鎌倉アルプスの登山ルートは?天園ハイキングコースのルートを解説
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    山・ハイキング・クライミング

    2023.08.13

    鎌倉アルプスの登山ルートは?天園ハイキングコースのルートを解説

    古都鎌倉にも『鎌倉アルプス』と呼ばれるハイキングスポットがあることをご存じでしょうか。鎌倉アルプスの代表的コースである天園ハイキングコースのルートを詳細に解説します。ほかの五つのルートの概要も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

    休日は鎌倉アルプスでハイキングしよう!

    東京から気軽に行ける距離にある鎌倉には、鎌倉アルプスというハイキングコースがあります。鎌倉アルプスの概要や、ハイキングに適した服装を確認しましょう。

    鎌倉アルプスの六つのハイキングコース

    鎌倉アルプスには、以下六つのコースがあります。

    • 葛原岡・大仏ハイキングコース
    • 天園ハイキングコース
    • 衣張山ハイキングコース
    • 朝比奈切通しハイキングコース
    • 六国見山ハイキングコース
    • 祇園山ハイキングコース

    観光スポットを巡るコースや本格的な登山ができるコースなど、それぞれ全長や見どころが異なり、自分の好みやレベルに合ったコースを選べます。なお、祇園山ハイキングコースと天園ハイキングコースは、台風による倒木などの影響から通行止めとなっていましたが、2023年7月現在は通行可能です。

    代表的なのは天園ハイキングコース

    数あるコースの中でも、天園ハイキングコースは市内最高峰の大平山を通過する、鎌倉アルプスの中でも人気のコースです。その名称は、日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を撃破した東郷平八郎が「まるで天国の園に遊ぶようだ」と表現したことから名付けられたといわれています。

    富士山や相模湾を見渡せ、自然を満喫できるだけでなく、鎌倉市街で観光やショッピングもできるため、ハイキング初心者にはおすすめのコースです。ただしコースの全長は約5~6kmと少々長いため、多少の脚力が必要と考えましょう。

    天園ハイキングコースに適した服装は?

    天園ハイキングコースを歩く場合は、本格的なウェアでなくてもよいですが、動きやすい服装が望ましいでしょう。具体的には、速乾性のTシャツに長袖シャツやアウターを重ね着して、体温調節ができるようにするのがベターです。

    シューズについては、地面に凹凸がある箇所がところどころあるので、底が厚いスニーカーもしくはハイキング用のシューズ(ライトトレッキングシューズ)がおすすめです。

    さらに、タオルや水分、非常食など登山に必要な基本的な装備があれば十分といえます。

    天園ハイキングコースのルート

    天園ハイキングコースのルートを、スポットごとに解説します。天園ハイキングコースは約2時間半で踏破できる、比較的手軽かつ登りごたえのあるルートです。

    北鎌倉駅から建長寺を目指す

    東京方面から電車で向かう場合、北鎌倉駅からスタートするのが効率的です。電車を降りたら鎌倉街道を鎌倉方面に進み、建長寺へ向かいましょう。北鎌倉駅から建長寺までの所要時間は約15分です。

    道中には桜や紅葉の名所である円覚寺があるので、時間に余裕があれば立ち寄るのもよいでしょう。天園ハイキングコースに入るには建長寺の境内を通過するため、拝観料500円が必要です。逆方向から歩く場合も同様です。

    建長寺は鎌倉屈指の観光スポットとして有名で、登山客だけでなく多くの参拝客でにぎわっています。

    建長寺から半僧坊へ

    建長寺自体も有名な観光スポットなので、時間をとって立ち寄るのもおすすめです。トレッキングコースに向かうには、建長寺から北に向かってトレッキングコースの入り口である半僧坊を目指します。

    半僧坊に向かうまでには約270段の階段があり、ここがトレッキングコース一の難所ともいわれています。階段を上がり、天狗の像が見えてきたら、社殿は目の前です。

    半僧坊の境内には休憩スポットとトイレがあるので、用を足すならここで済ませておきましょう。なお半僧坊から少し西に向かうと、富士見台と呼ばれるテラスがあります。天気のよい日には富士山が見られるおすすめスポットです。

    絶景スポット勝上献展望台へ

    半僧坊を抜けると、天園ハイキングコースに合流します。少々急な階段を登りきると、絶景スポットである勝上献展望台に到着です。勝上献展望台からは、富士山や相模湾、鎌倉市内を一望できます。建長寺や伊豆半島も望めるので、写真を撮るのに絶好のスポットです。

    天気がよい日には、運がよければ八丈島まで見渡せる場合もあります。ここまで階段続きでしたが、きつい階段はここで終わりです。

    天園方面へ分岐、大平山を目指す

    勝上献展望台から少し上がると、分岐が現れます。ここから本格的なハイキングのスタートです。分岐は天園方面(東)へ折れるのがハイキングコースなので、東へ向かいましょう。

    5~10分程度歩くと、神奈川の景勝50選に数えられており、鎌倉のパワースポットともいわれる十王岩に到着します。十王岩を過ぎると、大平山へ続くルートと、覚園寺へ抜ける下山ルートへの分岐があります。

    体力に自信がなければ、ここで下山するのも一つの選択肢です。大平山へ続くルートの途中には、ロープを使って岩肌を登る難所があるので、動きやすい格好は必須です。

    広場を抜け、天園へ

    山を登りきると、大平山の山頂に到着します。大平山は海抜約159mで、山頂は鎌倉市の最高地点です。山頂から少し下ると広場があるので、休憩や昼食をとるならここがおすすめです。

