アウトドアに本気で取り組める時期がやってきた! 自然を慈しみ、ひとりでも家族でも楽しむためにキャンプのベストギアを揃えよう。BE-PAL編集部員が実際に使ってわかった「凄いキャンプ道具」から、まずはテントをご紹介!
キャンプビギナーの女性編集部員がレビュー!
私が試しました! 編集部 カジハラ
収容人数4人以上の大型テントは、なんといっても設営が大変!──というイメージが強い。そんなファミリー向けテントのテスターに任命されたのは、なんとビギナーの女子ふたり。
カジハラは新卒入社で昨年7月に本誌配属となった、キャンパーとしても1年生。そんなカジハラが選んだのは、いまや定番となっている寝室とリビングが付いたコールマンの2ルームテントと、フロア着脱式で独自性のあるデザインが印象的なogawaのピレウス、そして開放的なリビングが目を惹くゼインアーツの3種。
すべてに共通するのが、見た目ほど設営が面倒じゃない──ということ。複雑ではないが斬新なフレーム構造に戸惑ったというゼインアーツは例外としても、コールマンとogawaは30分程度で設営完了。カジハラ+熟練者男性1人での設営時間としてはまずまずだ。
また、この3モデルはすべてインナーをはずせばシェルターとしても利用可能。「グループキャンプでの集会スペースとしても活躍しますね!」。
※以下のテント紹介で掲載したタイムは、風速8メートルの中、男女1人ずつでの設営時間です。
ファミキャンデビューにはコレ! オールシーズン対応の入門モデル/2ルーム
コールマン/タフスクリーン2ルーム TX/MDX
¥103,290
設営時間:2人で33:00
「TexFiber」というコットンのような風合いの新素材を幕体に使ったニューモデル。重くて車から取り出すのは大変だったけど、設営してみたら広いリビングと、高さ173㎝の寝室があって、ゆったり団らんできる快適さ満点のスペースのでき上がり!
●収容人数/4~5人
●サイズ/約560×340×高さ210㎝
●重量/約20.5kg
問い合わせ先:コールマン カスタマーサービス 0120-111-957
封筒型寝袋を4つ並べられる。
CHECK POINT
テープは収納ポケットへIN
足を引っ掛ける心配のあるグランドテープは、設営後に片側をはずしてポケットに収納可能。
フルスカート仕様で巻き上げもできちゃう
フライ裾のスカートは、季節や天候などの状況に応じてトグルで留めておくことができる。
直感的な設営を助ける色分けパーツ
スリーブ先端の色に合わせてポールを挿入すれば間違える心配なし。親切な工夫がありがたい。
シェルター利用もできる自由度の高さが魅力/Aフレーム
ogawa/ピレウス
¥145,200
2人で20:30
外側にセットするアウタークロスポール構造。何がいいって、内部にポールがないからスペースを広々と使えること。幕体はT/C素材だから通気性がいいし、フロアは着脱式。さまざまな張り方を楽しめるので、グループやカップルキャンパーにもお薦め。
●収容人数/5人
●サイズ/約340×413×高さ240㎝
●重量/約17.56kg
問い合わせ先:キャンパルジャパン 0800-800-7120
外側にポールがある生成りの幕体というだけでインパクト大。この個性的なシルエットも魅力のひとつ。
インナーのフロアは着脱式で、サイズ調節も可能。フロアをはずせばシェルターとしても使える。
CHECK POINT
ポール要らずのひさしで手軽に涼しく!
前面出入り口の大きなひさしは、ガイラインのみで張ることができる。
設営が簡単な吊り下げ式
クロスポールの交差部にフライ頂点のフックを掛けてポールを立ち上げるだけ。
※サンプル品のため本製品とはフックのカラーが異なります。
開放感バツグンの前室が遊び盛りのキッズにぴったり!/モノポール
ゼインアーツ/ロロ
¥164,890
2人で49:45
初めてゆえ模索しながらの設営で時間がかかってしまったけれど、センターポールを突っ張るだけで立ち上がるので次回からはすんなり立てられそう。両サイドのブリッジフレームのおかげで剛性が高く、耐候性にも優れた安心感バツグンのモデル。
●収容人数/4人
●サイズ/約530×435×高さ285㎝
●重量/17㎏
問い合わせ先:ゼインアーツ info@zanearts.com
CHECK POINT
天井のベンチレーターもラク〜に開閉できる
ジッパーの引き手にポールが付いているのでスムーズに開閉可能。
雨天でも通気性ばっちり!
後部のベンチレーターは斜めになっていて雨でもメッシュにできる。
インナーテントを守る止水ジッパー
傾斜のあるサイド開口部には止水ジッパーが使われ雨漏りしにくい。
グループキャンプ向きのテントもレビュー!
