
笠森観音は房総半島の真ん中あたりに位置します。見事な建造物の観音堂をぐるっと周り、建物を見上げました。森と同化している雰囲気に圧倒されます。
趣味=節約な私が得意とするお金をかけずに楽しむ旅
4年ぶりに制限のない今年のGW。混雑を避けて外房の家に滞在、財布をほとんど開かずに過ごしました。お金を使わないレジャーの代表選手といえば「トレッキング」だと思うのです。現地に赴いて、ただ歩くだけ。とはいえ季節の移ろいを全身で感じ、歩きながら家族といろんな話もしつつ、ほどよく疲れて、「ああ、今日もいい1日だった」と、美味しくお酒を飲んで眠りに就く。「最高の趣味!」と私は胸を張っていっています。

お寺の裏に広がる豊かな森。家族しかいない場所を見つける、というのも楽しいモノです。
みんなと同じ動きをしちゃダメよ
東京の周りを含めた首都圏の人口は4,500万人弱だそう。日本の約3割の人たちと同じ動きをしていたら、渋滞に巻き込まれるのは当たり前です。だいたいみなさん早朝に東京を出て、ランチを食べてから帰宅するというパターンでしょうか。首都圏からやって来た大きなカタマリとバッティングしないよう、今年のGWは外房の家でランチを食べたりして、たっぷり時間をやり過ごしてから、13時半ごろ主要な観光地に出かけるようにしていました。
ちなみに東京から出掛けるのも、早いか(前乗りか)、遅いか(昼すぎか)を心がけています。
念願かなって行ってみた「笠森観音」

笠森寺、通称「笠森観音」は「坂東三十三観音霊場第31番札所」。巡礼の霊場となっており、創建は784年といわれています。
今回は、かねてから気になっていた「笠森観音」へ。そこは深い森に囲まれた、岩の上に建つ「天台宗」の寺院です。以前テレビの旅番組で観たことがあり、「天空の寺院」とか「空中寺院」なんて呼ばれているそうで、「へぇ千葉にこんな不思議な場所が!」 と驚いたものでした。

無料の駐車場のすぐ目の前が、笠森観音への入り口です。そこには無数のお地蔵様が。
家がある勝浦からこの場所までは約30km。「オフピーク」したおかげで道はガラガラでしたが、クルマで45分くらいかかった笠森観音は房総半島の内陸にあります。肌寒く爽やかだった勝浦より、ややムシッとして気温も高め。同じ県内なのに全然空気が違います。

鬱蒼とした参道(女坂)をトコトコ登っていきます。男坂は急傾斜の道です。
参道に佇む「子授け楠」

穴があったら、くぐらずにいられない兄弟です…。
参道の途中にあった立派なクスノキ。根っこの付近に人がくぐれるほどの穴が空いています。訪れて初めて知ったのですが、笠森観音は「子授のご利益」があると言われ、他方から参拝者が多くやってくるとか。以前、有名芸能人さんも参拝に訪れ、御利益にあずかったそうですよ。

森を登り切ったところに、やっと「二天門」が見えてきました。すでにいい運動。

急に賑やかになりました。

境内広場には強力な開運パワーがあると評判の「黒招き猫」のグッズが売られている店や、カフェがありました。
激混みというわけではないけど、人は多かったです。ライダーの姿もちらほら。首都圏からのカタマリがいらっしゃった午前中は、きっと大変な賑わいだったと思います。
いよいよ「天空の寺院」へ

「重要文化財」を見上げる兄弟。
大岩の上にそびえる笠森観音は、61本の柱で支えられた「四方懸造(しほうかけづくり)」と呼ばれる構造。京都の清水寺と同じ「懸造り(かけづくり)」だそうです。それは崖など高低差の大きい土地に、床下を固定してその上に建てる建築様式だそう。

靴を脱いで観音堂に上がります。なんだか東南アジアのお寺のようだなと、かつての旅を懐かしみました。

岩と柱と、不思議な光景。日本の古来の木組みによる、釘やねじを一切使わない工法を間近で見られます。すごい!