    広場を抜けるとトイレがあり、トイレを抜けて右に進むと、コース名の由来にもなっている天園へ続きます。天園は鎌倉市と横浜市の境に位置しており、横浜市の最高地点でもある場所です。天園からは、鎌倉市内や相模湾を見渡せます。

    天園休憩所から瑞泉寺方面へ

    天園には休憩所があり、多くの登山客でにぎわっています。休憩所を抜けると、獅子舞分岐と呼ばれる分岐地点に到着です。瑞泉寺方面へ進むのが公式ルートですが、もう一つの道である獅子舞経由鎌倉宮方面へ向かっても最終的には同じ地点にたどり着きます。

    獅子舞経由の分岐は私有地を通るため、便宜上公式ルートには設定されていません。ただし獅子舞経由のほうが所要時間が短いので、下山を急ぐ人は獅子舞方面を選んでもよいでしょう。

    瑞泉寺方面に進むなら、途中の標識に沿って道なりに進めば瑞泉寺へ到着しゴールです。瑞泉寺からは鶴岡八幡宮、小町通りと進めば、鎌倉駅に到着します。

    なお、ここまで紹介したルートを逆から歩くのもOKです。

    鎌倉アルプスのその他のコース

    天園ハイキングコース以外のコースの概要を解説します。自然を満喫できるコースから史跡を堪能できるコースまであるので、好みのコースを探してみましょう。

    葛原岡・大仏ハイキングコース

    北鎌倉駅から徒歩約10分の浄智寺から、江ノ電長谷駅の近くにある鎌倉大仏(高徳院)を目指すルートです。四季折々の表情を楽しめるのに加え、縁結びのご利益があるといわれる葛原岡神社を通ります。お花見スポットとしても有名な神社です。

    大きな見どころは、なんといっても鎌倉大仏です。ハイキングをしながら大仏も拝みたい人には、ぴったりのコースといえるでしょう。岩や崖で囲まれた宇賀福神社には、金運アップで有名な銭洗弁天があります。所要時間は約2時間弱ですが、観光スポットが目白押しの欲張りなコースです。

    衣張山ハイキングコース

    鎌倉駅から逗子方面へと向かう途中の大町からハイキングコースに入り、竹林で有名な報国寺や鎌倉最古の寺である杉本寺方面へと抜ける、鎌倉東部の外周を巡るルートです。衣張山の山頂からは由比ヶ浜や鎌倉の街並み、さらには富士山も望めます。途中には縦走スポットもあり、中級者向けのコースといえます。

    別願寺・安養院・報国寺などの寺社に加え、衣張山から望むパノラマの両方が楽しめるのでおすすめです。所要時間は2時間~2時間半程度です。古都ならではの歴史と自然を同時に感じたい人は、ぜひ挑戦してみましょう。

    朝比奈切通しハイキングコース

    所要時間約1時間弱で回れるお手軽なコースです。鎌倉の中でも、特に昔の面影を残しているといわれています。かつて交易路であった朝比奈切通しの道中には石像が点在しており、まるで中世にタイムスリップしたかのような気分を味わえるでしょう。

    鎌倉駅からバスで十二所神社バス停へ向かい、そこから山の中を通って朝比奈バス停を目指します。または十二所神社へ引き返してもOKです。山間にはひっそりと熊野神社がたっているので、お参りをしてもよいでしょう。難所もなく、上り坂も緩やかなため、初心者でも十分に楽しめます。

    六国見山ハイキングコース

    六国見山をハイキングするコースです。六国見山とは、かつて山頂から六つの国が見えたことから名付けられた山です。スタート地点はいくつかありますが、北鎌倉駅を出発して戻ってくるルートが無難でしょう。

    六国見山の山頂には広場と展望デッキがあり、景色を眺めながらの昼食や休憩におすすめです。六国見山を下山したあとは、西側にある鎌倉湖と陰陽の滝まで足を延ばしてもよいでしょう。所要時間は2時間程度で、初心者でも十分に踏破できます。

    祇園山ハイキングコース

    コース中に点在する史跡を楽しめる、1時間程度で回れるコースです。祇園山は鎌倉幕府の執権を務めた北条一族が、楠木正成らの反乱に際して逃げ込んだ山です。北条一族は高時を筆頭に自害しており、祇園山は鎌倉幕府終焉の地ともいえます。

    途中には腹切りやぐらがあり、歴史を感じたい人にはおすすめです。スタート地点は鎌倉駅付近の八雲神社です。八雲神社は鎌倉最古の厄除け神社といわれているため、ハイキングの途中でお参りをしてもよいでしょう。

    コースは鎌倉駅周辺を回るルートですが、途中の祇園山見晴台からは鎌倉市街や由比ヶ浜を見渡せ、ハイカーも満足できる内容です。

    まとめ

    鎌倉には、神社仏閣だけでなく、鎌倉アルプスというそれらを含めたトレッキングコースが豊富にあります。今まで観光メインで訪れていた人も、ハイキングに挑戦してみてはいかがでしょうか。

    ハイキングコースは6個に分かれており、初心者でも十分に踏破できるコースから、経験者向けの本格的なコースまでバラエティに富んでいます。その日のテーマを決めて、ハイキングコースを選ぶのも面白いでしょう。

    自然と歴史が入り混じる古都鎌倉で、新たな発見をしませんか。

    若菜晃子・文 羽金知美・写真
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