全国的に解禁となった渓流釣り。週末になると足しげく渓流に通い、イワナやヤマメとの出会いを楽しんでいる人も多いのではないでしょうか。
渓流釣りには、エサ釣りやルアーフィッシング、フライフィッシングなど、さまざまな釣り方があります。
なかでも今回は、日本古来の釣法である毛バリ釣り“テンカラ”に注目!テンカラトは何かを、基本の道具とともに紹介します。
これからテンカラをはじめてみたい人や、興味がある人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
古来から伝わる釣法“テンカラ”とは?
テンカラとは、古くから日本で行われてきた毛バリ釣りです。
水生昆虫や陸生昆虫などを模した毛バリ(針に毛を付けてエサに見せかけたもの)を使い、ヤマメやアマゴ、イワナなどの渓流魚を狙います。
テンカラの仕掛けは非常にシンプル。1本ののべ竿に、1本のライン、1本の毛バリだけを用いて、渓流魚とのスリリングな駆け引きを楽しみます。
ラインを太くし、毛バリのサイズを大きくすることで、本流域に潜む大型の渓流魚やニジマスも狙えます。また、毛バリにアタックする魚の姿を間近で見られるのも、テンカラならではの魅力といえるでしょう。
渓流魚が潜んでいそうなポイントに毛バリを投げ込み、狙い通りに釣りあげたときの喜びは特別なものです。
初心者必見!テンカラ釣りの基本的な道具
キャンプで使う道具を“ギア”と呼ぶように、釣りに用いる道具全般のことを“タックル”と言います。
テンカラをはじめる際に必要な“タックル”を見ていきましょう。必要な道具を知ることで、よりテンカラのイメージがつきやすくなるでしょう。
1.のべ竿
のべ竿は、テンカラ専用のものを使います。
数秒単位でキャスト(ロッドを振って仕掛けを飛ばすこと)を繰り返すため、軽くて取り扱いやすいものが最適です。
また、ラインの重みを利用して毛バリを飛ばす釣り手法のため、毛バリを正確にポイントへ投げ込めるようなしなやかな調子の竿を選びましょう。
調子とは、竿が曲がる支点を指し、支点が竿先側にあるものを先調子、竿の根本側にあるものを胴調子と呼びます。支点のバランスは、根本:竿先で、7:3や5:5と表記されるのが一般的です。テンカラ竿は、7:3から6:4の、やや胴調子のものが投げやすいでしょう。
また、釣り場の規模にあわせ、適した長さを選ぶのもポイントです。一般的な渓流域では3.4~3.8m、スペースが限られる源流域は3.1〜3.4m、川幅の広い本流域では4.4m程度を基準に選ぶのがおすすめです。
2.ライン
ラインは、テンカラの最も特徴的な部分といえるでしょう。
軽い毛バリを遠くに飛ばす必要があるため、一般的な釣りで使われるものよりも太く、重みのあるラインが使われます。
ラインの種類は主に、テーパーライン・レベルライン・ストレートラインの3種類です。
テーパーラインとは、ナイロンなどのモノフィラメントラインを数本よりあわせたもの。しかし、現在ではほとんど使われていません。
レベルラインとは主流のラインで、フロロカーボン製です。適度な重みがあるため、毛バリを飛ばしやすく、傷んだ際の交換も楽に行えます。一方で、レベルラインは巻きグセがつきやすく、うまく毛バリを飛ばせないという場合も発生しうるでしょう。
そこで登場したのが、ストレートラインです。新素材の糸を編み込んでコーティングしており、巻きグセがつきにくいのが大きな魅力。
初心者はまず、最も扱いやすいストレートラインを用意しましょう。
3.ハリス
ハリスとは、ラインの先と毛バリを結ぶ糸のことです。主に、ナイロンとフロロカーボンの2種類がありますが、フロロカーボンがおすすめ。
フロロカーボンはハリがあるため、操作性がよいといえます。さらに、水面で絡みにくく、すぐにほどけるのが特徴です。
糸の太さを示す号数は、一般的な渓流域や源流域で渓流魚を狙う場合、0.8号を選ぶのがよいでしょう。
なお、テンカラをする際は、ハリスの長さは1mを基準にしてください。渓流魚に警戒心を与えにくく、操作もしやすいちょうどよい長さといえます。
4.毛バリ
さまざまな種類の毛バリがありますが、基本的にはどのような毛バリでも大丈夫です。
魚の視力はそれほどよくなく、エサのようなものがあると口に入れ、違和感があると吐き出す習性があります。そのため、エサのような形をしている毛バリであれば、問題なく釣れるわけです。
ただし、ハリの大きさはチェックすべきポイント。フライフィッシング用のフック換算で12番を基準にしましょう。
また、魚の活性が低いときに備え、12番よりもやや小さめの14番も用意しておけば、ほとんどの状況に対応できます。
自然も楽しめる!テンカラ釣りをはじめてみよう
青々と茂る美しい緑の景色のなか、清流のせせらぎや鳥のさえずりに心癒されるテンカラ。
必要なタックルも少なくシンプルな手法なので、誰でも気軽にはじめられますよ。記事を読んで興味がわいたら、ぜひテンカラに挑戦してみてください。