この写真は帰りのものですが、観音堂までは急な75段の階段を上がりました。高所が苦手なヒトはヒヤッとするかも。
階段を上りきったところで「参拝料」をお支払いします。大人300円、子ども(小学生の長男)100円でした。

「転落注意」の看板。特別な転落防止の設備はないので、子どもからは絶対目を離さないように!

「天空の寺院」と呼ばれるだけあって、さすがに眺めがよい。豊かな自然が眼前に広がっていました。
観音堂の周りは廊下でぐるりと回遊することができます。360度の大自然と宗教が融合した、美しい景色がありました。あの「松尾芭蕉」さんも観音堂の上で句を詠んだそうですよ!

裸足でぺたぺた歩くのも気持ちよかった。
ちなみに御朱印などは観音堂のなかで受け付けているそう。堂内は撮影禁止なので注意です。

観音堂はペットNG。下で待っている夫と豊に手を振りました。
子授のご利益らしい光景
「お礼参り」でしょうか。生まれたばかりの赤ちゃんを大切そうに抱いた若い夫婦が、観音堂の急な階段を慎重に上がっている姿を見かけました。

こちらは「子育て地蔵尊」が安置されている「六角堂」。
願いが叶ったのでしょう。お礼の言葉が書かれた「スタイ」が掛けられていました。

六角堂の奥には「鐘楼堂」があり、誰でも鐘をつくことができます。
駐車場から参道を観音堂に向かって歩いていたとき、どこからともなく美しい鐘の音色が響いていました。この「鐘楼堂」から聞こえてきたのですね。
笠森寺自然林トレッキング
先ほど観音堂から見下ろした青々とした森を歩きましょう。

観音堂の裏手にルートがあります。
この森は、「禁伐林」として保護されてきたそうです。手つかずの森にはイタチ、アナグマ、リス、フクロウなど多くの生き物が生息しているとか。鳥たちの絶え間ないおしゃべりに、「ここはどこ?」「千葉よ!」と突っ込みたくなるくらい気持ちよかったー。

笠森観音に行ったなら、この気持ちいい道を歩かないなんてもったいない(笑)。
「イノシシ注意」の貼り紙もあり、息子たちはもしイノシシに出くわしたら?という話で盛り上がっていました。クマなんかと同じで急に走り出したり、背中を見せたりしないのが正解らしいですよ。

ちょこっと休憩できる屋根付きのベンチが、ルート上に何か所かありました。

「展望台」発見。

東京のお隣、千葉県は、海あり山あり贅沢な自然がありますね。

展望台の先は急な下り階段。
お寺を訪れてみたら、まさか周辺がこんな本格的なトレッキングルートになっているとは。笠森観音が深い森に囲まれた場所にある、という証拠ですね。そして相変わらず私たち以外、誰もいません。ええ、一応GWでしたけど。

「弁天谷池」が見えてきました。駐車場までもう少しです。

向こう岸に「あずまや」が見えます。水中には大きな鯉が体をくねらせていました。
あと少しだけ歩くと、キャンピングカーを停めてある無料の駐車場に着きます。観音堂を見学して、鐘も鳴らして(笑)。山道をゆっくり歩いても1時間半ほどで周遊できる、いいルートでした。
ふと、ひとりで水面を眺めていた白髪のご婦人に話しかけられました。われわれが歩いてきた道はどうなっているの?と。かくかくしかじか、鬱蒼とした山道でしたが気持ちよかったですよ。観音堂までも30分くらいです、と私が答えました。
「行きたいけど、ひとりじゃ怖そうだなー」と、ご婦人は残念がっていました。そうですね、木々が生い茂って暗い箇所もあるし、イノシシも出るようなので、単独行動はちょっと心細いかも知れませんね…。
ご婦人の行動的な雰囲気とか、みごとな白い髪とか、なんだか1年半前に他界した実母と重なり、いまからでも引き返してご一緒したくなったのでした。
笠森観音
- 所在地:千葉県長生郡長南町笠森302
- 電話:0475-46-0536
- 開堂時間: 8時~16時半(4月~9月)、 8時~16時(10月~3月)
※荒天時は閉堂 - ホームページ:https://kasamori-ji.or.jp
