmで、終着駅の「外川駅」に着きました。GW中とはいえ、平日のやや早い時間帯に乗ったので、人もまばらでした。ちなみに、銚子電鉄のフリーパス「弧廻(こまわり)手形」を車内で購入しました(現金のみ)。
青い海に向かって滑り落ちるような急坂道を下っていきます。
日本ジオパークに指定された銚子。まずは「犬岩」に行ってみた
この犬岩、なんと約2億年前の地層だそう。恐竜が生きていた時代です。 地球の歴史を体感できる場所があちこちにある銚子は、町全体が「日本ジオパーク」に認定されているそうです。
さぁ、次は10時48分「外川駅」発の電車に乗るよー。これを逃したら1時間後になるのです。銚子電鉄は、朝の通勤・通学時間帯だけ1時間に2本ありますが、それ以外は1時間に1本。意外とのんびりできないのです(笑)。
灯台目指して犬吠駅へ
外川駅からひとつめの「犬吠駅」で下車しました。距離800m、徒歩約10分で犬吠埼灯台に着きました。
銚子といえば犬吠埼灯台
犬吠埼灯台は、1874年にイギリス人技師ブラントンの設計で作られた、レンガづくりの西洋式灯台。「世界100灯台」にも選出された美しい姿をしています。高さ約32mの灯台には実際に上ることもできます。
海から吹く風は少し冷たく爽やかで、芝生も気持ちよく、ここでオヤツ休憩を…。午前中ですでに1万歩近く歩いたので、お腹ぺこぺこ!次の目的地は、すぐ近くにある「犬吠埼テラステラス」です。
「犬吠埼テラステラス」で昼ビール
犬吠テラステラス
- 所在地:千葉県銚子市犬吠埼9575-2
- 営業時間:10時~18時(年中無休)
- ホームページ:https://inubow-tt.com
本当はこのあと、「君ヶ浜」を散歩しつつ、「君ヶ浜駅」で乗車し、銚子駅まで戻ろうと思っていたのですが、ちょっと間に合わなそうだったので(だから1時間ってあっという間なんです。かといって2時間は長すぎるし…)、ふたたび「犬吠駅」に戻り、そこで11時47分発の電車に乗りました。さぁクルマを銚子駅でピックアップして、お隣の「観音駅」近くのお店でランチです!
マグロだけじゃない観音駅
銚子といえば「マグロ」が有名ですが、青魚もたくさん獲れるそうで、それを使った漬け丼専門店「丼屋 七兵衛」に行きました。「漬け」と聞いただけでグッときます。大好物で家でもよく作っているので。
12時過ぎくらいに到着すると、平日なのに7組待ち。「よかった、さっき鯖鮨をつまみ食いしておいて(笑)」。順番が呼ばれるまでキャンピングカーで待機。1時間ちょっとで店内に入れました。われわれの後ろにもひっきりなしにお客さんがやって来ました。大人気ですね。
こちらのお店では伝統の「濃口醤油」で仕込み、「特許製法の塩ダレ」で、青魚特有の臭みを抑えて旨味を引き出しているそうですが、本当に臭みゼロ。 魚のこりこりした弾力がたまらない。目をハートにしていただきました。息子たちもモリモリ食べて(食べ過ぎて!?)、ちょっと物足りなかったなー。これまで旅先でしていた「夫×次男」、「私×長男」のシェアはそろそろ終わりでしょうか。
漬け丼の上に載っている香味野菜、ネギとかシソとか生姜とかは細かくカットされていました。なるほどこのくらいに切れば口当たりよく、香味野菜の香りがふわっとするのね。今度家で作るときはそうしよう。勉強になりました。
私たちは鯖をいただきましたが、ほかにもアジ、マンボウ、マグロの漬け丼も注文がバンバン出ていました。全部制覇してみたい。本当に美味しかったです。
丼屋 七兵衛
- 所在地:千葉県銚子市飯沼町 1-26
- 電話番号:0479-25-3133
- 営業時間:10時~17時(L.O.16時30分)
- 定休日:水、木曜
- ホームページ:https://www.shichibee.com
ちょっと寄り道「飯沼観音 圓福寺」、散歩しながら名刹へ
食事を済ませ、お店からスグの場所にある五重塔と大仏様で有名な「飯沼観音 圓福寺」を散歩することに。
坂東三十三観音第二十七番札所であり、奈良時代からの歴史を誇る由緒あるお寺です。銚子の繁華街や商店街は、この観音様の門前街として発展したそうです。
海に電車に灯台に漬け丼に、そして、由緒正しいお寺に。銚子って本当にバリエーションに富んでいる…と、大仏様越しのすがすがしい空を眺めていたらそう思いました。
飯沼観音 圓福寺
- 所在地:千葉県銚子市馬場町1-1
- 参詣時間:6時~17時(無休)
- ホームページ:http://iinumakannon.com/
電車で行けなかった君ヶ浜にクルマで行ってみた
午前中に行きそびれた「君ヶ浜」、クルマでリベンジしましょうか。
小さい子どもを連れてだと、なにかと移動に時間がかかるモノ。電車だけでは回りきれなかったとか、もうちょっと遠くまで行きたかったな、とか…。そういうモヤモヤがクルマがあれば解消できて便利だな、と今回思いました。
一方でレンタカーを借りるのはハードルが高いという方には、「電動アシスト自転車」のレンタルを、銚子のあちこちで見かけました。「乗り捨て」ができたり、超繁忙期以外であれば「電車への乗り入れ」もOKだそう。こういう便利なサービスを利用して、もっとディープな銚子を旅するのもいいですね。
「銚子」といえばな見どころ、ほかにもご紹介します!
地層丸見えの屏風ヶ浦
ここは訪れるヒトも多いと思います。断崖絶壁が10kmも続く屏風ヶ浦は約300万年前の地層だそう。
地球の丸く見える丘展望館
今回は入館しなかったのですが、ココがなんで「地球が丸く見える」かというと、「見渡せる360度のうち330度が水平線」だからだそうです。海に向かって突き出た「半島」にある、銚子の景色ならではですね。運がいいと富士山も見えるとか。
地球の丸く見える丘展望館
- 所在地:千葉県銚子市天王台1421-1
- 営業時間: 9時~18時30分(4~9月)、9時~17時30分(10月~3月)
- 定休日:年中無休
- 入館料:大人420円、小・中学生200円、60歳以上360円
- ホームページ:https://www.choshikanko.com/tenbokan/
ドライブやツーリングに行くなら国道126号線を通るべし
銚子市から東金市を経由し、千葉市稲毛区に至る国道126号線ですが、お隣の「飯岡(いいおか)」までの道のりがいつ通っても本当に気持ちよくて、ツーリングやドライブにオススメです。
飯岡刑部岬展望館から望む太平洋
高さ約60mの断崖にある「刑部岬(ぎょうぶみさき)」。銚子からクルマで20分くらいかかるのですが、このあと外房の家に行く予定だったので、ちらっと寄ってみました。わたくしごとですが10年くらい前、夫とたびたび飯岡にサーフィンで訪れていました。波待ちしながらこの展望台、見えたなーと、懐かしくなり行ってみたのです。
素晴らしい景色を惜しげもなく無料で展望させてもらえて(笑)、あまり教えたくないのですが、この場所いいなーと感動しました。銚子の「屏風ヶ浦」も見えましたよ。
飯岡刑部岬展望館
- 所在地:千葉県旭市上永井1309-1
- 営業時間:9時~17時
- 定休日:毎週月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
銚子周辺は、遊びのバリエーションに富んだ大変奥深いエリアです。夏の磯遊びも楽しそうですね。皆さまもぜひ。