4月から5月にかけてはハイキングのベストシーズンだ。暑すぎず寒すぎず、虫刺されの心配もなく、新緑はまぶしくて……。休みの日が近づくたびに天気予報とにらめっこしてタイミングを伺っていたが、ようやくその日が巡ってきた。
今回向かうのは「神武寺・鷹取山ハイキングコース」。鎌倉から下り電車で二駅、JR東逗子駅の改札を出たらいよいよスタート!
実はこのコース、息子が3歳のときに訪れたことがあった。とはいえ、4年も前だからさすがに記憶も曖昧。ということで、まずは駅の外にある案内板をチェック。鷹取山までは約1時間20分ほどの道のりだ。
住宅街をしばらく進むと、右側に案内板が出てくるので、それに従って階段を上っていく。途中で「イノシシに注意」の立て看板を見つけ、ギョッとする一同。もし出会ったらどう対処すればいいのだろう? そう思っていたら、息子は棒を拾って「これで戦うから大丈夫!」と、枯れた笹を相手にイノシシ撃退の自主練習を始めた。
山門をくぐると神武寺だ。残念ながら本堂は立入禁止だが、梵鐘や薬師堂、地蔵堂は見ることができる。道の途中に佇む六地蔵は、参拝客やハイカーを見守ってくれているのだろうか。
木に囲まれ、苔に覆われた境内はとても雰囲気がよくて、いつまでもぼーっとしていられそう。脇にあったベンチに座り、目の前の美しい風景に見とれる。息子は早く頂上に行きたいようだが、まあまあ焦らずに、となだめながら、放心タイムに付き合ってもらった。
ハイキング再開。いつのまにか、撃退用の棒が太くて長いものに変わっている。こっちのほうがすごい!と感じたから、今までのは捨て、新たにこちらを相棒として持つことにしたのだとか。そういえばハイキングコースに入った直後には、「工作で使えそうな材料を拾いたい」というので、リュックにビニール袋を結びつけて、収穫物をすぐに入れられるようにしたのだった。
日々の生活では、枝や葉っぱは視界に入っても気づかないものでしかないのだろうが、山道を歩けば、それが武器になり、宝になり、いろいろな役割を持つ“モノ”に変化する子どもの視点が、面白い。
突如現れる送電鉄塔の脇をすり抜けたあとは、岩場が続く。この巨大な岩をすり抜けるときは、なんだか冒険っぽい!という気分になり、かなりテンションが上がった。