私が試しました! 編集部 イダ
いっぽう友達とのキャンプ経験ありというイダは、今年2 月に入社した新人。アウトドアスキルはまだまだ初心者の彼女は、ogawaのクーポラ、MSR、ビッグアグネスをチョイス。果敢にも8人用、6人用と収容人数の多いモデルを選んだのは、気の合う仲間とのグループキャンプを見据えてのこと。
まずはクーポラ。大人数モデルならではのペグダウン箇所の多さには辟易としたものの、それだけに完成後の達成感はひとしお。機能面では、着脱式のインナーフロアを自由自在にセットできる柔軟性に感動した。さらに、「大人数でもノンストレスに過ごせそう!」と4方向すべてにある出入り口にも着目。友達と共同所有するならコレで決まり! という感じだ。
独創的なフレーム構造で居住空間を広げたMSRは、ヘッドクリアランスの良さと、軽量かつコンパクトなのが気に入った様子。インナー上部がメッシュなので、「蒸し暑い夏場にもいいかも」と、夏キャンプでのお披露目に思わず夢が膨らむ。
ロケ時にお試しで泊まったのはビッグアグネス。振り分け寝室仕様なので、初心者仲間のカジハラとひとつ屋根の下でご宿泊。2組が別々の部屋で眠れるところが気に入ったようだ。さらに「けっこう大きいのにペグダウン箇所が少なくて、スムーズに建てられました」と、設営の楽さも好印象。
ファミテン選びには理想のキャンプスタイルの見極めが重要、と学んだふたり。
「フィールドの我が家と呼べるような一張を見つけるぞ~!」
着脱式グランドシートで多彩なレイアウトを楽しめる/大人数モデル
ogawa/クーポラ
¥196,900
2人で27:00
こんなに大きなテントを立てるのは人生初! どうなることやらと思いきや、ポールとスリーブ先端の色分けのおかげで意外なほどスムーズに設営完了。32か所のペグダウンは少し大変だったけど、半面や両サイドなど自由自在にセットできる着脱式フロアは感動モノ。
●収容人数/8人用
●サイズ/約570×285×高さ200㎝
●重量/約15.95kg
問い合わせ先:キャンパルジャパン 0800-800-7120
どの角度から見ても個性的なデザイン
フロアはトグル留め式で、留め位置の変更もカンタン。
フロアをはずせば全長570㎝の広いシェルターとしても。
全面フロアにすると、最大8人までが寝られるスペースに。
CHECK POINT
ベンチレーターは中からアクセスできる
メッシュパネルを開けて、テント内からベンチレーターの開閉調節ができる。
テープは両端とも取りはずし可能
両端にフックが付いたグランドテープは、設営後は完全に取りはずせる。
立てやすさと居住性の両立で選ぶならコレ!/ドーム型
MSR/ハビスケープ6
¥101,200
2人で22:30
室内高195㎝! これならテント内での着替えも楽ちん。それに出入り口が垂直に近く立ち上がっているから、スムーズに出入りできるのも印象的。ロケ時の強風下で設営するのは苦労したけど、クロスポールと短いポール4本だけで設営できる簡便さは大きな魅力。
●収容人数/6人
●サイズ/約427×254×高さ195㎝
●重量/6,520g
問い合わせ先:モチヅキ 0256(32)0860
CHECK POINT
フライ・インナー間も通気性良好
吊り下げ式インナータイプは、フライとの隙間が大きく空くのが特徴。雨天でも通気性を確保できる。
側面中央まで防水が頼もしい
フライ両側は通気性を考慮して裾が短めだが、フロアとサイドの赤い生地は耐水圧が高いので安心だ。
独自のフレーム構造が広さの秘訣
前後出入り口上部と両サイドにポールの出っ張りがあることで、インナーを外側に押し広げるポールワーク。
振り分け2寝室だから2家族でシェアもおすすめ/セパレートタイプ
ビッグアグネス/ワイオミングトレイル4
¥159,280
2人で20:15
大きなクロスポールとアーチポール2本だけで立てられるから、ビギナーでも簡単に設営できました。しかも、ペグダウンがたった14か所という少なさに感涙! 2人用寝室がふたつある振り分け式だから、2カップルや家族4人で使うのにぴったり。
●収容人数/4人
●サイズ/約445×229×高さ178㎝
●重量/9.92kg
問い合わせ先:ケンコー社 06(6374)2788
プライベート空間で熟睡でした
昼は仲間とキャンプを楽しんで、夜はひとりでぐっすり眠りたい人にもおすすめ。
別売りフットプリント(¥12,100)をセットすれば6〜8人が寝られる。
CHECK POINT
リフレクターで夜の事故を防ぐ
夜はガイラインやループの再帰反射素材が光り、つまずく心配がなく安心
ジョイントで簡単に固定できる
クロスしたポールをしっかり固定する留め具付きで、剛性がアップ。
独自構造のガイラインで強度UP
3か所から引いたガイラインをOリングで1本化して固定できるタイプ。
※構成/坂本りえ 撮影/中村文隆 協力/影山盛太、木村泰河
(BE-PAL 2023年5月号より)