焚き火はキャンプの楽しみのひとつ。だけど、火が着かなかったり、炎が大きくなりすぎたりと、ままならないことも多い。そんなピンチを回避する賢い焚き火術、聞いてきました!
焚き火先生 玉井宏和さん(トップ画像・右)
群馬県北軽井沢にある団体向け施設『TAKIVIVA』の責任者。渓流釣りが好きで、プライベートでも釣り&焚き火を満喫。公私ともに焚き火三昧の先生が、長年、培ってきた焚き火術を伝授。
焚き火ビギナー 山田 梢さん(トップ画像・左)
TAKIVIVAの姉妹施設のキャンプ場、北軽井沢スウィートグラスの新入社員さん。山登りが趣味だが、キャンプ場での焚き火はほぼ初めて。今回ワザを学び、近々、焚き火キャンプをする予定。
TAKIVIVA
焚き火をコミュニケーションツールと捉え、2020年9月にオープンした宿泊型ミーティング施設。企業研修の場として注目されている。
問い合わせ先:https://takiviva.net/
ピンチ1
達人(自称)のはずが、火が着かない!
いつしか炎が消えて煙がもくもく。薪のいじりすぎもNGです。
焚き火台には長さ30㎝の薪がベスト
上が薪ストーブ用で約45㎝。下は30㎝の薪で、焚き火台からはみ出さず、安全。
一発着火の薪の組み方
6本薪を組んで着火
焚き火台の底に4本の薪を並べ、両端に1本ずつ置く。着火剤で着火する。
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細い薪をのせる
ナタで細く割った薪を両端の薪と垂直になるように置く。隙間は空けなくてOK。
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さらに薪をのせる
少し隙間を空けて中央に薪を2本置く。その上に斜めになるように1本のせる。
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形状を維持しつつ燃える
2段目の細い薪が最初に燃え尽きるが、組んだ薪が崩れずに、井桁組みをキープ。
ピンチ2
煙を出したいわけじゃないのにっ~!
拾った枝は湿っていて煙くなる。枝を極細、細め、太めに仕分け、煙回避の焚き火を。
湿った枝の焚き火術
太めの枝を井桁に組む
長さ約30㎝に折った太めの枝を井桁に組み、着火剤に火を着ける。
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小枝を束にしてのせる
極細の枝を束にして着火剤の上にのせる。隙間を作らないのがコツ。
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やや細い枝をのせる
その上にやや細い枝を束にしてのせる。枝の方向は同じでOK。
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太めの枝をのせる
太めの枝を投入。火の近くに枝を置いて、乾かすことも忘れずに。
湿った薪の場合
濡れた面を削り、中の乾いた部分で焚き火をする。
ピンチ3
リアル炎上で真っ青……
調子に乗って薪をどんどん投入していたら、テントを焦がすほど炎が上がって、心臓バクバク。万が一を考え、水の入ったバケツを用意しておくと安心だ。
トングで1本ずつ薪をつかみ、水を入れたバケツに投入して火を消す。慌てずに。
ピンチ4
新品ケトルが真っ黒に!
多少の煤汚れは味、という考え方もあるが、不織布たわし、新聞紙、メラミンスポンジがあれば、煤汚れはきれいに落ちる
丸めた新聞紙でこする
新聞紙を丸めて水で湿らせてゴシゴシこする。汚れはあらかた落ちる。
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不織布たわしで軽くこする
頑固な汚れは不織布たわしを。力を入れすぎると傷がつくので注意。
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メラミンスポンジでこする
軽い汚れはメラミンスポンジを使う。軽くこするだけでOK。
ピンチ5
気づいたときには穴だらけ……(泣)
薪が爆ぜて化学繊維のギアやウェアに穴が開くのは焚き火あるある。
リペアシートで補修する手もあるが、コットン製の上着を着用しておけば、中の衣類に穴が開く心配がない。
ピンチ6
ヤバイっ! 電車に乗ったら焚き火臭……
ウェアや髪の毛など、いったんついた焚き火臭は消えにくい。
風に当てる
風に当てるとある程度はにおいが軽減される。
消臭スプレー
焚き火臭にも効果があるアウトドア用消臭スプレーも販売されている。
重曹で消臭する
重曹と衣類をビニール袋に入れて、ひと晩放置する。多少、軽減される。
ピンチ7
焚き火台は洗う? 洗わない?
灰を流すと排水パイプ詰まりの原因に。キャンプ場では洗わないこと。新聞紙で表面の灰を落とせばOK。
※構成/松村由美子 撮影/中村文隆
(BE-PAL 2023年7月号より)