日本の文化や習慣を、異国で感じることがしばしばある。
たとえばペルーでのビールの飲み方。宴会や家族行事のときには、日本の茶道のように一つの器で回し飲みをする。宮古島の「オトーリ」のようにグラスを持った者が口上を述べるときもある。
グラスに少しビールを注ぎ、ビンを次の人に「乾杯!」と言って渡す。ビールを煽って、次の人へ。こうして宴は朝まで続く。
ここからはペルー流。しこたま飲んでフラフラ&頭痛の翌日。
「二日酔いはセビチェで断つべし」
これがペルーの古都、ピウラの習わし。
セビチェとは、簡単に言うと「南米風、魚介マリネ」。たいてい白身魚やエビ、イカ、貝などが使われている。土地によってはサバやサメが使われることも。
そして何を隠そうこのセビチェ、“ピウラ人いわく” 発祥はピウラなのだ。ピウラには「セビチェリア」と呼ばれるセビチェ専門店が数多くある。
そこで今回は、僭越ながらピウラで暮らしていた私から、日本で手に入る材料だけで作れる簡単セビチェのレシピをご紹介したい。
はたして再現率は・・・。
材料
・キダイ(白身魚ならなんでもOK)
・エビ ・タコ
※魚介は生食用で、計300g程度。
・紫玉ねぎ (1/2) ・ライム (2個) ←これが二日酔いに効く!
・コリアンダー (少々) ・鷹の爪 (少々) ・塩 (適量)
以上!
セビチェは各地で特色があり、メキシコのセビチェにはトマトが入ったりもする。ここで紹介するのは発祥の地のセビチェ、つまり生まれたてのセビチェ、調理手順はいたってシンプル。
ポイントはライム。お酢やレモンではピウラの味が出てこない。コリアンダーも苦手でなければ必ず入れたい。レタスなどを敷けば良い盛り付けたときの見栄えもUP。ペルーではサツマイモやとうもろこし、豆が定番の付け合わせ。
調理手順
STEP1
キダイ、タコを小口大にカット。玉ねぎは薄くスライス。コリアンダーはみじん切りにし、鷹の爪は湯で戻しておく。
STEP2
ボールに魚介、玉ねぎ、コリアンダー、鷹の爪を入れそこへライムを搾り、塩を適量加える(塩はきつめくらいがちょうど良い)
STEP3
材料を和える。魚の表面がライムでしまってやや白くなればOK。汁はそのまま、捨ててはいけない。
カット、搾る、混ぜる。3ステップでセビチェが完成。いざ実食。
再現度・・・75%!
25%は何かと言うと、一つにはトウガラシ。ペルーのセビチェにはふつう生のトウガラシが使用されていて、品種もやや異なる。あとは私の腕のなさ(トホホ)。そして何より気候、ピウラの灼熱が足りない。
それでも日本でこの再現度はなかなかのもの。
みなさん、二日酔いには是非セビチェをお試しあれ!
【プロフィール】
■文・写真=志田岳弥(しだたけや)
1991年、東京都八王子市生まれ。大学進学を機に沖縄へ、カヤックを始める。2014年、青年海外協力隊としてペルーへ。同国では自然保護区管理局へ配属され環境教育に従事。現地の子供達と川で遊んだ日々は一番の思い出。2年の任期を終え帰国するも、南米へトンボ帰り。パタゴニア北部をカヤックで放浪。現在、日本でジワジワ前進中。