永遠につけない!?パイネ国立公園への道
プエルトナタレスは人口約2万人の小さな港町。パイネ国立公園への中継地だけあってアウトドアショップも多く、プンタアレーナスよりもアウトドアな街です。例えば、手ぶらでトレッキングをしに来たとしてもレンタルショップがあるので問題なし。
安宿、マリ・ホセに転がり込む、ドミトリータイプで一泊9000ペソ。同室だったバックパッカーはパイネ国立公園でトレッキングをした帰りで、色々と情報をくれました。安さ以上にこうした交流ができるのがドミトリーのいいところかもしれませんね。
パイネ国立公園行きの往復バスのチケットやトレッキング中の食料調達などを一通り済ませ、就寝しました。
ところが夜な夜な、激しい腹痛が!
「これはもう諦めるしかないなぁ」
と思わせるくらいのもので、数週間前にペルーで犬に噛まれたものの特に何も処置をしなかったボクは、
「狂犬病発症か!?」
などと過剰な心配をしましたが、朝にはおさまり無事に出発。
バス停。待てども待てどもバスがこない。いい加減予定時刻も過ぎたので、守衛に尋ねると、なんと7番停留所から発車予定だったバスが10番からすでに出たというではありませんか!
よりにもよって、待っていた室内の待合所からはちょうど見えない10番。
「アナウンスくらいしてくれよぉ」
と思いながらも14:30発の片道チケットを7500ペソで購入。午後まで街を散策することにしました。
再びバス停へやってきました。
出発時刻の30分前、さすがにまだ待ている人はいません。
・・・・・20分経過・・・・・
・・・・・30分経過・・・・・
おかしい、来ない。
不安になったので、朝と同じ守衛にバスのことを聞く。守衛の返事はこうでした。
「パイネ行き?もう出たよ。」
えー!!!
いつ!?いつよ!?
もう何が何だかわからないボクはパニック、そして意気消沈。しばらくしてわかったことは、どうやらボクの時計が狂っているということでした。ただプンタアレーナスからプエルトナタレスまでのバスに乗る際にはこんなことはなく、かといってその2地点で大きな時差があるはずもなく、ボクは狐につつまれたような気分で宿に戻ったのでした。
つづく
【プロフィール】
■文・写真=志田岳弥(しだたけや)
1991年、東京都八王子市生まれ。大学進学を機に沖縄へ、カヤックを始める。2014年、青年海外協力隊としてペルーへ。同国では自然保護区管理局へ配属され環境教育に従事。現地の子供達と川で遊んだ日々は一番の思い出。2年の任期を終え帰国するも、南米へトンボ帰り。パタゴニア北部をカヤックで放浪。現在、日本でジワジワ前進中。